10年前と比較すると、「ブルックリンという場所を訪れてみたい!」という人が断然増えてきたというのは、ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区、在住歴10年のライター・安部かすみさん。今年発刊された旅ブック『NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ(旅のヒントBOOK)』の制作で、ここ数年で激変したブルックリンという街のあり方を改めて見つめ直したといいます。「世界中から注目されているのは、大資本と観光客だらけのマンハッタンとは違う独自の魅力が、ブルックリンにあるからです」

そんな安部さんに、地元の人たちが足繁く通う名店を、特別に本の中から選んでいただきました。「女性のひとり旅でも入りやすい雰囲気のレストラン&バー5店」はぜひ、次の旅の参考にされてください。

「今」行くべき、ブルックリンのレストラン&バー5選

■1:ブルックリンスタイルの複合レストラン【Freehold】

むき出しの天井にアンティーク風のカウチやテーブルがぴったり

むき出しの天井に天窓、古い木の床、広い店内にはカフェやレストランのほかに、屋外芝生スペースもあって、気候のいい季節は人々が外飲みやピンポン(卓球)を自由気ままに楽しんでいる……。これぞ「ブルックリンスタイル」要素満載のレストランが、このFreehold(フリーホールドです)!

Meet(会う)、Work(働く)、Play(遊ぶ)の3つのメインコンセプトを基につくられた同店は、コンシェルジュのいる(まるでホテルのような)レストラン&カフェで、昼間は人々が食事をしながらラップトップに向き合っていたり、ミーティングしたりしています。そして夜は一転、賑やかなレストラン&バーラウンジに大変身。

ここで私がよくオーダーするのが、やわらかくてジューシーなパテがおいしいHouse Burger($15)や、下味がついてサクッとした歯ざわりのFried Chicken Sandwich($14)など。アメリカンフードですが、大き過ぎず大味ではないので、ぺろっと食べられる味とボリュームがたまりません。ワッフルやタコス、卵料理などのブランチメニューも充実しています。

House Burger($15)とTruffle Fried($2)、コーラ($2.50)

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■2:レストラン・バーと映画館の複合店【Syndicated Bar & Theater Kitchen】

早い時間帯は自然光が降り注ぐ、明るい雰囲気

若いクリエイターが近年多く移り住んでいるブッシュウィック地区。ここに、製造品の倉庫だった建物をリノベーションしてつくられたレストラン・バー&映画館、Syndicated Bar & Theater Kitchen(シンディケイティッド・バー&シアター・キッチン)があります。

中央にスクエア型の大きなカウンターがあって、昼間は自然光が注ぎ込み明るい雰囲気です。ハンバーガー、タコス、チキンウィング、カラマリなどシーズンごとに変わるフードは何でもおいしく、奥の映画館スペースで映画を観ながら食べると、おいしさも増します。

映画館は65名まで収容可で、最新作から旧作まで毎日1~4本の映画を上映中。通常の映画館より平均10ドル近く安く観られるというのも人気の秘密です。映画の前に早めに到着し、「バーカウンターで1杯」している人も多いです。

ハーブ、ペペロンチーニ、ハーブなどがミックスされたピリ辛のCrispy Calamari($10)
バジルやライムが入ってフレッシュ! テキーラベースのDrop Dead Gorgeous($12)

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■3:おしゃれ&カジュアルな北欧料理×ワークスペース【Norman】

140席分のコミューナルテーブルが並ぶレストランエリア

ニューヨークをはじめ世界中の飲食業界で近年、急先鋒になっている北欧料理。ブルックリンのNorman(ノーマン)では、北欧料理をカジュアルでより安く楽しめます。

ここのユニークなポイントは、グラフィティー(壁画の落書き)いっぱいの外壁やだだっ広いインダストリアルな建物をリノベーションした空間だということと、コワーキングスペース&雑貨店の「A/D/O」も併設されていることです。総面積は2,137㎡と、とにかく広いです。

フードは、地元農家でとれたばかりの新鮮な素材が使われていて、繊細でシンプルな味付が特徴です。奥はコワーキングスペースで、ラップトップで仕事をしているクリエイターらの姿を見かけます。右側はモダンなデザインの雑貨スペースなので、おみやげ探しにもおすすめですよ。

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■4:安定した味を提供するニューアメリカン【The Four Horsemen】

上品に盛り付けられた小皿料理がメイン(1皿$12〜26) © Damien Lafargue

ブルックリンのワイン店のオーナーも普段使いしているレストラン&ワインバーのThe Four Horsemen(ザ・フォー・ホースメン)。いつ行っても繊細で安定した味で大満足させてくれる、ニューヨークにはそんなに多くない貴重なお店のひとつです。

フードは四季折々の食材を使用したニューアメリカンで、近年この街で徐々に増えている小皿料理スタイル。2名以上で行ってシェアするとよいでしょう。土曜、日曜の13:00~16:00は、$28のセットメニューも用意されています。

メニューの内容は常に変わるので、行く前にウェブサイトで事前チェックしましょう。ワインバーだけあって、ワインのセレクションもアメリカ産やヨーロッパ産の自然派を中心とした逸品ばかりです。

決して広くはない店内ですが、木をふんだんに使った北欧風のインテリアで、クリーンで清潔感があり、スタッフのサービスもよく、日本にいるような居心地の良さを感じるでしょう。

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■5:500人収容可、看板のない秘密バー【Royal Palms Shuffleboard Club】

ブルックリナイツが夜な夜な夢中でプレーしているシャッフルボード

ドリンク&軽食メインでブルックリンスタイルのバーを楽しみたいのなら、ここがおすすめです。メタルの加工工場だった建物をリノベートしてつくられた、500名も収容できる巨大スペースは、一見今でも工場のよう(看板もいっさいなし!)。

お店に一歩入れば、ブルックリナイツ(ブルックリン子)たちがスポーツの一種、ニューヨークでも珍しいシャッフルボード(リーグトーナメントもあり)に興じているのを見て、異世界に紛れ込んだような気持ちになります。

プレーは簡単で、初めての人には無料レッスンもあります。プレーしなくても飲みながら人々のプレーを見るだけでも楽しめます。

お腹が空いたら店内脇のガレージに外から横付けされているフードトラック(屋台)へ。週替わりで、タコスやバーガー類などブルックリンのB級グルメが堪能できます。

ココナッツウォーターやライムジュースなどが入ったジンベースのカクテル($11)

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アメリカのフードといえば大盛り料理のイメージがあるかもしれませんが、ブルックリンでは以上のお店のように上品で繊細な小皿料理の店が近年とても増えました。飲みながら楽しめるカジュアルなB級フードもたくさんあります。女性のひとり旅でも訪れやすいスポットばかりなので、ブルックリンを訪れたらぜひ、行ってみてください!

『NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ(旅のヒントBOOK)』
古くて新しいブルックリンの「今」がわかる新刊
古いものを大切にしながら新しいものを取り入れ、独自のカルチャーを発信し続けるブルックリンの「今」が1冊になりました。2018年3月にイカロス出版より刊行された『NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ(旅のヒントBOOK)』(¥1,728)。全国の書店とAmazonで好評発売中。
この記事の執筆者
ニューヨーク・ブルックリン在住。日本の出版社で音楽編集者、2冊のガイドブックの編集長を経て、2002年ニューヨークに移住。2007年より在ニューヨーク新聞社に勤務しシニアエディター職を経て、2014年に退職し独立。現在は雑誌やニュースサイトで、ライフスタイル、トレンド、グルメ、文化や習慣、テック&IT業界など、ニューヨークの最新情報を執筆。2018年初の著書『NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ(旅のヒントBOOK)』を刊行。ロンドンベースのプロジェクトで翻訳家としても活動中。在外ジャーナリスト協会「Global Press」会員。
公式サイト:A.Kasumi
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PHOTO :
©Kasumi Abe
WRITING :
安部かすみ
EDIT :
石原あや乃