【目次】

【「ゴムの日」とは?】

■「いつ」?

「ゴムの日」は「5月6日」です。

■日付の「由来」と「目的」は?

日付の由来は……おわかりですね?「ゴ(5)ム(6)」と読む語呂合せです!そして「ゴムの日」制定の目的は、ゴム製品をPRすること。わかりやすいですね!


【ビジネス雑談に役立つ「ゴム」の雑学】

■そもそも「ゴム」って何からできている?

「ゴム」は「伸縮性に優れた高分子物質」を指し、オランダ語の[gom]が語源です。漢字では、あて字で「護謨」と表記されます。ゴムノキ(ゴムの木)の樹液(ラテックス)から作られる天然ゴムと、人工的に合成される合成ゴムの2種類があります。天然ゴムの主成分は炭水化物。一方の合成ゴムの主成分は、ブタジエン、スチレンなど。石炭・石油製品から化学合成によってつくられています。

■「天然ゴム」の生産国は?

ゴムノキとは、ラテックスを採取できるゴム植物の総称で、様々な種類が存在します。例えば、産業的に天然ゴムの原料として重要なパラゴムノキは、アマゾン川流域が原産。名前の「パラ」は原産地であるブラジル北部のパラ州に由来します。現在、ゴムのプランテーションの多くは東南アジアで、マレーシア、インドネシア、タイの3ヵ国で全体の約70%の生産量となっています。その理由は、原材料であるパラゴムノキが熱帯気候帯でしか育たないから。実は、パラゴムノキには南米葉枯病という病害があり、原産地であるブラジルでは壊滅的な被害が出たため、現在ではほとんど栽培されていないのです。東南アジアにおいてもゴムの病害はゼロではなく、いつ天然ゴムの生産ができなくなってもおかしくないとさえいわれています。

■「天然ゴム」はどうやって作られる?

ゴムノキの樹皮を傷つけると、乳白色で粘り気のある樹液が出てきます。これがラテックスと呼ばれるゴムの原料で、集められたラテックスはろ過され、固形物や不純物が取り除かれます。このラテックスに一定の割合で酢酸や蟻酸などの酸を添加して凝固させ、さらに自然乾燥または加熱乾燥すると、生ゴムの出来上がりです。

■「合成ゴム」より「天然ゴム」のほうが優れている?

「合成ゴム」より「天然ゴム」には優劣があるわけではなく、それぞれに特長があり、用途に合わせて使い分けされています。特徴としては、天然ゴムは弾性や強度が高く、私たちがゴムと聞いてすぐに連想する、車のタイヤなどに使われています。ただし、ゴムノキは育つ地域が限定されているうえに天然素材だということもあり、品質が安定しにくい傾向にあります。今後ますます持続的な供給が難しくなっていくかもしれません。

天然ゴムよりも手に入りやすく、品質も安定していることから作られたのが合成ゴムです。耐熱性や耐油性、耐老化性などを高めた、様々な種類の合成ゴムが開発され、用途に合わせて利用されています。現在では天然ゴムと合成ゴムの生産量比率は、ほぼ同じくらいです。

■観葉植物の「ベンジャミン」をご存知ですか?

実は1970年代に、「ゴムの木」が観葉植物として流行していた時期がありました。厚くて大きな濃緑の葉をつけた観葉植物に見覚えのある方も衣多いのでは? あまり知られていませんが、現在でも観葉植物として人気の「ゴムの木」は、別名ベンジャミンゴムノキ。温暖な気候の日本でも手入れが簡単で育てやすいため、インテリア用として人気があります。花言葉は「永久の幸せ」。

■「天然ゴム」のアレルギーに御用心!

実は「天然ゴム」はアレルギーが出やすく、皮膚疾患を引き起こすこともあります。いわゆる「ラテックスアレルギー」と呼ばれるものですね。ゴム手袋をした際に、手首に痒みと湿疹が出るなどの症状が特徴です。一般成人で4.3%の割合だと言いますから、「ゴム手袋をすると痒くなる」人は、「ラテックスアレルギー」を疑ってみるといいかもしれません。

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5月6日は、「5(ゴ)6(ム)」の語呂合わせから、「ゴムの日」です。ゴムと聞けば、輪ゴムや自動車のタイヤを連想しますが、スマートフォンや靴、水道管など多くの製品に使用され、私たちの日常になくてはならない素材のひとつです。ビジネス雑談に仕える小ネタのひとつとしてお役立てください。

この記事の執筆者
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参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /『世界大百科事典』(平凡社) :