「杜撰」ってなんと読む?「もりせん」ではありません!

明日、5月24日は『伊達政宗忌』です。伊達政宗といえば「独眼竜」の異名をもつ、大変人気の高い戦国武将ですね。現在の宮城県と岩手県南部を包した仙台藩(62万石)の初代藩主でもありました。仙台といえば「杜の都(もりのみやこ)」と言われますが、仙台市ホームページには「杜(もり)」に関し「山などに自然に生えている樹木や草花だけではなく、そのまちに暮らす人々が協力し合い、長い年月をかけて育てた来た豊かな緑」と定義し「人々がていねいに手入れをしてきた『緑』こそが仙台の宝」と書かれています。

ということで、本日は「杜」という字の入った日本語クイズをお送りします。

【問題1】「杜若(○○○○○)」ってなんと読む?

「杜若」の、かな5文字の正しい読み方をお答えください。

ヒント:いままさに花の見ごろを迎える植物の名です。

<使用例>仙

「あそこに咲いている花は、文目?それとも杜若(○○○○○)?」

美しい花を咲かせます。
美しい花を咲かせます。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 杜若(かきつばた) です。

こちらが杜若(かきつばた)です。
こちらが杜若(かきつばた)です。

杜若(かきつばた)は「いずれ文目(あやめ)か杜若」という言い回しがあるように、アヤメとよく似た紫色の花を咲かせる植物ですね。「かきつばた」という呼称は、むかし、この花の汁を絞って染料としていたことから「掻付花(カキツケバナ)」と呼んだものが転じた、という説が有力です。漢字表記の「杜若」は漢語をそのまま使用したもので、「とじゃく」とも読むので、クイズでは、かなの字数を限定しましたが、日本では「杜若(かきつばた)」と読むのが一般的です。

さて、2問目にまいりましょう。

【問題2】「杜撰」ってなんと読む?

「杜撰」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「物事がいいかげんで誤りが多いこと」「詩や文章に、典拠の確かでないことを書くこと」などの意味を持つ言葉です。

<使用例>

「個人情報の管理が杜撰な会社は、信用できないわ」

かな3文字です。
かな3文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 杜撰(ずさん) です。

「杜(もり)」と同じ字が入っているのですね。

「杜」は、「木+土」で構成される字ですので、「自然」を意味する「もり」という訓読みがあるのは納得できますね。この字の音読みが「ズ」と「ト」で、「杜撰(ずさん)」「杜氏(とうじ)」などの熟語にも使われまる。「杜撰(ずさん)」の語源は、中国の故事の「宋の杜黙(ともく)という人物がつくる詩文が、定型詩の規則にほとんど合っていなかった」というエピソードに由来します。

*** 

本日は、5月24日、『伊達政宗忌』にちなんで、「杜」という字の入った日本語から、 

・杜若(かきつばた)

・杜撰(ずさん)

の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。

この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
BY :
参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/仙台市ホームページ/同志社女子大学ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)/photo AC
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
ILLUSTRATION :
小出 真朱