「淋ぐ」ってなんと読む?「さみぐ」ではないですよ!
本日はまず、いきなりクイズに挑戦していただきます。
【問題1】「淋巴」ってなんと読む?
「淋巴」という外来語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:もとはラテン語で、「高等動物の組織細胞の間を流れる無色透明の液体」のことです。「血液から栄養物をとり入れて細胞に送り、細胞から老廃物を受け取って血液に戻すほか、細菌の侵入を防ぐ」という機能をもっています。
<使用例>
「この時期はむくみやすいから、整体師さんに習った、淋巴を流すマッサージが欠かせないわ」

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 淋巴(リンパ) です。

実は明日、6月30日は『リンパの日』という記念日なので、これにちなんだ出題でした。梅雨どきは特にむくみやすくなる、という背景と、630(むくみゼロ)の語呂あわせで、日付が選ばれたようです。
「淋巴(リンパ)」の漢字表記に関しては「『琳』は意訳であると同時に、音訳としても成り立つように選ばれた漢字と言えます」(日本医事新報社ホームページより)とあります。「淋」は、訓読みでは「淋しい(さび-しい)」がよく知られている漢字ですが、「淋巴(リンパ)」に通じる、別の意味もあるのです。
…これを踏まえて2問目にまいりましょう。
【問題2】「淋ぐ」ってなんと読む?
「淋ぐ」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「流れ入る。流れ込む」「流し入れる」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「淋巴(リンパ)は、栄養物を含んだ水分を、全身に淋ぐ役割を果たしていますよね」

…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 淋ぐ(そそ-ぐ) です。

「淋」という字は、「木々にゆきわたる水」というイメージで「そそ(ぐ)」のほか「したた(る)」とも読みます。現在ポピュラーな「淋(さび)しい」という読み方は、この字の「ひっそりしている」という物理的なイメージからの連想で生まれたものなのです。ちなみに「淋しい」の「淋」は「さび」「さみ」どちらで読んでも正解ですが、もともとは「さび」が正式で、「さみ」は口語的な音変化による読み方です。
※関連記事はこちら→「寂しい」と「淋しい」の違いは?わかりやすい例文で、使い分けの根拠を解説!
「淋巴(リンパ)」の「巴」のほうは、完全な音訳のようです。「巴里(パリ)」にも使われている当て字ですね。
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本日は、6月30日『リンパの日』にちなんで、「淋」という字を深掘りし、
・淋巴(リンパ)
・淋ぐ(そそ-ぐ)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
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- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/日本医事新報社ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)