そのときどきの旬の果物がどっさりと乗ったフルーツタルトは、見た目も華やかでテンションが上がるスイーツ。友人や恋人との楽しいひとときに一緒にいただくのもよし、頑張っている自分へのご褒美として買うのもよし。まさに「最強のデザート」と言っても過言ではありません!

口に運べば、果物のフレッシュな甘味と酸味、濃厚なアーモンドクリームやカスタードクリームなどのクリーム層と、サクッとした歯ごたえのタルト生地、この3つが融合し合い、夢のような気分にさせてくれる一品ですよね。その代表格はパティスリー「キル フェ ボン」のフルーツタルトですが、華やかでおいしいタルトを提供しているのは、ここだけではないのです!

今回、スイーツジャーナリストの平岩理緒さんに、旬を楽しめる絶品フルーツタルトの関東のお店を教えていただきました。どのフルーツタルトも、見た目も味も満足できるものばかり。ぜひ一度、贅沢な気分を味わってみてください!

■1:厳選いちごを惜しみなく贅沢に乗せた「Maison Givrée(メゾン ジブレー)」の『タルト フレーズ』(中央林間駅)

「タルト フレーズ」(1ピース¥626、1ホール4号¥2,700)
「タルト フレーズ」(1ピース¥626、1ホール4号¥2,700)

ひとつめは、フレッシュフルーツをふんだんに使った生菓子や焼き菓子を販売する「Maison Givrée(メゾン ジブレー)」のフルーツタルト。このお店は、イタリアのミラノ万博内で開催された世界大会の菓子コンクールでチーム優勝し、ジェラートワールドカップに出場するなど、世界的に活躍するパティシエの江森宏之シェフ2017年7月にオープンさせたスイーツショップ。

東京南西部の田園都市線と小田急線が通る、中央林間駅から徒歩5分ほどの場所にあり、黄色い屋根が目印で、店内は明るくかわいらしい雰囲気。お店のロゴにもさまざまな果物が描かれているように、店内には江森シェフこだわりのフルーツを使ったケーキがずらりと並びます。

季節によって旬のフルーツを用いるため、Facebookページに現在販売されている商品が随時紹介されています。都心からは少し離れたこの店を、平岩さんがピックアップした理由はなんでしょうか?

「日本やフランスの有名パティスリーで腕を磨いた実力派パティシエ、江森宏之シェフ自身が農地を訪ね、交流を重ねてきた日本各地の農家さんから届けられるフルーツをたっぷり使ったケーキやジェラートが人気のお店です。

パティシエとしての基本技術が高いため、タルトの生地やクリームなどのパーツも、総じてレベルが高く、フレッシュなフルーツとバランスよく調和しています。

通常の流通にはあまり乗らない、少量生産の貴重品種と出合えることも。2017年7月のオープン以来、瞬く間に大人気店になりました。スイーツファンなら見逃せない、今、注目のお店のひとつです」(平岩さん)

そして今回、おすすめするのがいちごを使ったタルト。栃木県産の”とちおとめ”を使った「タルト フレーズ」(1ピース¥626、1ホール4号¥2,700)、同じく栃木県産の希少価値の高いいちご品種・”ロイヤルクイーン”を使った「ロイヤルクイーンのタルト」(1ピース¥670、1ホール4号¥3,024)の2種類が販売されています。

「ロイヤルクイーンのタルト」(1ピース¥670、1ホール4号¥3,024)
「ロイヤルクイーンのタルト」(1ピース¥670、1ホール4号¥3,024)

どちらもみずみずしいいちごがふんだんに使われており、サクッとしたタルトと口の中で合わさると食感も甘味も絶妙にマッチします。江森シェフに、タルトへのこだわりを伺いました。

「タルトのベースとなるサブレ生地は、粉の合わせ方を変えることで冷蔵でもサクサクの食感をキープしています。軽さがありながらしっとりとしたアーモンドクリームは、しっかりと焼き込むことでうまみが出ます。タルト台の上に煮詰めた木いちごのジャムをひき、上に絞っているのはクレームムースリーヌ、クレームパティシエールとバターを合わせたもので、軽さを持たせていながらコクがあります。

卵には、マリーゴールドというお花を食べさせた鶏から産まれた、色味の鮮やかな卵を使っています。この卵は乳製品と相性がいいんです。そしていちごですが、とちおとめは栃木県・伊澤いちご農園からの産地直送。ロイヤルクイーンは酸味と甘味のバランスがよく、色味のとても赤いいちごです。また夏になると那須高原から”夏乙女”という、これも栃木県産のジューシーな夏いちごが登場します」(江森シェフ)

ひとつひとつの素材にも、シェフの並々ならぬこだわりが表れていますよね。イートインスペースでドリンクと一緒にいただくのもいいですし、持ち帰って2種類のタルトを食べ比べてみるのもおすすめです!

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■2:甘酸っぱい佐藤錦がかわいらしい「パレスホテル東京 スイーツ&デリ」の『佐藤錦のタルト』(大手町駅)

佐藤錦のタルト(1ピース¥1,296、1ホール¥10,368)
佐藤錦のタルト(1ピース¥1,296、1ホール¥10,368)

続いては、「スイーツ&デリ」のフルーツタルト。ここは、東京のど真ん中にそびえ立つ、パレスホテル東京。さまざまな地下鉄が乗り入れ、アクセスも抜群な大手町駅から直結しているこのホテルの地下一階にあります。

焼き菓子やケーキなどのホテルメイドのスイーツや、パンやコンフィチュールなど多彩なラインナップで、差し入れやおもてなしのお菓子を購入するのにも最適な「スイーツ&デリ」。平岩さんに、おすすめポイントを挙げていただきました。

「ホテルメイドのスイーツは、目上の方への手土産にも価値が伝わりやすく、年代性別を問わず、家族で楽しめる安心感があります。大手町というアクセスのよさ、仕事帰りにも寄りやすい営業時間(夜20時まで営業)なのもうれしいですね。果物の味を素直に味わえるよう、構成は王道クラシックなタルトのスタイル。厳選されたフルーツの味わいと、ホテルのパティシエがていねいにつくった味が楽しめます。たっぷりボリュームのホールサイズで、サプライズのバースデーケーキなどにもおすすめです」(平岩さん)

季節ごとの旬なフルーツを使ったタルトは、とにかく果物がたっぷり山盛りで贅沢。今回おすすめするのは、佐藤錦のタルト(1ピース¥1,296、1ホール¥10,368)です。コロンとしたさくらんぼがぎゅっと並ぶ姿もかわいらしく、程よい酸味とタルト生地の甘味が心地よいおいしさです。

また、パレスホテル東京のマーケティング室によると、「アーモンドクリームを使った生地をベースに生クリーム入りのカスタードを重ね、フルーツの酸味を引き出します。佐藤錦の香りもしっかりとお楽しみいただけ、1ピースに約12粒のチェリーをたっぷりと使用したタルトです。5月中旬からはシャインマスカットのタルト(1ピース¥918)も登場予定です」とのこと。

仕事で疲れて甘いものに癒されたい日はもちろん、誕生日や記念日にちょっと思い立って買っていけるのもこの立地ならでは。季節ごとに訪れて、そのときどきの旬のタルトを楽しみたいお店です。

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■3:銀座店限定!花束のような完熟マンゴーが美しい「カフェコムサ」の『宮崎県産完熟マンゴー「太陽のタマゴ」のケーキ』(銀座駅)

宮崎県産完熟マンゴー「太陽のタマゴ」のケーキ(1ピース¥3,000)
宮崎県産完熟マンゴー「太陽のタマゴ」のケーキ(1ピース¥3,000)

最後は“日本の食をアートする”をテーマに、日本の四季を感じられる旬な国産フルーツをふんだんに使用したケーキを提供する「カフェコムサ」のフルーツタルト(カフェコムサではタルトをケーキと表記)。

お店に入ると、ショーケースにはさまざまなフルーツのケーキが宝石のようにキラキラと並び、目移りしてしまいます。平岩さんは、「カフェコムサ」のタルトをおすすめする理由をこう話します。

「まるで大きな花束のように、華やかでゴージャスな盛り付け。日本各地の希少なブランドフルーツを、驚くほど贅沢に、緻密に盛り付けしています。お店に入ると、ホールがずらりと並んだショーケースの華やかさに圧倒されます。パーティーなど特別な時に、奮発して一度はホール買いしたくなるお店です。

銀座店が一番、品ぞろえが多いですが、店舗限定品もあったり、支店ごとに雰囲気の違いも楽しめます。たまに、キャラクターや映画とのコラボフルーツタルトなど、企画ものがあるのも面白いです」(平岩さん)

今回ご紹介するのは、銀座店限定の宮崎県産完熟マンゴー「太陽のタマゴ」のケーキ(1ピース¥3,000、1ホール¥30,000)。同じショーケースに並ぶ他のケーキに比べてもお値段は高めですが、それだけこだわり抜いた希少なフルーツが使われているということ。この「太陽のタマゴ」を使ったタルトは、一口食べればジューシーな果汁が口の中いっぱいに広がり、濃厚なマンゴーの甘味をそれはもう贅沢に感じられる一品です。

宮崎県産完熟マンゴー「太陽のタマゴ」のケーキ(1ホール¥30,000)
宮崎県産完熟マンゴー「太陽のタマゴ」のケーキ(1ホール¥30,000)

株式会社コムサ・広報部は、「宮崎県で生産される完熟マンゴーの中でも、重さ350g以上、糖度15度以上で色・形が優れたもののみが与えられる称号『太陽のタマゴ』。『いのちの恵みに感謝する県、みやざき』をコンセプトに、宮崎の農業にたずさわる人々が一体となって取り組む『みやざきブランド』認定のマンゴーです。“完熟“にこだわり、樹上で熟し自然に落果したものだけをネット袋でキャッチし収穫。

落果の瞬間を逃さず、宮崎の自然の恵みを受けてひと玉ひと玉大切に育てられた完熟マンゴーを“カフェコムサの顔“といっても過言ではない、マンゴーで咲かせた花束“マンゴーローズ”に仕立てた華麗なケーキです。さっぱりとしたフロマージュブランのベースと合わせ、『太陽のタマゴ』の濃厚な甘み、なめらかな舌触りなどの魅力をたっぷりお楽しみいただける大人気のプレミアムな一品です」と太鼓判。

ショーケースに並んだたくさんのインスタ映えするケーキを、友人たちとシェアして食べ比べるのも楽しいです。休日に銀座でショッピングを楽しんだら、ぜひ「カフェコムサ」でティータイム休憩してみてください!

問い合わせ先

1か月に200種類以上のスイーツを食べ歩く、スイーツジャーナリストの平岩さんが厳選したお店のフルーツタルトは、どれも旬の果物をこだわって選び抜いた間違いなしのクオリティー。思わず写真を撮りたくなる、インスタ映えもバッチリのきらびやかな見た目も女心をくすぐりますよね。早速この連休中、足を運んでみてください。すぐにSNSにアップしたくなること請け合いですよ!

※掲載した価格はすべて税込です。

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平岩理緒さん
スイーツジャーナリスト
(ひらいわ・りお)国内外の銘菓・スイーツ情報に精通し、各メディアで発信。イベント企画や司会、企業や自治体のスイーツ開発、セミナーや製菓系学校の講師など幅広く活動。スイーツ情報WEB「幸せのケーキ共和国」主宰。「All About」スイーツガイド、「おとりよせネット」達人も務める。著書『東京最高のパティスリー』(ぴあ)、『まんぷく東京 レアもの絶品スイーツ』(KADOKAWA)等。『厳選スイーツ手帳』・『厳選ショコラ手帖』(世界文化社)監修。
幸せのケーキ共和国
この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
2018.5.4 更新
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
Mami Azuma