『Precious』本誌をはじめ、テレビや広告など幅広く活躍する人気スタイリストの犬走比佐乃さんに、大人の女性に必要なファッションについて教えていただく連載。

今回のテーマは、着こなしを引き締めるアクセントとして活躍する赤いバッグ。この春購入して以来、「一軍バッグ」として愛用しているというアイテムの魅力を、秋に向けての着こなしと共に披露してくれました。

犬走比佐乃さん
スタイリスト
(いぬばしり ひさの)『Precious』本誌をはじめとする数々の女性誌、テレビ、広告など多彩な分野で活躍。女優のスタイリングも手がけ、「マダム犬走」の愛称で多くのファンをもつ。30年以上を誇るキャリアと卓越した審美眼でセレクト&スタイリングする自身の着こなしも注目されている。

“映え”と実用性を兼ね備えた、理想的な「赤いバッグ」にひと目惚れ!

犬走さんが今年3月に購入したのは、「コム デ ギャルソン」の『ステアバッグ』。オールレッドは2024年秋冬に発売になったカラーで、台形と四角の2種類のシルエットで展開されていますが、犬走さんは通称“青山バッグ”として知られている台形の青山店限定モデルをチョイス。

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大・中・小の3サイズで展開される『ステアバッグ』。犬走さんは大サイズ(縦23×横30×マチ10cm)を愛用。

「ある日突然神様からのお告げのように、“赤いバッグが欲しい!”と頭に浮かんで(笑)。思えば昨年からドラマのお仕事が続いていて、撮影現場やテレビ局へ入るIDを忘れないようにずっと同じバッグを使っていたので、その反動だったのかもしれません」(犬走さん)

犬走さんが最初に向かったのは、「コム デ ギャルソン」の伊勢丹新宿店。

「確か定番の『ステアバッグ』に赤があったはず…と訪れたのですが、残念ながら在庫がなく青山店へ。実際に手に取ってみたら台形の青山限定モデルのほうが気に入り、迷うことなく購入しました」(犬走さん)

何点かあるお気に入りポイントのひとつが、「お仕事バッグ」としては欠かせない収納力という実用性だそう。

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スケジュール帳、財布、スマホ、名刺入れ、ケースに入ったメガネとサングラス。さらにはミニポーチと小さいペットボトル、ハンカチ&ティッシュ…と、日常の必需品がもれなく収まる見た目以上の大容量!

「しっかり自立するから中身を出し入れしやすく、ファスナーできっちり閉めることができるのでたくさん詰め込んでもすっきり収まります。吉田カバンとのコラボということで、とてもしっかりしたつくりなのに重たくないのも魅力です。ツヤツヤした赤いレザーが、どこかおもちゃっぽいというか、ポップな感じでかわいいですよね」(犬走さん)

使い始めてから約半年、思っていた以上にヘビロテしているという赤いバッグ。犬走さんはどんなふうにコーディネートに取り入れているのか? この秋のスタイリングを見せていただきましょう!

■1:「ドレステリア」のスリーピースにフェミニニティを添えて

まさに「差し色効果」を発揮する鮮やかなレッド。それでいながら無駄な装飾を一切省いたミニマルなデザインは、犬走さんが好きなマニッシュなスタイルにもマッチします。

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グレンチェックのスリーピースは「ドレステリア」。バッグのレッドと曲線的なフォルムが、程よいフェミニニティを演出して。

「ジャケットスタイルやスーツにマッチするきちんとした雰囲気がありながら、カッチリしすぎないシルエットなので、こんな風に”抜け感”と女性らしさをさりげなく添えてくれます。ちなみにつけているチャームは、最近お気に入りの、新橋駅のガチャで手に入れたもの(笑)。こういうおもちゃっぽいものをバッグにつける遊び心は、今のトレンド的にもアリだと思います」(犬走さん)

■2:「アキラナカ」のオールインワンでスパイシィな大人カジュアル

ブランドを主張しすぎない、クワイエット・ラグジュアリーな雰囲気を湛える“青山バッグ”。実はカジュアルスタイルでこそ、その実力と存在感を発揮してくれるそう。

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気鋭の日本人デザイナー、中 章氏のオリジナルブランド「アキラナカ」のオールインワンは、インナーに同系色のカットソーを合わせ、「ジミー チュウ」のヒールでエレガンスを添えて。

「レッドのバッグって、それひとつ投入するだけでコーディネートの鮮度を上げてくれる最高のスパイス。単調になりがちなワントーンコーデに効かせれば、ちょっとモードでフェミニンな印象が際立ちます」(犬走さん)


今回は、犬走さんが愛用中の赤いバッグを、最新の私物コーディネートと共にお届けしました。ひとつ加えるだけで、装いに個性と女性らしさを加えてくれる差し色アイテム。この秋いちばんに取り入れて、着こなしの幅を広げてみませんか?

※私物に関するブランドへのお問い合わせはご遠慮ください。

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この記事の執筆者
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PHOTO :
田中麻衣(小学館)
WRITING :
岡村佳代
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)