社会生活を送る上で、お金は欠かせないもの。お金は力であり、欲望や夢を叶えるために必要不可欠。ただ、そうは言ってもなかなかお金持ちにはなれません。そもそも一般人とお金持ちの違いはどこにあるのでしょうか?

人生の本質をつかんだ発言で人気の作家・里中李生さんは「お金持ちというのは、ストレスのない生活ができるだけの収入がある人」と分析します。加えて本当のお金持ちは皆、謙虚でいながら、上品な人間と信頼関係を築いているのだそうです。

では、私たちは一体どうすれば、お金持ちになれるのでしょうか? 今回、里中さんに一流のお金持ちになるための6つの習慣をご教授いただきました。

■1:洞察力を磨く

洞察力を磨く
洞察力を磨く

世の中には「貧乏な人や平凡主義者をほっとさせることわざや、情報が氾濫している」と里中さんはおっしゃいます。例えば、「金と塵は積もるほど汚い」、「美人は三日で飽きる」など。本来、お金はお金でしかありませんし、美人の美しさはすぐに変わることはありません。しかし、このようなことわざや情報があることで、世の中の人々は安心し、慰められるのだそう。

では、このような常識に惑わされないようにするために、“本当のこと”を知るための洞察力を養うには、どうすればよいのでしょうか?

「プラトンが衆愚政治という言葉を使ったように、人間はスキャンダルに夢中になります。しかし、そういったニュースは、一瞬で消えてしまいますよね。洞察力を磨くコツは、一瞬で消える情報に時間を使うのではなく、ずっと残っている”名著”を読むことです。時代を超える、真実を見る目を養うことができます」(里中さん)

読書は、あなたが今まで知らなかった世界のことを教えてくれます。だからこそ、あなたが好きな世界、あなたが共感する世界を描いた本ばかり読んでいては、意味がありません。“あなたが知らない世界”と、“あなたが嫌悪する世界”を描いた本を読むことが大切です。

例えば、大金が動く世界や、歴史に残っている偉人の本など、あなたが今まで知らなかった世界の本を読んでみれば、そこには人生を変える「ヒント」が書かれているはずです。また、名著のなかでも悲劇がメインテーマの本もありますが、ここではネガティブなものではなく、ポジティブなものを選ぶようにしましょう。

■2:人と反対の行動を取る

世の中にはいろいろな人がいます。政治・経済も知らなければマナーも守らない人、ダメ男とばかり付き合う女性、暴力的な傾向を持つ男性など……。一流のお金持ちになるには、そんな人たちのなかから抜きん出なければなりません。そのためには、人と同じ行動をしていてはダメなのです。なるべく集団から遠ざかり、多くの人と違う行動を取るべきなのです。

「食事などの際も、静かな高級店や高級ホテル、隠れ家的な店を選びましょう。そして同じような志向を持つ人と、友人や恋人になることです。お金がないうちは行けないかもしれないけれど、そういった志向を持つことが大事です。また、マナー違反をしている客を見て、嫌がるような人と付き合いましょう。

何もかも人と反対のことをするのではなく、下品な行動をする人間は、反面教師にすればいいのです。お金を持っているだけの人間ではなく、名誉があって、その”名誉にお金がついている”人間を見習ってみてください。また恩を大事にする人、礼儀正しい人も大切にしましょう」(里中さん)

見習うべき人、反面教師にするべき人を間違えずに選ぶことが重要なのですね。名誉や恩、礼儀を重視する人を見習い、下品な人とは一線を画したほうがいいようです。

■3:「伸びない会社」にしがみつかない

伸びない会社にしがみつかない
伸びない会社にしがみつかない

あなたが勤めている会社や仕事では、将来どのくらいの収入を得られそうでしょうか? 「年収3000万円が夢」と思っているなら、その会社に年収3000万円の重役がいるか?を知らなければいけません。会社の上司の収入を見れば、あなたがそこにいる限り、いくら頑張っても限界があることがわかるはずです。

里中さんは、日本という国のなかでお金を稼ぐには、限界があると言います。

「若いうちにすぐ高収入を得たいなら、仮想通貨のような取引をするとか、お金に執着するしか方策はないでしょう。50歳まででいいなら、今から預金をし、市場規模の大きな商売を始めることです」(里中さん)

また、国や会社にしがみつかずに、物価の安い国に移住する、というような選択肢もあります。偏見にとらわれずに広い視野で世界を見ていくことが、目標を達成するためは必要なのかもしれません。

■4:根性論を捨てる

お金をつくるというのは、大変なことです。しかし、根性論がまかり通っている日本では、毎日朝早く出勤し、安い賃金で重労働をし、夜遅くに帰宅する、という人が多くいます。しかし、里中さん曰く「重労働、長時間労働ではない人間の方が、お金持ち」なのだそう。働けば働くほどお金持ちになれる、というわけでないのです。労働に関して“極端なこと”をしていると、実利が得られないとも言えます。

では、お金をつくるために必要なこととは、なんでしょう。それは「まず時間をつくること」。里中さんはストレスフルな満員電車に乗らなくていいよう、フレックスタイムのある会社を選び、時間をつくることを勧めています。

「日本は先進国のなかでも、もっともストレスが大きな国です。フレックスタイムのある会社に勤め、まずは通勤のストレスをなくし、空いた時間で仕事とは別の知識を学び、人脈をつくりましょう。そしてアルバイト感覚で、違うビジネスを始めてみてはどうでしょう」(里中さん)

本業は作家である里中さんですが、空いた時間に競馬のビジネスを行い、年収が4000万円になったこともあったそう。「長時間働くことはいいことだ」という、根性論による思い込みを捨てましょう。そして自分のための時間を作り、知識を身につけて、副業を始めてみましょう。

■5:お金を働かせる

お金を働かせる
お金を働かせる

お金持ちのお金は、自然と増えていきます。それはなぜか? 保有している株で”配当金と株主優待など”を受けているからです。企業の株を保有していれば黙っていても配当金が入ってくるうえに、保有数が増えれば、その企業に対する発言権も発生するのです。この「お金持ちがさらにお金持ちになるシステム」を見逃す手はありません。余剰資金を働かせて、新たな利益を作り出すべきです。

「株式市場は国家が関与しているので、安全です。NISAを使えば免税もあります。資本主義は常に税金との戦いなのも忘れずに」(里中さん)

しかし、デイトレードなどで利益を得るには、相当な知識が必要。保有している株が高騰した場合は売却して利益を得ることもありますが、基本的には保有したまま、配当金と株主優待を目的としたほうがいいそうです。株を購入する際、里中さんは株主優待のある企業の株を選んでいるそう。

「配当金は余程、その会社の株を増やさないと大したお金になりません。ただ、株主優待で節約をすることと配当金を合わせれば、それなりにお金が貯まっていきますよ」(里中さん)

自分がよく行く百貨店、遊園地などの施設の会社の株を選べば、株主優待のメリットでお買い物やレジャーがお得に楽しめるかもしれません。時間を割いて株式市場について勉強し、あなたがよく利用する施設の株などに投資してみましょう。

■6:誰かを「助けたい」と思う気持ちを強く持つ

自分よりも若い人たちがあなたの前で困っていたり弱っていたりしたら、どんな気持ちになりますか? 「助けてあげたい」と思うのではないでしょうか。それは、人間が母性や父性といったものを持っているからだそう。

母性や父性がある人は、目の前で弱っている存在を助けたいと必死になることができます。その決意が力に変わり、エネルギーを生むのではないでしょうか。そのエネルギーが勝利を呼ぶのです。そして、里中さんによると、人を助ける際に見返りを求めるべきではないそう。

「見返りを求めると逆に、それが来なくてストレスになります。何も考えずに人に優しくしましょう。神社に行くのがブームですよね。そこで神様に、他人の幸せを頼んでいる人が報われるのです。実際、神社に行って行方不明の猫の無事を頼んだら、猫が帰ってきたことがあります」(里中さん)

自分のためにだけに頑張るのには限界があります。「ありがとう」という感謝の言葉や、うれし泣きの涙を見ることで、喜びを得ることもできるのです。見返りを求めず、ただ人を助けるだけで、自分の器も大きくなります。

自分のことだけを考え、儲けだけを追求する悪いお金持ちは、本当のお金持ちではないのです。本当のお金持ちには結果を出し続ける才能があり、トラブルや逆境を乗り越える強さがあり、困っている人に手を差し伸べる余裕があるもの。

最後に里中さんは「誰でも一流のお金持ちになれる」と言います。確かに上記のような習慣は、誰でもどれかから取り入れられそうです。ぜひ今日から少しずつ意識してみましょう。

里中李生さん
作家、エッセイスト
(さとなか りしょう)本名・市場充。三重県生まれ。仕事、お金、人間関係、恋愛、結婚など、様々な角度から、「男らしさ」「女らしさ」を根底とした自己啓発論を展開する。物事の本質をずばり突くその主義、主張、人生哲学は、男女問わず幅広い層から熱狂的な支持を得ている。著書に『一流の男、二流の男』 『この「こだわり」が、男を磨く』(以上、三笠書房)、『男は一生、好きなことをやれ!』(三笠書房《知的生きかた文庫》)、『大切な人の心を離さない「かわいい女」63のルール』(三笠書房《王様文庫》)、『一流の男が絶対にしないこと』(総合法令出版)などがある。ベストセラー、ロングセラー多数。累計は260万部を超える。
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この記事の執筆者
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WRITING :
松村知恵美
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