どんな状況でも滑らかに力強く加速し、カーブでも安定感が高く、止まる能力もずば抜けたドイツ製自動車。その優れた性能を支える精緻なつくりは自動車好きの心をとらえ、代表格であるアウディは新しいモデルが登場するごとに大きな反響を呼んでいます。今年2月に日本での発売が始まった「A5」はブランドの中核モデルということもあり、自動車にそれほど詳しくない人の間でも話題に。なによりも、インテリジェンス漂うそのデザインは行動的な女性の琴線にも触れるはず。賢く、たくましく、優しさをもたたえた「A5」の魅力をご紹介します。
荷室が広くドレッシーな「アヴァント」という選択

シリーズを構成する「A5」は、前席と後席にドアを備えた美しいボディラインが特徴の4ドアクーペタイプ。そして、荷室を広くとったステーションワゴンの「A5アヴァント」も選べ、プレシャス世代にはとくにこちらがおすすめ。それは、アクティブなライフスタイルにも対応する収納力と美しさのバランスが絶妙であることにあります。
昔のステーションワゴンは荷物を効率よく積めるよう、車体後方まで屋根が高く、切り立ったデザインのものが主流でした。その無骨な印象も魅力ではありましたが、女性がおでかけで運転するうえで、少々よそいき感に欠けるものであったことは否めません。
もちろん、カジュアルなアイテムをスタイリングに取り入れるのが好きな方には、乗り物として“おいしい”選択肢であったでしょうし、子育てママにとっては開口部が広いステーションワゴンはベビーカーを乗せやすいメリットもあるので、一概に言い切れるものではないと書き添えておきます。

そのうえで「A5アヴァント」を見てみると、一瞬ステーションワゴンとは気づかないほど。屋根は後方まで高く保ちながら、荷室の開口部がなだらかに傾斜して、とても気品があります。アウディは以前から都会的なデザインを特徴としていますが、「A5」シリーズは外装に入る折れ線を減らし、面の美しさを引き立たせたデザインで、たおやかなボディラインを表現しています。

そして、“荷物を積む”という重要な点においても実用性は保たれ、後席の背もたれは3分割でたためます。一般的な2分割式と違い、「A5アヴァント」は真ん中だけをたたむこともできるので、後ろに人を乗せても長物などを縦に積むことができるのです。アウディがステーションワゴンを「アヴァント」(Avant=フランス語で“前に”の意)と呼ぶのは、実用性の高い機能を独自のデザイン哲学をもって先進的な乗り物にする、という明確な意図があります。郊外への旅にも、都会のラグジュリーホテルにも行ける万能ぶりは、常に時代の先を見据えたプレシャス世代の心に響きます。
快適装備も満載なラグジュアリーカー


取り回しがしやすく、初めてでも運転しやすい点も「A5アヴァント」の魅力。大きなタイヤでしっかりと路面をとらえ、市街地ではしっとりと柔らかに、高速道路ではびしっと走る乗り味は安心感が高く、ストレスとも無縁。いわゆるSUVタイプよりも車高が低いので、住まいの駐車場が高さ制限のある立体の機械式の場合(1.55mまでが主流)でも問題なし、というメリットも。
運転中の各種操作もしやすく、ピアノブラック仕上げのパネルを多用した室内空間(アウディがいちはやく取り入れた黒く艶のある内装)は、オプションで用意された調光式のパノラマルーフやバング&オルフセンのプレミアムサウンドシステムなどを選ぶことで煌めきを増し、移動時間を豊かに彩ります。

また、「A5アヴァント」には前輪駆動と4輪駆動があり、後者は「クワトロ」といいます。アウディは4輪駆動といえばまだオフロード車が常識だった時代に、いちはやく乗用車に取り入れてきた歴史があります。市販車をベースにした車両で速さを競うラリーでその優れた性能は証明され、以来「アウディといえばクワトロ」という伝統が語り継がれてきました。
車両側が4輪の駆動を巧みに自動制御するので、誰にでもすぐにわかるものではありませんが、日常においても天候や路面状況に左右されにくく、高速道路では横風や路面の凸凹の影響を受けにくく、大きな安心感につながります。スノーアクティビティを好む方なら、クワトロ一択といっても過言ではありません。どこまでも美しく、アクティブに……。自分らしい生き方の追求に、アウディは応えてくれます。
【Audi S5 Avant】※quattro(4WD)
ボディサイズ:全長×全幅×全高:4,835×1,860×1,450mm
車両重量:1,990kg
乗車定員:5名
仕様:右ハンドル、7速AT
車両本体価格:¥10,600,000(税込み)
問い合わせ先
- TEXT :
- 櫻井 香さん ライフスタイルエディター
- PHOTO :
- 櫻井 香 写真提供/アウディ ジャパン