『Precious』本誌をはじめ、テレビや広告など幅広く活躍する人気スタイリストの犬走比佐乃さんに、大人の女性に必要なファッションについて教えていただく連載。

今回のテーマは、今季のトレンドとして再注目されている「ウエスタンブーツ」。犬走さんがこの秋いちばんに取り入れたアイテムで、秋冬コーデに旬のムードと個性を添える着こなしの極意を披露していただきました。

犬走比佐乃さん
スタイリスト
(いぬばしり ひさの)『Precious』本誌をはじめとする数々の女性誌、テレビ、広告など多彩な分野で活躍。女優のスタイリングも手がけ、「マダム犬走」の愛称で多くのファンをもつ。30年以上を誇るキャリアと卓越した審美眼でセレクト&スタイリングする自身の着こなしも注目されている。公式Instagram

カントリーテイストは極薄で、あくまでもエッセンスとして投入

2025年の秋冬のトレンドアイテムのひとつである「ウエスタンブーツ」。ラグジュアリーメゾンのランウェイでも、さまざまなタイプが見受けられました。

「私の場合は、春頃に久しぶりに“履いてみようかな”と思っていたところに、ウエスタンブーツを合わせたらかわいいと思うスカートを見つけて。なのでトレンドを拾ったつもりではなくて、まずはそのスカートありきでした。ただ今季に限らず、私が好きな『ラルフ ローレン』がウエスタンブーツを使ったスタイルを提案し続けているので、その影響はあるかもしれませんね」(犬走さん)

そして犬走さんが選んだのは、「サルトル」のロングブーツ。

ブーツ_1,冬コーデ_1,秋コーデ_1
シックなブラウンのスエード素材で、筒幅にゆとりがあり、柄の入り方が控えめなのがポイント。

「セレクトのポイントは、いわゆるカントリーテイストはごく薄めであること。私は幅広くコーディネートできるブラウンのロング丈を選びました」(犬走さん)

■1:レースのロングフレアでリッチカジュアルに

犬走さんが久しぶりにウエスタンブーツを購入するきっかけとなったスカートがこれ! ピュアなホワイトのエンブロイダリーレースが軽やかな、「シンゾーン」のアイテムです。

大人コーデ_1,ブーツ_2,デニム_1,スカート_1
手描きで起こしたオリジナルの図版を、さまざまなレースの技法を組み合わせて仕上げたフレアロングシルエットのスカート。ポップなTシャツに「シチズンズ・オブ・ヒューマニティ」のGジャンを羽織って。

「基本的に、今季ウエスタンブーツを取り入れるならあくまでもエッセンスとして。だからパンツをブーツインする着こなしではなく、ボトムはロングスカートである程度ブーツを隠すこと。残暑が長引いている今年も、足元をウエスタンブーツにするだけで秋を演出できます」(犬走さん)

■2:チェックのマーメイドスカートならよりシックでエレガントに

本来カジュアルな「ウエスタンブーツ」ですが、コーディネート次第ではシックに装うことも可能! 例えばダークブラックのタートルネックとチェックのマーメイドスカートに合わせれば、こんなにエレガントな雰囲気に。

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カットソー素材のタートルネックは「フィーロ」、スカートは「ルミネ新宿」で見つけた掘り出し物。

「私は無類のチェック好きなのですが、色合わせ次第で意外なほどにウエスタンブーツにも合うんです。今までだったらソールが重めのブーツを無難に合わせていたかもしれないけれど、ウエスタンブーツにするだけで新鮮なアクセントが生まれます」(犬走さん)


今回は、人気再燃中の「ウエスタンブーツ」のセレクト&コーディネートのポイントを犬走さんに教えていただきました。ロングスカートから少し覗かせる「ウエスタンブーツ」のバランスなら、シンプル派も取り入れやすいはず。足元から季節をアップデートさせて、秋の街へ出かけませんか?

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この記事の執筆者
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PHOTO :
田中麻衣(小学館)
WRITING :
岡村佳代
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)