「隘路」ってなんと読む?「あふろ」ではないですよ!
明日、10月21日は、明治・大正・昭和と三時代を生きた文豪、志賀直哉の忌日『直哉忌』です。ブルジョワ家庭に生まれ、高い教育を受けながら、常に葛藤していた自身の姿をもとに綴った私小説など、人物の心理描写の繊細さと、視覚的な情景描写の筆致の美しさで「小説の神様」とまで呼ばれた作家です。
その作風は夏目漱石や芥川龍之介など、多くの同業者から絶賛され、代表作の『暗夜行路』は近代小説屈指の名作と言われています。人間関係の裏側にある心の機微など、現代人が読んでも発見することの多い物語です。本日は『暗夜行路』にちなんで、「暗」「路」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「暗んじる」ってなんと読む?
「暗んじる」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「暗記する。何も見ないで言えるようにする」という意味の言葉です。
<使用例>
「迷いが出たときはいつも、心の中で『暗夜行路』の一節を暗んじてみるの」

…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 暗んじる(そら-んじる) です。

「暗」の表外読み(常用漢字表に掲載されない読み方)です。「暗」という字は「そらで覚える」という意味も含んでいます。まさに「暗記」です。
では二問目にまいりましょう。
【問題2】「隘路」ってなんと読む?
「隘路」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「狭くて通行の困難な道」「物事を勧めるうえで妨げとなるものや条件。難点。ネック」という意味の言葉です。
<使用例>
「クライアントに提案のバリエーションを見せたいところで、上司のチェックが隘路だなんて、ナンセンスだわ」

さて、正解は?
※画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 隘路(あいろ) です。

「隘」は難しい字ですが、「隘路(あいろ)」という言葉は、ビジネスの場など、大人の会話や文章に、まま登場します。ぜひインプットしておきたい言葉です。
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本日は、10月21日、文豪・志賀直哉の忌日『直哉忌日』にちなんで、「暗」「路」という字の入った日本語から、
・暗んじる(そら-んじる)
・隘路(あいろ)
どの読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/奈良学園セミナーハウス志賀直哉旧居ホームページ/城崎温泉ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱