「化現」ってなんと読む?「かげん」ではないですよ!

明日、10月23日は『化学の日』です。化学産業の魅力、社会への貢献などを広く知って欲しい、という願いで、日本化学会などが制定した記念日で、日付はアボガドロ定数(1molの部室中に存在する粒子の数=6.02×10の23乗)にちなんでいます。

化学とは「物質を構成する原子・分子に着目し、その構造や性質、その構成の変化(化学反応)などを取り扱う、自然科学の一部門」(『デジタル大辞泉(小学館)』より抜粋)です。同じ発音の「科学」と区別するため「化学」をあえて「ばけがく」と呼ぶことがございますね。ということで、本日は「化」という字の入った日本語クイズをお送りします。

【問題1】「化現」ってなんと読む?

「化現」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「神仏が人々を救うために姿を変えてこの世に現れること」を言う言葉です。転じて「ものが形になって表れること」も言います。

<使用例>

「彼女は僕にとって、この世に化現した芸術の女神のような存在なんだ」

かな3文字です。
かな3文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 化現(けげん) です。

「化」の音読みは「カ」と「ケ」がございますね。
「化」の音読みは「カ」と「ケ」がございますね。

音読みがふたつある漢字ですので、「化学」「化合物」「感化」などは「カ」、「化粧」「化身」そして「化現(けげん)」などは「ケ」と、読み分けにご注意ください。

では二問目にまいりましょう。

【問題2】「化野」ってなんと読む?

「化野」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:古来「無常の野」という意味で、その昔、京都の火葬場のある場所の地名であったことから、和歌では「人の世のかはかなさ」を象徴する言葉としても使われます。「墓地」の同義語としても使われることもございます。

<使用例>

「電車が次の駅を出ると、車窓に化野が見えるんです」

かな4文字です。
かな4文字です。

さて、正解は?

※画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 化野(あだしの) です。

こちらは、この言葉に限定された当て字のような読み方で、古来の定番的な難読熟語のひとつです。

「あだし」とは、古語で「ほかのものである」「はなかい」などを意味する言葉です。そこで、人が亡くなって生前とは違った姿に変化する地を「化野(あだしの)」と呼んだのでしょう。

ちなみに「化」は「人」を意味する「にんべん」の漢字ですが、右側のつくりは「人がひっくりかえったさま」を意味しています。

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本日は、10月23日、『化学の日』にちなんで、「化」という字の入った日本語から、

・化現(けげん)

・化野(あだしの)

の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。

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Precious.jp編集部 
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参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本化学会ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱