「日和る」ってなんと読む?「ひわる」ではないですよ!

明日、10月29日は『ドリアの日』です。ごはんとソースを合わせ、グラタンのように焼いたドリアは日本で考案されたメニューで、記念日の日付は、これを考案したシェフ、サリー・ワイル氏が来日した日、1927(昭和2)年10月29日にちなんでいます。

ドリアは、横浜のホテルで、客から「体調がよくないので、何かのどごしのいいものを」とオーダーされたワイル氏が即興で創作したひと皿が、のちに人気料理になったものです。日本のお米文化があっての、和洋折衷的な発想のメニューなのですね。

ということで、本日は「和」という字の入った日本語クイズをお送りします。

【問題1】「日和る」ってなんと読む?

「日和る」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「有利な方に付こうと形勢をうかがう。また一般に、積極的に関わらないで傍観する」という意味です。

<使用例>

「議論は若い世代にお任せして、私は今回は、あえて日和ることにしますよ」

「○○る」。
「○○る」。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 日和る(ひよ-る) です。

塾字訓「日和(ひより)」を動詞化した言葉です。
塾字訓「日和(ひより)」を動詞化した言葉です。

「日和(ひより)」とは、「空模様」のことですよね。晴れたままか、雨が降りそうなのか、空模様を観察してその後の行動を決める…という行動を「有利な方に付こうと形勢をうかがう」と転じて使うようになった言葉が「日和る」「日和見(ひよりみ)」です。

「和」という字単体に「より」「よる」などの読み方はございませんが、「日和(ひより)」は「よい天気」という意味でも使われる言葉なので、「天気が和やかな日」という構成で「日和」の表記に「ひより」という音が当てられたものでしょう。

では、二問目にまいりましょう。

【問題2】「心和ぐ」ってなんと読む?

「心和ぐ」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「心が和らぐ。心が慰む」という意味の言葉です。

<使用例>

「数字に追われて必死だった前職をリタイヤしたことで、今は、心和ぐ生活を送れています」

「○○○○ぐ」。
「○○○○ぐ」。

さて、正解は?

※画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 心和ぐ(こころな-ぐ) です。

和の表外読み(常用漢字表に掲載されない読み方)に「和(な)ぐ」がございます。

海の波が穏やかな様子を「凪(なぎ)」と言いますが、これは「風がやんで波が穏やかになる=凪ぐ」という動詞の名詞化です。「心和ぐ」の「和ぐ」はこの「凪ぐ」に通じていて、「柔らかになる。和む。静かになる」という意味です。

***

本日は、10月29日『ドリアの日』にちなんで、「和」という字の入った日本語から、

・日和る(ひよ-る)

・心和ぐ(こころな-ぐ)

の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。

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Precious.jp編集部 
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参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱