連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People
明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する『Precious』連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、アートをテーマにした書籍や写真集、小冊子を扱う独立系セレクト書店で、“アートブック” という概念を上海に広めた書店「BANANAFISH」のファウンダーであり、アートブックフェア「UNFOLD」も主催するスー・フェイさんにインタビュー!
この夏に「UNFOLD」の日本初上陸も果たし、渋谷で2週間にわたってイベントを開催。大盛況のうちに幕を閉じた。「実店舗を東京にも」との夢を描くスーさんに、詳しくお話しをうかがいました。
【Shanghai】アートブックを上海に広めた独立系書店オーナーの次なる未来
アートをテーマにした書籍や写真集、小冊子を扱う独立系セレクト書店であり、“アートブック” という概念を上海に広めた存在「BANANAFISH」。選書の質の高さが評判を呼び、今やデザイン雑貨や海外書籍を紹介するギャラリーとしても機能。本や作品のセレクト、スタッフの人事まで、すべてを担っているのがファウンダーであるスーさんだ。
「もともと書店、特に小さな書店を見て回るのが好きでした。イギリス留学中も多くの書店を訪ねるなか、目に留まったのがZINE(小冊子)だったのです。中国では本一冊出すのですらとても大変なこと。でも英国では20ページほどの小冊子が自由に並んでいる。本を出すハードルの低さに驚くと共に、それらを集めるようになりました。その後、小規模書店の店主を取材するようになり、本や書店にまつわるブログとウェブサイトをスタート。ネットショップ『BANANAFISH』を立ち上げ、実店舗をオープンし、今にいたります」
’17年からは自社企画によるアートブックフェア「UNFOLD」を主催。年に2、3回、上海、深圳などの主要都市で大型美術館を貸し切って開催するもので、一日数千人規模が集まる。その人気の理由はどこにあるのだろう。
「出展者のブースをただ並べるだけでなく、毎年新しい内容を企画しています。’25年は中国とスイスの国交樹立75周年を記念して、スイスの貴重なアートブックを展示しました。毎回、出展者の3割は入れ替えて、新しいものを生み出す人々を探し続けています。参加者にも、新鮮な収穫物を届けたいですから」
実はこの夏、「UNFOLD」は日本に初上陸。渋谷で2週間にわたってイベントが行われ、大盛況のうちに幕を閉じた。
「中国のクリエイティブ市場に興味をもってくださった日本人も多く、大きな手応えを感じました。『実店舗を東京にも』という夢も描いています。これからも、国内外のさまざまな場所でイベントを開催してみたいですね」
◇スー・フェイさんに質問
Q.朝起きていちばんにやることは?
最近背中が痛いので、背伸びをして深呼吸。
Q.人から言われてうれしいほめ言葉は?
会議や打ち合わせ時に「(ノートなどの)英文も中国語も字がきれいですね」と言われること。
Q.急にお休みがとれたらどう過ごす?
リュックに好きな本を2〜3冊入れ、行ったことがないカフェに行って読書。
Q.仕事以外で新しく始めたいことは?
アートイベントのボランティア。新潟県の『大地の芸術祭』のような自然豊かなイベントが理想。
Q.10年後の自分は何をやっている?
自由に世界各地を回っていたい。一方で父のように家庭菜園をやり、子供に野菜を送るような生活にも憧れます。
Q.自分を動物に例えると?
ハチドリ。小さいところ。またすばしっこさと安定感のバランス。
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- PHOTO :
- 足立真琴
- 取材 :
- 萩原晶子

















