日々の疲れを洗い流し、心身共にリフレッシュできる温泉旅。天然資源である温泉はその土地ごとの個性があり、ただ体が温まるだけでなく、全身の凝りがほぐれるのを感じられたり美肌に近づけたりなど、普段の入浴では得られないさまざまな恩恵をもたらしてくれます。
そうした温泉のポテンシャルをしっかりと実感できる東北の名宿を、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんがピックアップ。今回ご紹介するのは、福島県にある「沼尻高原ロッジ」です。

公式サイト
隠れ家ロッジで美肌成分がブレンドされた極上湯を堪能する
福島県・磐梯朝日国立公園内に静かに佇む「沼尻高原ロッジ」。女性として世界で初めてエベレスト登頂を果たした登山家・田部井淳子氏がオーナーを務め、生涯を通して愛した宿としても知られています。標高1,000メートルを越えるこの地は、俗世から離れた静寂と豊かな緑に囲まれた非日常の空間。雄大な自然に抱かれながら温泉の恵みを心行くまで享受できます。
「こちらの宿の源泉である『沼尻元湯』は湧出量が毎分13,400リットルと日本最大級。その豊富な湯量に支えられ、内湯も露天風呂も全て源泉かけ流しです。
泉質は、酸性・含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉。浴槽に浸かるとツルツルとなめらかな浴感の湯が肌にじわじわとしみこみ、湯上り後、心地よい温もりが持続します。また、翌朝に鏡を見ると、程よくブレンドされたさまざまな美肌成分の恩恵を早速実感。肌の引き締め、弾力アップ、トーンアップ、保湿…と多方面からのアプローチで理想の肌にぐっと近づくことができました」(植竹さん)
壁は天然木、床や浴槽は石造りの内湯は、昔ながらの湯治場の雰囲気も彷彿とさせるナチュラルな空間。湯口は階段状の造りで、60度を超える源泉を空気に触れさせて適温に下げるための工夫が凝らされています。
一方、ブナの原生林に囲まれた露天風呂は、四季折々の風情を体感できる特等席。木立を吹き抜ける心地よい風を感じながら湯浴みする贅沢なひとときが心身の疲れを優しく解きほぐしてくれることでしょう。
創意工夫が光る会席コースで福島の味覚をじっくり堪能する
夕食は、地元の旬の食材を生かした和食ベースの創作コース。会津の伝統工芸である会津漆器や会津本郷焼が、料理の美しさを一層引き立てています。
「“四里四方(16キロメートル以内で収穫される食材)を正しく食べること”をコンセプトとし、素材のポテンシャルを最大限に引き出すように丁寧に作られた創作料理がどれも絶品。地産地消にこだわりつつ、東北他県の海産物なども柔軟にとりいれたおもてなし料理の数々は、地酒との相性も絶妙でした」(植竹さん)
「朝食は玄米か白米を選べて新鮮な高原野菜もたっぷりとれるヘルシーな構成。手作り豆腐やふっくらした玉子焼きなど心尽くしのおかずが並んで食べ進めるごとにおいしさの発見があり、一日の始まりを豊かに彩る食卓に心も満たされます」(植竹さん)
「また、こちらではラウンジサービスも充実。チェックインから24時まで、翌朝は7時から10時まで、オリジナルブレンドのコーヒーや紅茶、ウイスキーや白ワインなどをフリーでいただけます。会津塗のバーカウンターなど地域の伝統も取り入れたナチュラルモダンな空間でゆったりと寛ぐことができ、湯上りのリラックスタイムを格上げしてくれました」(植竹さん)
以上、「沼尻高原ロッジ」をご紹介しました。沼尻高原の豊かな自然の中で、極上の酸性泉と美食を満喫したい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか?
問い合わせ先
- 沼尻高原ロッジ
- 住所/福島県耶麻郡猪苗代町蚕養沼尻山甲2864
客室数/全12室
料金/朝夕2食付き 2名1室1名¥19,800~(税込) - TEL:0242-93-8101
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)

















