日々の疲れを洗い流し、心身共にリフレッシュできる温泉旅。天然資源である温泉はその土地ごとの個性があり、ただ体が温まるだけでなく、全身の凝りがほぐれるのを感じられたり美肌に近づけたりなど、普段の入浴では得られないさまざまな恩恵をもたらしてくれます。

そうした温泉のポテンシャルをしっかりと実感できる関東の名宿を、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんがピックアップ。今回ご紹介するのは、千葉県にある「亀山温泉ホテル」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

レイクビューも眼福!植物性のモール泉で肌と心に潤いをチャージする

千葉県の南端、房総半島のほぼ中央に位置する亀山湖のほとりに佇む「亀山温泉ホテル」。ここは、千葉では珍しい100%天然自噴温泉を誇る湯宿です。地下2,000メートルの深層から自然に湧き出る毎分600リットル以上もの湯は、まろやかなチョコレート色のモール泉。太古の自然の恵みが溶け込んだ美人の湯が、ゲストの肌と心を優しく整えます。

亀山温泉ホテルの外観
亀山湖を眼前に臨むロケーション。

「モール泉とは、植物や落葉、海藻などが堆積した地層を通って湧き出す世界的にも珍しい温泉資源。肌の潤いをサポートする植物性の有機物を豊富に含み、湧出したときから褐色系の色を帯びています。こちらの宿ではそのモール泉が自噴し、新鮮な状態で余すこところなく体感できるのが魅力的です」(植竹さん)

大浴場
開放的な大浴場。

「泉質は、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。そこに濃厚なモール泉が含まれることで、特色ある湯浴みを堪能できます。浴槽に浸かると柔らかな湯に抱かれて、モール泉特有の芳醇な香りに包まれるのが至福。湯を手にすくって顔を近づけるとほんのり硫黄の香りも鼻腔をくすぐります。

とろみも感じられる湯が肌の汚れや古い角質を優しく落としてなめらかな肌へと導き、塩のヴェールによる保温・保湿効果も実感できました。ゆったりとした大浴場は全面ガラス張りの開放的な造りで、窓越しに四季折々の景観を眺めながらの入浴が格別です」(植竹さん)

貸切風呂「亀楽のゆ」
貸切風呂「亀楽のゆ」。
貸切風呂「湯楽のゆ」
貸切風呂「湯楽のゆ」。

温泉は男女別の大浴場のほか、貸切風呂が3種。シックでモダンな「亀楽(きら)のゆ」、お子様用の浴槽を完備した「湯楽(ゆら)のゆ」、そし湯温の異なる2つの浴槽で温冷交互浴が楽しめる「兎亀乃湯(ときのゆ)」があります。亀山湖を一望するロケーションで、夕暮れに茜色に染まるさまや朝日に輝く水面など、時間帯ごとに表情を変える自然美をひとり占めしながらの湯浴みできる環境が心身のデトックスにも好適です。

貸切風呂「兎亀乃湯」
貸切風呂「兎亀乃湯」。

また、温泉に加えて、自然豊かなロケーションを生かした多彩なリトリートの場も。ネイチャーガイドと巡る森林散策、静謐な湖畔でのヨガ、満天の星空観察など、奥深い自然との触れ合いが日常の喧騒を忘れさせ、温泉との相乗効果で極上の安らぎをもたらしてくれることでしょう。

リトリート体験
自然に還るリトリート体験。

旅の醍醐味!会席コースと朝食ビュッフェで房総の旬を味わい尽くす

房総半島は、海の幸と山の幸に恵まれた食材の宝庫。夕食の会席料理は、アワビや伊勢海老、ブランド牛のかずさ牛など、地元の旬の食材をお好みに合わせて選べる宿泊プランが充実しています。

夕食一例
夕食一例。

朝食は、「君津の美味しい朝食」をテーマにしたハーフビュッフェ形式。ブランド卵の永光卵を使ったベーコンエッグや、鴨川産のアジの開き、地元野菜を使ったサラダのほか、多彩な小鉢料理が並び、ご当地の味覚をバランスよく味わうことができます。

朝食一例
朝食一例。

以上、「亀山温泉ホテル」をご紹介しました。湖畔の自然に囲まれた環境でモール泉やリトリート体験を満喫し、疲労やストレスをリセットしたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • 亀山温泉ホテル
  • 住所/千葉県君津市豊田旧菅間田65
    客室数/全14室
    料金/朝夕2食付き 2名1室1名¥18,700~(税込)
  • TEL:0439-39-2121

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)