日々の疲れを洗い流し、心身共にリフレッシュできる温泉旅。天然資源である温泉はその土地ごとの個性があり、ただ体が温まるだけでなく、全身の凝りがほぐれるのを感じられたり美肌に近づけたりなど、普段の入浴では得られないさまざまな恩恵をもたらしてくれます。
そうした温泉のポテンシャルをしっかりと実感できる関東の名宿を、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんがピックアップ。今回ご紹介するのは、群馬・草津温泉にある「元湯 泉水館」です。

公式サイト
草津で稀少な自家源泉「君子の湯」がもたらす極上の癒し時間
日本三名泉の一つ、草津温泉は、日本最大の自然湧出量を誇り、殺菌力の高い強酸性の湯が古来より親しまれてきた屈指の温泉地。その草津において、稀少な自家源泉「君子の湯」を持つ宿が、大正時代から続く「元湯 泉水館」です。
敷地内からこんこんと湧き出す「君子の湯」は、江戸時代から当地にあったとされる草津十二湯のひとつで、「元湯 泉水館」でしか浸かれない貴重な湯。その由緒正しき名湯を、加水・加温・循環・消毒を一切しない源泉かけ流しで堪能できるのが、こちらの宿の醍醐味です。
「泉質は、酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉。pHが2.2と一般的な食酢よりも強い酸性度の湯ですが、自家源泉の『君子の湯』は、さまざまな成分が複雑にブレンドされているためか、比較的マイルドに感じられます」(植竹さん)
「さらに、特筆すべき点は、程よい湯温であること。草津では高温の湯が多いなか、こちらでは約40度でゆっくり浸かっていられます。草津らしい肌を引き締める感覚もありますが、心地よい湯加減がまさに至福。3か所ある浴室は全て貸切ということもあり、江戸時代から受け継がれてきた貴重な『君子の湯』を心行くまで堪能できて、肌も心も喜ぶ極上の湯浴み時間を過ごすことができました」(植竹さん)
総部屋数4室に対し、貸切風呂は3つ。じっくり湯と向き合って日頃の疲れを癒したい人にとって理想的な環境です。まず、「萩の湯」「桐の湯」は、天井の高い檜造りで、昔ながらの湯治気分を味わうのに好適。「萩の湯」では熱めとぬるめの浴槽が2つ並び、自分好みの湯温を楽しめます。
本館から独立した湯小屋に設けられた「千寿の湯」は、ひときわ静謐な空間。晴れた日には曇りガラス越しに太陽光が穏やかに差し込み、湯面に木枠の影が揺らめく幻想的な光景が、湯のぬくもりと相まって日常の疲れを優しく解きほぐしてくれます。
個室で味覚に集中!繊細な創作和食で旬の素材を堪能する
自家源泉「君子の湯」が名高い「元湯 泉水館」ですが、食事の評判も上々。料理長でもある館主自らが、群馬・長野の旬野菜や各地の黒毛和種など上質な食材を厳選し、素材の持つ滋味を最大限に生かした繊細な創作和食へと昇華させます。
食事処は個室で、まわりの目を気にすることなく、ゆったり味わえるのも嬉しいポイント。夕食、朝食共に、一品一品丁寧に仕上げられた多種多様な料理が端整に盛り付けられ、季節の移ろいを感じられるメニューを楽しみにリピート訪問する宿泊客も少なくないようです。
以上、草津温泉「元湯 泉水館」をご紹介しました。江戸時代から受け継がれた「君子の湯」で疲労やストレスを一掃し、心澄み渡るようなひとときを過ごしたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 元湯 泉水館
- 住所/群馬県吾妻郡草津町草津478
客室数/全4室
料金/朝夕2食付き 2名1室1名¥24,200~(税込) - TEL:0279-88-2216
関連記事
- 【プロも惚れ込む関東の名湯 vol.4】太平洋が目の前!潮騒と海風を感じる露天風呂で体の芯から温まる「五浦観光ホテル」
- 【プロも惚れ込む関東の名湯 vol.3】天然自噴のモール泉に包まれる至福の湯浴み時間を過ごす「亀山温泉ホテル」
- 【プロも惚れ込む関東の名湯 vol.2】国内でわずか1%!「五ツ星源泉」認定の美人の湯が肌を贅沢に潤す「大鷹の湯」
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)

















