雑誌『Precious』12月号では【エレガンス基軸で楽しむ「ドレスコード」考】を大特集。

近年、パーティにおけるドレスアップは、フォーマルとカジュアルの狭間で、“いかにスマートに装うのか?” が問われています。特に、キャリアを重ねた大人の女性にとって、自由度が増したドレスコードや、カジュアルセンスが求められるシーンにおいても、品格を損なうことなく、まずは「エレガントであること」を基軸にする “知性” が必要です。

今回は【おしゃれプロが考える、集う日の「マイドレスコード」】と題し、DJ、着物スタイリストのマドモアゼル・ユリアさんにインタビュー。マドモアゼル・ユリアさんにとっての「マイドレスコード」について伺いました。

インタビュー_1
マドモアゼル・ユリアさん
DJ、着物スタイリスト
(Mademoiselle Yulia)1987年、東京都生まれ。DJ兼シンガーとして活動しながら、着物のスタイリングなど、着物周りの企画を数多く手掛け、2020年、英国ヴィクトリア&アルバート博物館で、着物の展覧会のキャンペーンヴィジュアルのスタイリングを担当。YouTubeチャンネル『ゆりあの部屋』を毎週配信中。著書『きもののとりこ』(世界文化社)が11月25日発売予定。

おしゃれプロが考える、集う日の「マイドレスコード」

「エレガントな“調和”のなかに自分らしさのスパイスを入れること」

藤森星児氏撮影による写真
おしゃれプロが考える、集う日の「マイドレスコード」

泥大島の着物の八掛にきれいなトルコブルーを合わせる。そんな着物姿の洒脱なセンスに、個性が際立つユリアさん。パリコレクションをはじめ、国内外のパーティシーンを彩る存在でもあり、その「ドレスコード」の捉え方は、DJを始めた10代の頃に遡ります。

「DJというのは空気を読む職人。つねにTPOを考えて準備し、その場の盛り上がりを感じながら、選曲してきましたので、何のために招かれ、そのなかでどう自分らしさを表現するのかが大切。おのずと、服選びもそうしてきました。同じことが着物にも通じていたのです」

子供の頃は背が高く、目立つことがコンプレックスだったユリアさん。でも人と同じではない“目立つ服”は好きだったとか。

「どんな場所で、どんな塩梅でなら目立ってもよいのかを探ってきたように思います。特に着物は、季節感、色、柄、小物などを細部にいたるまで、パズルのように組み合わせるのが楽しく、人間性や生き方そのものが表れます。色柄でメッセージが伝わるので着物に興味のない方とも会話が生まれるのです。

ドレスの場合、招かれる立場によって変わりますが、パリコレなどでは誰もが個性を出すことが喜ばれます。パーティでは『ドレスコード』があることで、クリエイティブになれるもの。まず体形がきれいに見えるものを選び、クラシックも好きですが、つまらなく見えないように個性的な靴やバッグで自分らしさを表現します。細部にまで気を遣う人が素敵に見えるのは、着物と同じです。そのうえでエレガンスとは“余裕”があること、『ドレスコード』は“調和”と考えます。

人に対して敬意を払い、気を遣うことで、自分も相手も居心地よくいられるのがドレスコードの役割。そして豊かな心で、調和のなかで自分らしさのスパイスを効かせることが大切だと思います」

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PHOTO :
藤森星児
EDIT&WRITING :
藤田由美、喜多容子・木村 晶(Precious)