日々の疲れを洗い流し、心身共にリフレッシュできる温泉旅。天然資源である温泉はその土地ごとの個性があり、ただ体が温まるだけでなく、全身の凝りがほぐれるのを感じられたり美肌に近づけたりなど、普段の入浴では得られないさまざまな恩恵をもたらしてくれます。
そうした温泉のポテンシャルをしっかりと実感できる北海道の名宿を、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんがピックアップ。今回ご紹介するのは、ぬかびら温泉郷にある「糠平温泉 中村屋」です。

公式サイト
開放感抜群!手つかずの自然に囲まれた露天風呂でまったり湯浴みする
帯広市街から車で北上すること約1時間半。大雪山国立公園の懐深く、エゾマツやトドマツの原生林に囲まれたぬかびら温泉郷は、わずか9軒の宿が寄り添うように佇むこぢんまりした温泉地です。温泉好きの間では知られた存在ですが、観光地のような賑わいとは一線を画し、どこか懐かしくも凛とした空気が流れています。
最大の特徴は、大自然の恩恵をそのままに享受できる点。温泉郷にあるすべての宿が、循環利用・塩素消毒を行わない「源泉かけ流し」を宣言しており、お湯の純度が極めて高いことで知られています。そのなかでも、館主自らが手作業でリフォームを重ねて作り上げたレトロな空間も魅力なのが「糠平温泉 中村屋」です。
「こちらの宿で出色なのは、混浴露天風呂の『ほしのさと』。野趣溢れる開放感いっぱいの空間で、四季折々の自然美を眺めながら入浴できるのは格別です。混浴ですが、夜8時半から10時の間は女性専用タイム。また、連泊すれば日中に貸切利用できるサービスもあるので、人目を気にせず広々とした露天風呂をひとり占めできるという贅沢も叶います」(植竹さん)
「糠平温泉の泉質は、ナトリウム・塩化物-炭酸水素塩泉 。少しとろみのある湯が肌によくなじみ、クレンジング効果も期待できます。露天風呂は内湯より湯温がやや低めですが、浸かっていると体がぽかぽかとよく温まり額にじんわり汗がにじんでくるほどです。
ちなみに、私が訪れたのは秋。燃えるような紅葉のグラデーションに囲まれ、冷涼な森の空気と温かな湯のぬくもりが心地よく溶け合うなかで、至福のひとときを過ごすことができました。季節が巡れば、冬はしんしんと降り積もる雪に抱かれる雪見風呂、春は瑞々しい新芽の息吹を感じる湯浴み…という具合に、また違った自然の表情に出合えるのではないかと思います」(植竹さん)
中村屋では混浴露天風呂以外に、内湯が2か所。ひとつは昭和30年代にタイル職人が作った花形の湯舟が特徴のお風呂。もう片方は木の風合いが生かされた温かみのある造りで、趣き異なる空間で名湯を堪能することができます。自然が育んだ純度100%の源泉と館主が自らの手で慈しんできた空間。その両方がもたらす温もりに包まれていると、慌ただしい日常で強張っていた心が、いつしか柔らかく解けていくのを実感できるでしょう。
旬の味覚と手仕事を掛け合わせた心づくしの料理を嗜む
温泉で心身がゆったりと解き放たれたあとの楽しみは、北の大地の豊かな食材をふんだんに取り入れたお料理。
夕食は、十勝産のお肉や地元の新鮮な野菜、糠平周辺で採れた山菜など土地ならではの旬の息吹が感じられるメニューが中心。素材のよさを引き出す調味料も自家製で、食事でも細やかな手仕事が光ります。
そして、多くの宿泊客を惹きつけてやまないのが、翌朝の朝食。大きな木のテーブルに十勝の恵みがずらりと並ぶバイキング形式で、自分の好きなものを、好きなだけ、お腹の空き具合に合わせて選べます。ポテトサラダや自家製グラノーラなど、「どれにしようか」と楽しく迷いながら、木漏れ日が差し込む食堂で自分のリズムでゆっくりと味わう朝ごはんは、心まで満たしてくれる至福のひとときです。
以上、「糠平温泉 中村屋」をご紹介しました。同宿は宿泊者の3人に1人は連泊利用とのこと。連泊して大自然の中の露天風呂をひとり占めしたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか?
問い合わせ先
- 糠平温泉 中村屋
- 住所/ 北海道河東郡上士幌町糠平源泉郷南区25
客室数/全17室
料金/朝夕2食付き 2名1室1名 ¥14,450~(税込) - TEL:01564-4-2311
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)

















