【目次】
【「上野動物園開園記念日」とは?いつ・何の日?】
■「いつ」?
毎年3月20日です。
■「何の日」?
「上野動物園開園記念日」はその名の通り、東京・上野にある「東京都恩賜上野動物園(おとうきょうとおんしうえのどうぶつえん/通称「上野動物園」)」が誕生した日を祝う記念日です。
■日付の「由来」は?
上野動物園は、1882(明治15)年3月20日に開園しました。同動物園では3月20日を無料開園日として設定しており、誰でも無料で入園することができますよ。
※今年(2026年)も例年通りの予定ですが、混雑状況により入園制限がかかる場合があります。
【「上野動物園の歴史」なぜ日本初になったのか】
1882(明治15)年3月20日に開園した上野動物園は、日本で最も歴史のある動物園です。どうして上野という土地に、日本初の動物園が誕生したのでしょう。その歴史をさくっと解説します!
■「博物館の付属施設」としてのスタート
意外なことかもしれませんが、上野動物園はもともと、政府が上野公園に設けた博物館(現在の国立博物館)付属の動物園として誕生しました。当時、明治政府は欧米の近代文化を取り入れるため、博覧会や博物館の整備を進めていました。
博物館のコレクションも、ウィーン万博への出展用に集めた日本各地の特産品が元になっていたため、付属施設である動物園に展示されたのも、日本各地から集められたクマ、シカ、キツネといった「日本産の動物」が中心で、所管が農商務省であったために家畜も展示に加えられました。広さは約1ヘクタールでした(現在の広さは約14ヘクタール)。
■福沢諭吉が「動物園」の名付け親?
当時、英語の「Zoological Garden」をどう日本語に訳すか試行錯誤されていました。「鳥獣園」や「遊園」などさまざまな案が出たなか、福沢諭吉が著書『西洋事情』(1866(慶応2)年発刊)の中で初めて「動物園」という訳語を用いました。これがのちに正式採用され、現在の名称につながった、というのが定説になっています。
■東京市へ下賜
1886(明治19)年には宮内省の所管となり、海外の王室からの贈り物としてゾウやトラなどの珍しい外来動物が展示されるようになり、国民の憧れの場所となりました。1924(大正13)年には、当時の皇太子殿下(後の昭和天皇)のご成婚を記念して、上野公園と共に東京市に下賜(かし/高貴な人が身分の低い人にものを与えること)されます。これが上野動物園の正式名称「恩賜上野動物園」の由来です。
■戦禍と復興
昭和に入ると、上野動物園は多くの人が訪れる憩いの場となっていきました。第二次世界大戦中には、空襲による被害や安全面への懸念から、各地の動物園において飼育動物への対応が求められる状況となり、上野動物園でもやむを得ない措置として、一部の猛獣が命を失う出来事がありました。
こうした対応は当時の社会状況のなかで全国的に見られたものでもありますが、現在では命の尊さを改めて考えるきっかけとして語り継がれています。上野動物園はその後も閉園することなく、終戦を迎えました。
■パンダ初来日
1972年(昭和47年)にはジャイアントパンダが初来日し、パンダをひと目見ようと、人々が上野動物園に押し寄せました。これ以降、年間入園者が700万人を超えるようになります。
【上野動物園の見どころ・人気動物】
2026年現在、上野動物園の展示状況は大きな転換期を迎えています。大きなニュースとしては、2026年1月27日に、ジャイアントパンダの「シャオシャオ」と「レイレイ」が中国へ返還され、パンダがいなくなりました。これにより、1972年以来、約54年ぶりに日本国内でパンダが不在となる事態となっています。とはいえ、パンダ以外にも、上野動物園にはスターアニマルがいっぱい。今まさに注目を集める「新しいスター」たちをご紹介します。
■スマトラトラの赤ちゃん
今、上野動物園で最も熱い視線を浴びているのが、東園の「ゴリラ・トラのすむ森」にいるスマトラトラです。
なんと言っても注目は、2025年7月2日に誕生した、「ベラニ」と「レスタ」! スマトラトラはトラの亜種の一つで、現在生存しているトラのなかでは最も小型。しまは肩からうしろが2本ずつのたばになっていて、もようがはっきりしているのが特徴です。
スマトラトラの赤ちゃん2頭の愛称はインドネシア語が由来となっていて
「ベラニ」(オス):強さの象徴として知られるトラとして、勇ましさを感じさせるほどたくましく成長してほしいという思いをこめて、「勇ましい」という意味の「Berani」から。
「レスタ」(メス):環境保全の側面から「持続可能性・自然との調和」を連想させる言葉、「変わらないこと」という意味の「Lestari」が由来。動物園で誕生したトラとして、トラと人間のよりよい未来を作る一員になってほしいという思いから名付けられました。
絶滅危惧種であるスマトラトラの繁殖成功は世界的にも貴重なニュース。母親のミンピと一緒に元気に遊び回る姿は必見です。
■注目の動物たち
ハシビロコウ(西園)
コビトカバ(西園)
ホッキョクグマ(東園)
■エリア別の楽しみ方
広い園内は「東園」と「西園」に分かれています。
東園
東園は巨樹が鬱蒼とした上野公園の丘陵地に位置しており、ゴリラ・トラのすむ森、ゾウのすむ森、クマたちの丘、ホッキョクグマとアザラシの海などがあります。日本の動物(カモシカ、エゾヒグマなど)もこちら。歴史的な五重塔も見どころです。
西園
西園は、ハスが茂り島が点在する風光明媚な不忍池北側の区域で、キリン、カバ、サイ、ハシビロコウ、アイアイなどアフリカ産の動物、小獣館、両生爬虫類館、家畜動物が中心の子ども動物園などがあります。
【アクセス・営業時間・チケット情報】
■アクセス
上野動物園は上野公園内にあります。3つの出入口がありますが、混雑状況や近くの動物展示などが異なります。
正門(東園側)
JR上野駅「公園口」から徒歩約5分。山手線や京浜東北線を利用する場合に便利です。近くにはゾウ、ホッキョクグマ、トラ、ゴリラなどが。土日祝日などは混雑することが多く、数十分間の待ち時間が生じることがあります。有料のコインロッカーあり。
池之端門(西園側)
東京メトロ千代田線「根津駅」から徒歩約5分。西園のハシビロコウやキリン、サイやカバ、両生爬虫類館を先に見たい場合や、JRの混雑を避けたい場合におすすめです。
弁天門(西園側)
JR上野駅「不忍口」から徒歩5分、京成電鉄上野駅から徒歩4分、東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅から徒歩8分、都営地下鉄大江戸線上野・御徒町駅から徒歩10分。土日祝日などは混雑することが多く、数十分間の待ち時間が生じることがあります。有料のコインロッカーあり。
■営業時間と休園日
開園時間
9時30分〜17時(入園および入園券の販売は16時まで)。ただし、動物によっては、16時30分ごろから寝小屋に入り、見られなくなる場合があるため注意。
休園日
毎週月曜日(月曜日が国民の祝日や振替休日、都民の日の場合はその翌日が休園)、年末年始(12月29日〜1月1日)
※一部の月曜日に臨時開園することもあります。
■入園料とチケット購入
一般: 600円
65歳以上: 300円
中学生: 200円(都内在住・在学の中学生は無料)
小学校6年生まで: 無料
購入日から1年間有効の年間パスポートは…
一般: 2,400円
65歳以上: 1,200円
■チケットの購入方法
窓口での当日券購入のほか、インターネット公式サイトから「オンライン決済(QRコードチケット)」による日付指定チケットの購入が可能です。休日などの混雑時は、事前購入しておくとスムーズに入園できますね。
■無料公開日
3月20日(開園記念日)
5月4日(みどりの日)
10月1日(都民の日)
【上野動物園をもっと楽しむコツ】
■「朝一番」の入園がおすすめ!
動物園を訪れるなら、開園直後の9時30分を目指すのが最もおすすめです。その理由は、 多くの動物にとって朝は食事の時間。スマトラトラやホッキョクグマなど、日中は寝ていることが多い動物たちも、朝はエサを探して動き回る活発な姿を見せてくれる確率が高まります。特に混み合う休日の日中も、朝一番なら人気の動物たちも比較的ゆったりと観察できます。
■「東園」と「西園」。広い園内はターゲットを絞って
上野動物園は「いそっぷ橋」という橋を境に、東園と西園に分かれています。かつては、日本で最初に開業したモノレールとして知られる「上野動物園モノレール(正式名称「上野懸垂線」)が園内を走っていましたが、2023年12月27日に廃止となりました。新たな乗り物(小型モノレール等の後継施設)は、2026(令和8)年度以降に導入されるというニュースがあります。
そのため、現在の主な移動手段は徒歩。実は東園から西園へ向かう際は下り坂になるため、「東園(表門)から入り、西園(池之端門・弁天門)へ抜ける」ルートをとると、比較的ラクに園内を回れるかもしれません。
■歴史的建造物にも注目
動物だけでなく、園内に点在する歴史的なスポットも見逃せません。
旧寛永寺五重塔:東園
東園内に建つ寛永寺の五重塔は、1631年に佐倉藩主土井利勝の寄進により建立されました。その後、1639年に焼失し、再建されました。高さ33m、一層には薬師、阿弥陀、弥勒、釈迦の四尊が安置されています。1958に東京都に寄贈されました。国指定重要文化財です。
閑々亭(かんかんてい):東園
藤堂高虎が徳川家光を迎えるために建てたといわれる茶室(再建)など、園内には歴史の面影が色濃く残っています。
不忍池:西園
上野台地と本郷台地の間に位置する天然の池で、堤で3つに分かれているうちのひとつの「鵜の池」が、園内の池です。岸辺などを活用して、ツル、ペリカンなどの鳥類を展示しています。冬季には、カモ類、カモメ類が多数飛来します。
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日本で最も歴史の古い動物園である「上野動物園」。3月20日は、その誕生を祝う特別な一日です。現在はジャイアントパンダは不在ですが、スマトラトラの子どもをはじめ、多彩な動物たちの愛らしい姿や、新たな魅力を備えつつある園内の風景など、訪れるたびに新たな発見があります。
2026年の東京の桜(ソメイヨシノ)は、3月18日〜21日頃に開花が予想されています。春の訪れを感じる上野の山で、童心に帰りながら、動物たちとのひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料: 東京動物園協会ホームページ「上野動物園」 /国立国会図書館 国際子ども図書館「本で調べる東京名所」 /文化探訪「上野動物園に遊ぶ」 /上野動物園モノレール :

















