エレガンスとは何か? 常に理想の女性像を追い求めてきたPreciousは、22年という歴史のなかで、さまざまな女性たちから多くのことを学んできました。凛とした姿勢、品格ある立ち居振舞、矜持に満ちた生き方…。

『Precious』4月号では〈創刊22周年企画〉として【「美しい佇まい」こそ、真のエレガンス】と題して、創刊以来語り継いできたPreciousの美意識、そこに漂う「美しい佇まい」について、改めて考えてみました。

そのなかから今回は、ジャクリーン・ケネディ・オナシスとキャロリン・ベセット=ケネディ、不朽のスタイルのふたりについて、本誌を牽引するスタイリストである大西真理子さんと高橋リタさんに語っていただきました。

世界の輝く女性たちから学んだエレガンスという美意識

創刊からの22年間、Preciousが一貫して追求してきた「エレガンス」。それは、ファッションやスタイルに限った話ではありません。「佇まい」とは、その人の生き方や価値観、アティテュードなど、あらゆる要素が深く関係しているもの。多くの経験を経て、内面からにじみ出る知性や品格こそ、「美しい佇まい」いわば「エレガンス」の本質なのです。 

創刊当時、自立したキャリア女性に寄り添う新しい女性誌として誕生したPreciousが目指したのは、リアルなラグジュアリーの追求でした。流行のモードを追い求めるだけではない、高価なものを語るだけではない…上質なおしゃれやトレンドを、いかに自分のものとして着こなすことができるか? そんな信念から、誌面には数多くの魅力的な女性たちが、私たちの目指すべきロールモデルとして登場しました。 

世界的なセレブから、街角で出会ったミラノマダムまで。彼女たちのリアルな着こなしは、本誌が得意とする知的でベーシックなファッションの礎となりました。看板コンテンツである「名品」企画にもその精神は健在。どんな人がもっていたのか、どのように使っていたのか? モノと人との関係を語ることで、「名品」の価値がよりリアルになり、奥行きを与えました。そして、往年の女優や著名な先輩キャリアたちの豊かな生き方やライフスタイルを丁寧にたどる読み物企画は、多くの読者たちから共感を得ました。 

本誌で取り上げてきた女性たちに共通するのは、外見だけでない佇まいそのものの美しさ。これまで登場した「エレガンスを生きる」人々を振り返ってみましょう。


Jacqueline Kennedy Onassis(ジャクリーン・ケネディ・オナシス)

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黒のタンクワンピースを、フラットシューズで品よく仕上げるのがジャッキー流。バッグの2個持ちも小粋。Getty Images

「自分を知り尽くした『聡明さ』こそ『ジャッキースタイル』の本質ではないでしょうか」(高橋リタさん)

「ジャッキーは私のスタイルの原点」と語るほど、彼女の着こなしを敬愛する高橋リタさん。その色褪せないスタイル形成は、彼女の聡明さがあってこそだとリタさんは考察します。

「私が最も大切にしている、クリーン、知的、品格のエッセンス。ジャッキーの着こなしからは、そのすべてを感じます。世界中から常に注目されるファーストレディとして、どう装いどうふるまうべきか…、彼女はその想像力に長けていたのだと思います。また、年齢を重ねてもブレないスタイルも素敵。自分の好みや、美しく見えるバランスを熟知したうえで、ファッションを楽しんでいたのが伝わってきます。自分を客観視する分析力も優れていたのではないでしょうか」 

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デコルテを大胆に開け、大ぶりのジュエリーを効かせたシャツスタイルは、マチュアな品格を感じさせる。Getty Images

リタさんは、ジャッキーの小物アレンジも絶賛。

「シンプルな装いに小物の効かせ方がすごく上手で、勉強になります。軸となるスタイルは変えずに、小物で微調整するところが彼女らしいですし、タイムレスですよね」

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ジャッキーの世界観をリタさんが再現する企画も多数 。“ジャッキースタイル”をお手本に、現代の女性に向けて、シーンレスな夏の着こなしを提案。2021年7月号
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N.Y.とカプリでの小物使いと着こなしをそれぞれ比較&分析。2023年4月号

Carolyn Bessette-Kennedy(キャロリン・ベセット=ケネディ)

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“カルバン クライン”の販売員時代にルックスとセンスのよさを買われ、ニューヨーク本社の広報担当に抜擢。1996年にジョン・F・ケネディJr.と結婚。洗練されたシンプルスタイルでファッションアイコンとして注目された。事故により33歳の若さで逝去。Getty Images

Preciousにおけるスタイルアイコンのひとりとして、創刊時から編集部が意識していたキャロリン。実際に1990年代のN.Y.で働いていたこともあり、クール・エレガンスの象徴的な存在でした。大人のかっこよさを引き出すスタイリングが人気の大西真理子さんも、キャロリンのスタイルに共感するひとり。

「彼女の着こなしは、ミニマルだけど女らしい、シンプルなのに輝きがある。引き算の美学を極めたスタイルだと思います。ベーシックなアイテムばかりですが、セレクトからは、仕立ての美しさや上質な素材へのこだわりが感じられます。ファッション業界に身をおいていたこともあり、審美眼は確かなものだったのでしょう。肌見せの加減や袖まくりのバランスなど、こなし方も見事。それなのに頑張っている感はなく、ノンシャランなムードが漂っている。まさに大人の女性が目指したい、佇まいのお手本だと思います」

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本誌が目指すスタイルであり、この号のテーマでもあった“シンプル・ラグジュアリー”を体現するミューズとして、キャロリンをクローズアップ。2007年1月号
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ベーシック&エレガンスを極めた佇まいは、いつだって私たちの憧れ。2016年3月号

※高橋リタさんの【高】は「はしごだか」が正式表記です。

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PHOTO :
小池紀行(CASK)
EDIT&WRITING :
奥山碧子・喜多容子(Precious)
写真協力 :
Getty Images