【目次】

【「水産デー」とは?「いつ」「何の日」かを解説】

■「いつ」「誰が」決めた?

「水産デー」は4月13日です。1933(昭和8)年に、一般社団法人 大日本水産会が制定しました。

■「何の日」?

日本の水産業の発展を願い、水産に対する理解と関心を深めることを目的とした記念日です。現在でも、水産に関連する団体や自治体によって、魚食普及や海の大切さを伝えるための啓発活動が行われています。


【「水産デー」の「由来」は】

■「由来」は?

4月13日という日付は、明治時代に行われた重要な法整備に深く関連しています。1901(明治34)年4月13日に、旧漁業法が定められたのです。日本の水産業の根幹を支える法律が初めて誕生した「記念すべき日」として「水産デー」が制定されました。

その後、1949(昭和24)年に旧漁業法が全面的に改正され、現行の「漁業法」を制定。現行の漁業法が制定された3月13日は「漁業法記念日」となっています。


【「水産デー」はなぜ生まれた?背景と目的】

■そもそも「漁業法」とは?

「漁業法」とは、漁場の総合的な利用による漁業の発展を目的とする法律です。ごく簡単に言えば「海や川のルールをまとめた法律」です。一見、無尽蔵にも思える海や川にある魚などの資源も、みんなが好き勝手にとってしまえば、あっという間になくなってしまいますよね。

また、同じ場所で多くの人が一度に漁をすれば、大きなトラブルにもなりかねません。こうした混乱を防ぐために、「漁業法」では主に以下の3つのことを定めています。

漁業権

特定の場所で漁をする権利を整理し、誰が・どこで・どのように漁をするのかをあらかじめ決めておきます。

資源管理

「まだ小さい魚はとってはいけない」「この時期は漁を休む」といったルールをつくり、魚が絶滅しないように守ります。

漁業者による管理と調整

漁業協同組合などを中心に、地域ごとのルールづくりや操業の調整が行われ、持続的に水産資源を利用するための仕組みが整えられています。

「漁業法」は日本の水産業を支える「土台」のような法律であり、1901(明治34)年に制定されて以来、時代の変化に合わせて何度もアップデートされながら、私たちの食卓に魚が届き続ける仕組みを守っています。

■「水産デー」が制定された背景

昭和初期の日本は、人口の増加に伴い、国民の栄養源をいかに確保するかが国家的な課題になっていました。四方を海に囲まれた日本において、水産資源は最も重要なタンパク源であり、漁業の近代化と生産性の向上は急務だったのです。1901(明治34)年の旧漁業法制定から30年以上が経過し、漁船の動力化や遠洋漁業の発展が進んだこの時期、改めて「水産」という産業が国の基盤であることを国民に再認識させる必要がありました。そこで採択されたのが、1933(昭和8)年の「水産デー」制定です。

■「水産デー」制定の目的

大日本水産会がこの日を制定した主な目的は、以下の3点です。

水産知識の普及

国民に対し、魚介類の種類や栄養価、そして海という資源の尊さを正しく伝えること。

魚食の推奨

水産物の消費を拡大し、国民の健康増進と水産経済の活性化を図ること。

業界の士気向上

水産業に従事する人々の連帯感を強め、技術革新や資源管理への意識を高めること。

「水産デー」は、日本の食卓を支える水産業の原点(法の制定)を忘れないための、象徴的な記念日となっています。


【「水産デー」に何をする?「楽しみ方」と「過ごし方」】

「水産デー」は、私たちが日々の食生活を支えてくれる「海」と「魚」に感謝し、水産文化に触れる絶好の機会です。難しく考えず、気楽に楽しめる過ごし方をいくつかご提案しましょう。

■旬の魚を味わう

「水産デー」ならではの楽しみ方といえば、やはり美味しい魚を食べる「魚食(ぎょしょく)」です。4月13日頃は、春に旬を迎える魚介類が豊富に市場に並ぶ時期。この日は意識して魚料理を献立に取り入れ、その鮮度や味わいをじっくりと堪能してみてはいかがでしょうか。

4月に旬を迎える魚介類は…

マダイ、サワラ、メバル、サヨリ、カツオ(4月下旬から初鰹のシーズン)、メジナ、ホッケ、マアジ、サクラエビ、ハマグリ、アオヤギなど

■水族館で癒やされて

最後に水族館や科学館を訪れたのはいつですか? 多くの水族館では、地元の漁業を紹介するコーナーや、資源保護に関する展示が行われています。また、最新技術を取り入れた展示の進歩も目覚ましく、双方向コミュニケーションツールのほか、時間や季節によって変化する空間演出など、新鮮な驚きと感動が得られること、間違いなし。また、青を基調とした空間や魚の動きが心拍数を落ち着かせる「癒やし効果」も期待できます。

■地域の鮮魚市場やイベントに足を運ぶ

「水産デー」の前後の週末には、各地の漁港や市場で「お魚祭り」や「直売会」などのイベントが開催されることがあります。新鮮な魚を安く購入できるだけでなく、プロの料理法を教わったり、普段は見ることができない競(せ)りの雰囲気を感じたりできるのも、この時期ならではの楽しみです。


【日本の「水産業」とは?基礎知識と役割】

四方を海に囲まれた日本にとって、水産業は古くから国民の生活と経済を支えてきた、極めて重要な産業です。

■水産業が果たす役割

日本の水産業は、大きく分けて以下の3つの要素で構成されています。

漁船漁業・養殖業(とる・育てる)

海や川で魚介類をとる「漁業」と、卵から稚魚を育てて大きくする「養殖業」です。

水産加工業(つくる)

獲れた魚を三枚におろしたり、干物や缶詰、かまぼこなどの練り製品に加工したりして、消費者が食べやすい形にします。

流通・販売(届ける)

産地の市場から、都会の卸売市場、スーパーや鮮魚店へと、鮮度を保ったままスピーディーに魚を届けます。

また、単に食べ物を提供するだけでなく、社会全体に対する重要な役割が課せられています。

食料自給率への貢献

良質な動物性タンパク質を安定的に供給し、日本の食料安全保障を支えています。

地域経済の活性化

全国各地の漁村において、雇用を生み出し、地域の伝統行事や文化を守る中心的な存在となっています。

海洋環境の保全

漁業者が海を清掃したり、藻場や干潟を守る活動をしたりすることで、豊かな自然環境の維持に貢献しています。

■「水産業」に関するトリビア

かつてはマグロの「トロ」は、「捨てられていた」?

今でこそ高級食材の代名詞であるマグロの「トロ(脂身)」ですが、冷蔵技術が未発達だった江戸時代には、脂身は傷みやすく、醤油に漬け込む「づけ」にも向かないため、価値のない部位として捨てられたり、肥料にされたりしていました。「トロ」と呼ばれ珍重されるようになったのは大正から昭和にかけてのこと。日本人の味覚の変化や保存技術の進化によって「厄介者」から「主役」へと大逆転を遂げた歴史があります。

世界一高価な魚の「初競り」は、1日で数億円?

日本の水産業における新年の風物詩といえば、豊洲市場で行われる「初競り」です。このご祝儀価格は、単なる仕入れ値を超え、日本経済の活気と水産業の重要性を世界に発信する大きな象徴となっており、特に青森県大間産のクロマグロは「黒いダイヤ」とも称され、驚くような高値が付きます。

これまでの最高値は2019(平成31)年の3億3360万円でしたが、2026(令和8)年1月5日の初競りにて、243キロのクロマグロが5億1030万円という驚異的な価格で落札され、史上最高値を塗り替えました。この「一番マグロ」を6年ぶりに競り落としたのは、「すしざんまい」を運営する喜代村です。

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「水産デー」は、これからも美味しい魚を食べ続けられるように、という願いが込められた記念日です。4月13日は、自分の心と体を労わるひとつのきっかけとして、旬の魚を取り入れてみるのもよいでしょう。春のカツオやサワラなどをゆっくり味わう時間は、季節の移ろいを感じるひととき。忙しい毎日の中で、こうした食事を意識することは、心と体を整えるセルフケアにもつながります。「水産デー」を機に、旬の恵みを楽しんでみてください。

この記事の執筆者
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参考資料:水産省「漁業法」(https://www.jfa.maff.go.jp/j/yugyo/y_kisei/gyo_hou/index.html) /水産省「さかなの日」(https://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/sakananohi1137.html) /大日本水産会(https://suisankai.or.jp) /魚食普及推進センター「水産デー」(https://osakana.suisankai.or.jp/business/8162#:~:text=大日本水産会が,日」となっています%E3%80%82&text=過去には様々な,人気を得ています%E3%80%82) /nippon.com「マグロの初競りで史上最高値の5億円超―豊洲 : 1キロあたり210万円、すし1貫で2~3万円!?」(https://www.nippon.com/ja/japan-data/h02660/#:~:text=年始のご祝儀相場,られた人がうらやましい!&text=最高峰ブランドとして知,現場の迫力を伝える%E3%80%82) :