【目次】

【「海上保安の日」とは?「いつ」「意味」「由来」「なぜ」を簡潔に解説】

■「いつ」?

「海上保安の日」は5月12日です。

■「意味」

日本の海を守る海上保安庁が歩んできた歴史を振り返り、その業務への理解を深めるための記念日です。

■「由来」「なぜ」5月12日?

日付は、1948(昭和23)年5月1日に海上保安庁法が施行され、同月12日に初代長官である大久保武雄氏が庁舎の屋上に庁旗を掲げたことに由来しています。この日は「開庁記念日」として長く親しまれてきましたが、2000(平成12)年3月24日に、「国民の方々に海上保安庁への理解と信頼を深めてもらえるよう」、「開庁記念日」から「海上保安の日」に改称されました。


【「海上保安庁」の役割とは?海の安全を守る仕事】

海上保安庁は、別名「海の警察」とも例えられる存在です。国土交通省の外局として、広大な日本の領海および排他的経済水域(EEZ)において、「海の安全」と「治安の確保」を両立させるため、多角的な任務を遂行しています。ここでは8つの主要任務について解説しましょう。

■領海・EEZを守る

日本の主権を守るため、海上保安庁は巡視船や航空機で領海や排他的経済水域(EEZ)※を常時監視しています。外国公船の動向把握や、外国漁船による違法操業の取り締まりを行い、日本の海域における権益を維持します。

※EEZ(排他的経済水域)とは、沿岸国が天然資源の調査・開発などについて優先的な権利をもつ海域のこと。

■治安の確保

海上保安庁は密輸、密航、海賊対策、テロ対策などの重大犯罪を阻止します。薬物や銃器の流入を水際で食い止めるほか、海上法令の取り締まりや不審船への対応を通じて、海上の秩序と国民の平穏な生活を守ります。

■生命を救う

海上保安庁は海の危険性や自己救命策確保の必要性について国民への周知・啓発活動を行い、海難未然防止に努めています。海難事故が発生した際には、特殊救難隊や機動救難士といった精鋭が、昼夜を問わず救助・救急活動を行い、尊い人命を救うことに全力を尽くしています。

■青い海を守る

海上保安庁は未来に豊かな海を引き継ぐため、海洋環境の保全に努めています。船舶からの油や廃棄物の不法投棄を監視・取り締まるほか、海洋汚染の調査や漂流ゴミの回収などを行い、海洋生態系と美しい環境を保護しています。

■災害に備える

海上保安庁は地震や津波、火山活動などの自然災害から国民を守ります。大規模災害時には被災者救助や物資輸送を担うほか、海上での二次被害を防ぐための情報提供、さらには防災訓練の実施を通じて地域の防災力を高めています。

■海を知る

海上保安庁は船舶が安全に航行できるよう、測量船を用いて海底地形や海流、潮汐などの海洋調査を行っています。収集したデータをもとに「海図(海の地図)」を作成・更新し、科学的根拠に基づいた海の基礎情報を支えています。

■海上交通の安全を守る

海上保安庁は「海の管制官」として船舶の交通整理を行うほか、灯台などの航路標識を常時保守・管理しています。最新の気象や工事情報などの「海の安全情報」を提供し、船舶が安全に目的地へ到着できるよう支援します。

■海洋秩序を守る国際協力

海上保安庁は海を通じた国際協力を推進しています。他国の海上保安機関への技術支援や合同訓練を行い、海賊対策や海洋秩序の維持に向けて連携を強化。「法の支配」に基づいた「自由で開かれた海洋秩序」の構築に貢献します。


【「海上保安」の重要性とは?私たちの暮らしとの関わり】

普段の生活のなかで、私たちが海上保安庁の活躍を直接目にすることは少ないかもしれません。でも実は、私たちの「当たり前の日常」を、根底からガッチリと支えてくれている存在なんです。

■「物流の安全」が「日々の暮らし」を守る

日本は、食料やエネルギー資源の多くを海外からの輸入に頼っています。そして輸出入貨物の99%以上は、船舶によるもの海上保安庁が「海上交通の安全」を守り、24時間体制で船舶の航行をサポートすることで、スーパーに並ぶ食材やガソリンなどの物資が安定して手元に届く「当たり前の日常」が維持されています。

■「もしも」のときに駆けつける安心感

海水浴や釣りなどのレジャーだけでなく、沿岸部での暮らしにおいて、海難事故や自然災害は、いつどこで発生するのか、予測がつきません。しかし、海上保安庁が「生命を救う」「災害に備える」任務を徹底し、常に最前線で待機していることで、レジャーや漁業、輸送に関わる人々、そして沿岸部に住む人々など、人々が安心して海を利用できる環境につながっています。

■豊かな環境の維持

「青い海を守る」活動によって海洋環境が保全されることは、豊かな水産資源を未来へとつなぐことでもあります。また、国際連携によって海洋秩序が維持されているからこそ、日本は自由で開かれた貿易を継続できているのです。海上保安は、単なる監視業務を超えた、私たちの「未来の豊かさ」を守る活動と言えます。

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「海上保安の日」である5月12日は、私たちが普段意識することのない「海の安全」について、改めて思いを巡らす日です。島国である日本において、海は私たちの食卓やエネルギー、そして経済を支える重要な基盤。その広大な領域で、365日、時に過酷な自然と対峙しながら、治安、救難、環境保全、そして国際連携といった多岐にわたる任務を遂行しているのが海上保安庁です。

ドライブの途中、あるいはリゾート地で。青い海を眺める時間をもったなら、その水平線の向こう側で私たちの日常を守り続けている「海保(かいほ)」の存在を、少しだけ思い出してみてくださいね。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:海上保安庁(https://www.kaiho.mlit.go.jp) /海上保安庁採用サイト(https://www.kaiho.mlit.go.jp/recruitment/) :