【目次】

【5月29日は「幸福の日」。“こうふく”の語呂合わせから生まれた記念日】

■「なぜ」5月29日? 「由来」は?

世界中の人々が幸せで平穏に暮らせることを祈り、「5(ご)」と「29(ふく)」の語呂合わせからこの日が選ばれました。

「意味」は?

日々の生活のなかで、身の回りにある小さな幸せに感謝すること、そして自分の周りにいる大切な人たちの幸福を願い、想いをかたちにして届けることを目的に制定された記念日です。


【「幸福」とはどんな意味?「幸せ」との違いも確認】

■「幸福」とは?

人は生きていくなかでさまざまな欲求をもち、それが満たされることを願う生き物です。一般的に「幸福」とは、そうした「欲求が満たされている状態」や、「欲求が満たされたときに生まれる満足感」を指す言葉です。

個人的な感情についてだけでなく、社会的・経済的な安定や健康状態、良好な人間関係など、「客観的に見て満たされている持続的な状態」を表現するときによく使われます。哲学や心理学、福祉の分野で「ウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態)」の訳語として用いられるのも、この「幸福」という言葉です。

■「幸せ」とは?

「運がよいこと」や「その人にとって望ましいこと」「不満がない状態」を「幸せ」と表現します。もともとの語源は、運がよいことも悪いことも含めた「コトの成り行き」を意味する「為合わせ(しあわせ)」に由来し、そこから徐々に「よい巡り合わせ」のみを指すようになり、現在の意味になりました。

■「幸福」と「幸せ」の違いは?

「幸福」も「幸せ」も、「恵まれていて満足できる状態にあること」という意味は共通しています。英訳するならば、どちらも[happiness]です。ただ、「幸福」が、精神的または物質的に心の満たされる境遇にあることで、やや長期的な状態を指して使われるのに対して、「幸せ」はものごとが望ましい方向に運んで、満足できる状態にある瞬間を、やや主観的に表現するのに用いられることが多い言葉です。

たとえば、「おいしいものを食べているときがいちばん幸せ」「私は趣味に没頭しているときかな~」。こんな会話をするときに、わたしたちは無意識に「幸福」ではなく「幸せ」という単語を選択しますね。つまり「幸せ」は、おおむね主観的、感覚的、瞬間的な感情を指す言葉。

これに対して、「幸福」は客観的、論理的、持続的な状態を指す言葉です。「幸福度調査」という言葉はあっても「幸せ調査」とは用いないのも、こうした理由からです。


【「幸福の日」は誰が制定した?制定の背景と“想いを届ける”サービス】

「幸福の日」を制定したのは、「佐川ヒューモニー株式会社」です。

■「幸福の日」制定の背景

佐川ヒューモニー株式会社は、インターネットやファックスを通じて申し込める民間の電報サービス「VERY CARD(ベリーカード)」を展開している企業です。「ごふく(529)=至福・幸福」の語呂合わせにちなみ、日ごろからお世話になっている方や大切な方へ「お祝いの気持ち」や「感謝の言葉」を電報などのメッセージで届けてほしいという願いを込めて、この記念日を申請しました。その後、一般社団法人日本記念日協会によって認定・登録されています。

■“想いを届ける”電報サービス

かつて電報は、緊急連絡の手段として使われていました。現代においては結婚式や誕生日、昇進祝い、あるいは亡くなった方を送る特別な日に、「想いを届けるツール」へと役割を変化させています。「幸福の日」には、メールやSNSのような手軽なデジタルツールではなく、あえて”かたち”として残る「電報」や「手紙」という媒体を通して、身近な人の幸せを祝い、感謝を伝える文化を広めたいという同社の想いが込められています。


【「国際幸福デー」と「幸福の日」はどう違う?】

■「国際幸福デー」とは?

「国際幸福デー(International Day of Happiness)」は、2012(平成24)年7月12日に国際連合(国連)の総会で満場一致で決議され、翌2013年から始まった、国際的な記念日(国際デー)です。

この日を提唱したのは、ヒマラヤの小国ブータン王国。ブータンは1970年代初頭から、経済的な豊かさを示す「国内総生産(GDP)」ではなく、精神的な豊かさや幸福度を示す「国民総幸福量(GNH)」を国を挙げて重視してきたことで知られています。その考え方に国連が共鳴し、記念日制定に至りました。

「幸福は世界中の人々の共通の目標であり、願望である」という認識のもと、世界中で貧困の根絶や持続可能な開発を進め、すべての人の幸福とウェルビーイング(良好な状態)を公共政策に反映させるよう呼びかける、非常に大きな規模の目的を持っています。毎年この時期には、世界各国の「幸福度ランキング」が発表され、話題となっています。

■「幸福の日」との「違い」

「幸福の日」は、日本の民間企業(佐川ヒューモニー株式会社)が提案し、日本記念日協会に登録された「国内独自の記念日」です。国連が行うような社会政策ではなく、「身の回りの小さな幸せに気づくこと」「大切な人へ感謝やお祝いの想いを届けること」という、個人の身近な人間関係や暮らしに焦点を当てて設定されました。


【大人の会話に使える「幸福」にまつわる言葉と表現】

■時候の挨拶・手紙の結びの言葉として

手紙やビジネスメールの結びの言葉として、あるいはお礼状などで相手の幸せを願う気持ちを表す表現をご紹介しましょう。5月の新緑の季節や、「幸福の日」にちなんだ便りにも最適です。

・「ご家族の皆さまに、ますますの幸せが訪れますようお祈り申し上げます」
・「新緑の爽やかな風とともに、皆様のもとにたくさんの幸せが舞い込みますように」
・「末筆ではございますが、〇〇様のますますのご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます」

■「幸福」にまつわる名言・ことわざ

・「幸福だから笑うのではない、笑うから幸福なのだ」(アラン/フランスの哲学者)
・「幸福というものは、ひとりでは決して味わえないものである」(アルベルト・シュバイツァー/医師・神学者)


【身近な人に“幸せ”を届けるには?ビジネスにも通じる心配り】

「幸福の日」本来の目的は、自分の周りにいる大切な人の幸せを願い、その想いをかたちにして届けること。こうした心配りがプライベートの人間関係を豊かにしてくれることはご承知の通りです。でも実は、「想いを届ける」マインドは、ビジネスにおける信頼関係の構築にもひと役買ってくれるって、ご存知でしたか? 身近な人にさりげなく“想い”を届けるためのヒントを整理しました。

■ささいなことでも「言葉」で伝える手間を惜しまない

人は誰しも「自分の存在や貢献を認めてほしい」という欲求をもっています。周囲の人がしてくれた、ちょっとした気配りやサポートに対して、「言わなくても伝わっているだろう」と省略せず、あえて言葉にして伝えることは、とても大切。

たとえば、部下や同僚の仕事に対して

・「〇〇さんがつくってくれた資料、とてもわかりやすくて助かりました」
・「先日の会議でのさりげないフォロー、嬉しかったです」

…など、具体例を挙げて感謝(フィードバック)を伝えましょう。

■相手の関心事を心に留めておく

・「偶然、以前お好きだと伺っていたお菓子を見つけたのでお持ちしました」
・「前にお話しされていたプロジェクト、その後いかがですか? 」

こんな言葉で「私はあなたの話を真剣に聞いていましたよ」「あなたのことを気に留めています」というメッセージをさりげなく伝えられたら、誰だって嬉しいもの。クライアントや上司、部下との関係も、このような心配りの積み重ねが信頼感を育てるものです。

■デジタル時代だからこそ「アナログを活用」

メールやSNSを使えば、一瞬でメッセージが送れる現代だからこそ、あえてかたちの残るメッセージを選ぶことで、特別な喜びを届けることができます。

たとえば…

・お土産やプレゼントに、2~3行だけでも手書きの一筆箋(いっぴつせん)を添える。
・お祝いごとやプロジェクトの節目などの特別なシーンで、電報を送る。

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5月29日の「幸福の日」には、日ごろからお世話になっている方や大切な方へ「お祝いの気持ち」や「感謝の言葉」を電報などのメッセージで届けてほしいという願いが込められています。大げさなプレゼントやサプライズを用意する必要はありません。「日ごろの感謝の気持ちを言葉やかたちにして伝える」という、ほんのひと手間。まずは身近な誰かへ、1通のメッセージやひと言の感謝を届けてみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者
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参考資料: 『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉プラス』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /佐川ヒューモニー株式会社(https://www.humony.co.jp) /一般社団法人日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp) /United Nation「International Day of Happiness」(https://www.un.org/en/observances/happiness-day) :