連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People

明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する「Precious」連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、ニューヨークに本社をおく、大手出版社グループ「サイモン&シュスター」のUKとインターナショナルのCEOを務めるパーミンダー・マンさんにインタビュー!

インド系ルーツをもつ女性として初の英国の出版団体協会「Publishers Association」の会長も務め、これからの出版界を牽引するリーダーとして、各界から大きな注目を集めているパーミンダーさん。今後の出版界への想い、女性の柔軟な働き方や、自身のリーダーシップについて、詳しくお話しをうかがいました。

パーミンダー・マンさん
「サイモン&シュスター UK /インターナショナル」CEO
(Perminder Mann)ロンドン生まれ。大家族かつ厳しい両親のもと、インド系移民コミュニティで育つ。大学で演劇とメディアを学んだのち、英国大手出版社「マクミラン」営業職に。その後、独立系出版社などで経験を積み、「ボニエ・ブックスUK」に移籍、’17年CEOに就任。’25年5月「サイモン&シュスター UK/インターナショナル」のCEOに抜擢され現在にいたる。

【London】「素晴らしい本に優れたチームあり」出版界の本質を問うニューリーダー

インタビュー_1
「サイモン&シュスター UK /インターナショナル」CEOのパーミンダー・マンさん

ニューヨークに本社をおく、大手出版社グループ「サイモン&シュスター」。そのUKとインターナショナルのCEOを務めるのがパーミンダーさんだ。’24年には英国の出版団体協会「Publishers Association」の会長も務めたが、128年にわたる協会の歴史において、彼女のようなインド系ルーツをもつ女性がその職位に就いたのは初めてのことだった。これからの出版界を牽引するリーダーとして、各界から大きな注目を集めている。

「出版とは本質的に “people business(人がつくり出すビジネス)” だと考えています。AIが台頭する昨今でも、人間がつくる物語の価値は変わりません。人々が必要としているのはアルゴリズムによるコンテンツではなく、生きた経験から生まれるストーリー。だからこそ優れた本は、個人の才能だけではなく、編集者やマーケティング担当など多くの力を集結することで生まれるもの。『素晴らしい本の背後には優れたチームがいる』。これが私の持論だし、出版界の真実だと思うのです」

大手から独立系までさまざまな出版社で働くなか、彼女が常に模索してきたのは女性の柔軟な働き方だった。子育て真っ盛りの時期に15年間在籍した「ボニエ・ブックUK」では、交渉の末、週2日出社のスタイルで多大な実績を残し、最終的にはCEOに就任。そろそろリタイアを考えていたときに「サイモン&シュスター」から打診があり、「また次なる挑戦が始まる」と思いを新たにしたのだそう。

「コロナ以前からリモートワークを導入し、産休はもちろん、父親の育児休暇取得も積極的に促してきました。なぜなら、創造性とは余白や敬意を前提にした環境でこそ育まれると考えたからです。私にとってリーダーシップとは “スチュワードシップ(託されたものを守り育てる責任)” です。不確実性に満ちた時代だからこそ、受け取ったときよりも強い状態にして次の世代に渡す。そのことを意識して、人々を導いていきたいと考えています」

◇パーミンダー・マンさんに質問

Q 朝起きていちばんにやることは?
その日の予定を頭のなかで整理し、ジムへ。
Q 人から言われてうれしいほめ言葉は?
「それは公平だ」。公平さはとても大切な価値観です。
Q 急にお休みがとれたらどう過ごす?
長い散歩と美しい本を1冊。さらに愛する人々と時間を過ごす。
Q 仕事以外で新しく始めたいことは?
より意識的にメンタリングに取り組む。特にリーダーにはなりえないと思っている人を支援したい。
Q 10年後の自分は何をやっている?
何かを築き続け、学び続けている。
Q 自分を動物に例えると?
戦略性があり、粘り強く、仲間への忠誠心が厚いオオカミ。群れ、つまり家族の力で生きる動物であるところが、集合的な力を築き、支え、守るという私のリーダーシップと一致するのです。

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PHOTO :
Haruko Tomioka
取材 :
Yuka Hasegawa