連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People

明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する「Precious」連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、JRA史上初の女性調教師としてご活躍の前川恭子さんにインタビュー!

11歳で乗馬を始め、大学では馬術部に所属していた前川さん。「生涯、馬と関わっていきたい」と、5度目の受験で合格を勝ち取り、滋賀県の栗東トレーニング・センター内に厩舎を開業。日々、調教師として挑む目標や今後の展望など、詳しくお話しをうかがいました。

前川恭子さん
JRA調教師
(Kyoko Maekawa)乗馬が盛んなエリアとして知られる千葉県富里市に生まれる。11歳から乗馬を始め、筑波大学では馬術部に所属。北海道浦河町のビクトリーホースランチ勤務を経て’03年7月にJRA競馬学校厩務員課程入学。’24年度の新規調教師免許試験に合格する。’25年3月より滋賀県栗東トレーニング・センター施設内に前川厩舎を開業する。

【Rittou】馬に長く、楽しく走ってもらうために。新人調教師が送る挑戦尽くしの毎日!

インタビュー_1
JRA調教師の前川恭子さん

馬主から預かった馬をトレーニングし、レースで勝利へと導く調教師。その試験では毎年引退する調教師の人数しか合格者を出さない。極めて狭き門だ。’24年、JRA史上初となる女性の調教師誕生は大きな話題を呼んだ。前川恭子さんは、11歳で乗馬を始め、大学では馬術部に所属。「生涯、馬と関わっていきたい」と競馬の世界に飛び込んだ。

「北海道やアイルランドで競走馬の育成経験を積むなかで、新しいトレーニング方法や取り入れたい治療機器、心も含めた馬のケア方法など自分の目指す馬づくりを実践したい気持ちが大きくなりました。ただ、調教師は馬のことだけを考えていればいいわけではなく、厩舎の経営者として、従業員を雇い、騎手や馬主、取引先などと人間関係を築き、安定した運営をしていく立場。その重みに躊躇していた期間もありましたが、やる前に思い悩んでも仕方ないと挑戦を決めました」

5度目の受験で合格を勝ち取り、滋賀県の栗東トレーニング・センター内に厩舎を開業。47歳からの挑戦だ。前川さんは馬を呼吸器疾患から守るために、餌の牧草を蒸してカビや雑菌を除去するスチーマーを導入したり、競走馬の行動心理を学び、人間がどう関わるかを考える勉強会を行うなど、新しいアプローチにも積極的だ。また、いかに短いスパンで少しの違和感に気付きケアするかにも注力。前川さんの朝は5時に厩舎に着くとすべての馬の脚を触ることから始まる。戦いながら強くなることもあるとレース参戦にも前向きで、世界中から有力馬が集うサウジカップにも出走させるなど開業以来、挑み続ける毎日だ。

馬をなでているときがいちばん好きな時間だという前川さんは、周りから少しは馬のことを忘れる時間をつくってと言われるほど頭のなかは馬のことでいっぱい。やりたいことが次々と溢れてくると語る。「調教師として定年を迎える70歳まで、ここからさらにアグレッシブに走っていきます!」

◇前川恭子さんに質問

Q 朝起きていちばんにやることは?
夏期は3時、それ以外は5時に出勤なので、ギリギリまで寝て最速で家を出たい(笑)。まずは洗顔!
Q 人から言われてうれしいほめ言葉は?
管理馬の出走後、「いいレースだったね」と言われること。
Q 急にお休みがとれたらどう過ごす?
北海道の牧場に今後お預かりする1〜2歳の馬を見に行く。
Q 仕事以外で新しく始めたいことは?
それを探すことが今の課題です。ゴルフを始めてみようかと画策中。
Q 10年後の自分は何をやっている?
変わらず調教師でいると思う。
Q 自分を動物に例えると?
猫。家でゴロゴロするのが大好きなので。スピッツの『猫になりたい』が好きで、家にいるときにしょっちゅう口ずさんでいます。

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PHOTO :
望月みちか
取材・文 :
大庭典子