【 今、私たちが知りたい「家の灯り」のこと】

光と影に安らぐ。オブジェとしての美しさを楽しむ。照明は、空間の印象を左右する重要なアイテム。季節の変わり目に部屋の “模様替え” をしてみませんか?

日々の暮らしを美しく彩るだけではなく、部屋の印象を大きく変えてくれる── 照明にはそんな力があります。関心が高まる今、プレシャス世代の家時間を心地よく照らし、洗練された雰囲気をつくる「灯り」に出合うためのヒントを探しました。基礎知識から、東京とパリの実例、モダンでエレガントな照明器具まで存分にお届けします。

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ペンダントライト『ペンダント A331 ビーハイブ』[直径33×高さ30cm]¥190,300(アルテック)

北欧デザインを代表するアルヴァ・アアルトが1953年にデザインし、「蜂の巣」の愛称で親しまれるペンダントライトの名品。存在感のあるオブジェのようなシェードと柔らかな光が印象的。 

モダンなフロアライトと、愛らしいテーブルランプ、ふたつの光を重ねることで空間を豊かに

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テーブルランプ『アトーロ238』[直径25×高さ35cm]¥269,500(スタジオノイ〈オルーチェ〉)、フロアランプ『コーディネーツ フロアスタンド/シルバー』[直径38×高さ200cm]¥330,000(フロスジャパン)、サイドテーブル『ビエンナーレ』¥181,500(KEY-KILT〈ニカリ〉)、ラウンジチェア『ウルフ ラウンジ』¥1,100,000 (アンドトラディション)

今取り入れたいのが、リビングで複数のライトを組み合わせる方法。共にイタリア生まれの名作のミニマルなフロアライトと、きのこを思わせるフォルムのテーブルランプを灯して。

灯りのエキスパート、ライティングエディターの谷田宏江さんに聞く【空間が見違える、理想の「灯り」とは】

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毎日を共に過ごしながら、実はよく知らない「家の灯り」のこと。まずはプロにうかがいたいと、羅針盤となる「灯り」の基礎知識と、照明器具を手に入れる際に今注目すべきポイントを教えてもらいました。

谷田宏江さん
LIGHT & DISHES代表、ライティングエディター
(たにた・ひろえ)照明メーカー勤務後独立。照明関連企業のコンサルティングやデザイン誌で国内外の照明記事を取材執筆。最近はグローバル照明ブランドのプラットフォームessence-light.siteをローンチ。

日本の家の質を “ほの暗さ” が高める

「日本の現代の暮らしは、光が溢れています。そんな今も、インテリア業界に携わる人のバイブルといえば、昭和初期の谷崎潤一郎の随筆『陰翳礼讃』。日本人が昔から光と翳りのなかに美を見出してきたことを伝える本です。第二次世界大戦後、明るいことが富の象徴とされてきましたが、私は今こそ、ほの暗さのある美しさ、豊かさを体感してみてほしいと思います。試しに家のリビングの天井のライトを消してみてください。すると、気づかなかった物の質感まで感じることができるでしょう」

“心地よい灯り” とは、自然光のように感じる光

「灯りを心地よく感じるのは、太陽や月の光など自然光に匹敵するものといわれています。太陽光は、昼に近づくにつれて白を通り越し、青みがかった白になります。そして午後にかけて徐々に赤みを帯びていき、夕方にオレンジ色へと変化します。最新のオフィス空間では、こうした自然光の波長変化を照明で再現し、自律神経を整える試みが導入されているところも。一日のなかで “心地よい灯り” は、変わっていく。住まいの灯りを見つめ直すうえで、自然光の変化を暮らしにも取り入れることを覚えておきたいですね」

部屋の印象までも変える「一室多灯」のすすめ

「ぜひ試してみてほしいのが、部屋の真ん中から天井照明で均一に照らして明るくするのではなく、照明を組み合わせる方法です。ペンダントライトやフロアライト、デスクライトを用いながら、部屋の中に程よい明るさと暗さのある空間をつくり、光を演出してみてください。食事をしたり、本を読んだり。作業する場所をライトで照らし、そのほかは思いきってライトダウン。すると、部屋の中に心地よい奥行きが生まれてきます」

照明器具の購入時は、デザインだけでなく「光の質」に注目して

「部屋の照明を考えるとき、理想のデザインの照明器具を探すのと同じように心を配ってほしいのが、『光の質』(光のスペック)です。どんな名作照明も、放たれる光と空間のバランスが適切でなければ、心地よさは生まれません。まず覚えておきたいのが、『ケルビン(K)』と『アールエー(Ra)』。

現在の主流となってきたLEDには『ケルビン』という光の色(色温度)を表す単位があります。数値が低いほど赤みがかった温かみのある光になり、数値が高くなるにつれて白みがかった涼しい光へ。温かみのある2700K以下が、リラックスできる光の色としておすすめです。また『アールエー』は、物の色の見え方(演色性)の数値。100に近いと自然光に近く、90以上のものがおすすめです。購入時には必ず確認して」

光を楽しむことは、暮らしを楽しむこと。多様化したポータブルも味方に!

「実際に照明器具を購入する際にチェックしたいのは、まず、空間に対して適切な大きさのものかどうか。そして『ケルビン』などで知ることができる『光の色』(色温度)を揃えること。温かみのある光で統一すると、空間に一体感が生まれます。 

リビングで食事や仕事、勉強もするなどひとつの部屋を多目的に使う方には、調光機能付きの照明がおすすめです。過ごす時間によって光を変えることができると、ライフスタイルに緩急がつきます。またLED一体型の照明が増えてからデザインの自由度が増し、さまざまなフォルムのポータブルライトが生まれています。空間の仕上げに、ぜひ、取り入れてみてください」

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

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PHOTO :
神林 環、富野かりん、篠あゆみ
STYLIST :
中林友紀
EDIT&WRITING :
川村有布子、佐藤友貴絵(Precious)
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