【目次】

【「ジェラートの日」とは? 8月27日になった由来をわかりやすく解説】

■8月27日は「ジェラートの日」

「ジェラートの日」は、2014年に日本ジェラート協会が、ジェラートのおいしさや魅力を広め、ジェラートに親しんでもらうことを目的に制定し、一般社団法人日本記念日協会によって認定・登録された記念日です。

■日付の「由来」

「ジェラートの日」の日付は、映画『ローマの休日』の公開日に由来します。『ローマの休日』は1953(昭和28)年8月27日にニューヨークでワールドプレミアを迎えた​映画で、作中に登場するジェラートのシーンが印象的だったことから、この日が記念日に選ばれました。


【「ジェラートの日」と『ローマの休日』の関係は?】

■そもそも『ローマの休日』ってどんな映画?

『ローマの休日』は、オードリー・ヘプバーン扮するアン王女とグレゴリー・ペックによる新聞記者ジョー・ブラッドレーが、共に過ごしたローマでの1日を描いた映画です。1953(昭和28)年8月27日に公開されました。

王室の窮屈な暮らしに息苦しさを感じていたアン王女は、滞在先の大使館を抜け出し、ローマの街へ。自分の意思で初めて髪を切ったり、カフェへ行ったりと、これまで経験できなかった自由な時間を楽しみます。そのなかで登場するのが、スペイン広場の階段に座ってジェラートを食べる場面です。

■ジェラートを頬張る姿が名シーンに

スペイン広場でジェラートを食べるアン王女の姿は、『ローマの休日』を象徴する場面のひとつとして知られ、日本ジェラート協会も、「ジェラートの日」制定の根拠として、この印象的なシーンを挙げています。

王女であるアンが自らの身分を離れ、ひとりでローマの街を歩き、階段に腰掛けてジェラートを楽しむ姿。その無邪気な表情からは、束の間の開放感を満喫する喜びが伝わってきます。白いブラウスの第一ボタンを外して襟を立て、華奢なウエストを強調するかのようなサーキュラースカートが本当に可愛らしくて。クラスを感じさせるカジュアルスタイルのお手本のような存在でしたね! 映画を象徴するこの一場面が、今もジェラートの魅力を伝える印象的なシーンとして親しまれているのです。


【そもそも「ジェラート」とは? 意味や発祥、歴史を解説】

■そもそも「ジェラート」って?

ジェラートは、イタリアで発展した冷たいデザートです。日本では「イタリア風のアイスクリーム」として知られていますが、牛乳や生クリーム、砂糖、果物、ナッツなど、さまざまな素材を使ってつくられます。

その歴史をたどると、実はジェラートのような冷たい食べ物を楽しむ文化は、現在のイタリアだけに限られたものではありません。雪や氷で飲み物や食べ物を冷やす習慣は、古くから各地にありました。

■古代には雪や氷を使った冷たい食べ物が

日本ジェラート協会によると、ジェラートの歴史には古代ローマ時代に遡ります。古代ローマでは、山から運んだ雪や氷に、果汁や蜂蜜などを加えて楽しんだと伝えられています。ローマ皇帝ネロの時代にも、アルプスから運ばせた雪に果汁や蜂蜜などを加えた冷たい飲み物を楽しんだという逸話が残されています。当時は冷凍庫などありませんから、雪や氷そのものが貴重な存在。暑い季節に冷たいものを味わうことは、身分の高い人々のぜいたくでもありました。

ただし、こうした古代の氷雪菓子が、そのまま現在のジェラートにつながったと確定しているわけではありません。ジェラートの起源については、さまざまな説が伝えられています。

■「マルコ・ポーロが伝えた」という説も

ジェラートの歴史を語るうえでよく登場するのが、イタリアの商人であり旅行家のマルコ・ポーロです。中国を訪れたマルコ・ポーロが、乳を凍らせた菓子の製法をイタリアへ持ち帰り、ヨーロッパにアイスクリームが広まったという説です。しかし、この話を裏付ける確かな史料があるわけではありません。

■シチリアではアラブ文化の影響を受けて発展

ジェラートの歴史を考えるうえで重要なのが、地中海に浮かぶシチリア島です。シチリアは古くからさまざまな文化が交わる場所で、9~11世紀ごろにはアラブ文化の影響を強く受けていました。そしてこの時代に伝わったとされるのが、果汁などを使った冷たい飲み物「シャルバート」で、これがイタリアで「ソルベット」と呼ばれる氷菓へと発展したとも言われています。果物を使った冷たい菓子の文化は、現在のイタリアの冷菓文化にもつながりました。

■ルネサンス期には宮廷文化のなかで発展

16世紀になると、フィレンツェを中心とするルネサンス文化のなかで、氷菓はさらに発展していきます。1533年にフィレンツェの名門メディチ家出身のカトリーヌ・ド・メディチがフランス王アンリ2世に嫁いだ際には、菓子職人や料理人を伴ってフランスへ渡りました。婚礼の席ではフルーツやナッツなどを使ったシャーベットの素晴らしさがフランスの貴族を驚かせたとされています。

■現在のジェラートへと進化

このように、イタリアではさまざまな要素が重なりながら冷たい菓子が発展していきました。その後、冷却技術や製造技術の進歩、素材や製法の工夫によって、現在のようなジェラートへと発展。今ではイタリア各地のジェラテリアで日常的に楽しまれる、イタリアを代表する食文化のひとつになっています。


【ジェラートとアイスクリームの違いとは? 原材料や乳脂肪分、食感を比較】

■「ジェラート」と「アイスクリーム」の違いは?

日本では、「ジェラート」という名称そのものに法令上の独立した分類があるわけではありません。「乳及び乳製品の成分規格等に関する命令」では、「アイスクリーム類」は「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」の3種類に分類され、これとは別に「氷菓」があります。ジェラートも原材料や成分によって法令上の分類が決まり、日本アイスクリーム協会では、アイスミルクや氷菓に分類される例を挙げています。

種類別アイスクリーム(乳固形分15.0%以上 うち乳脂肪分8.0%以上)

乳固形分と乳脂肪分が最も多く含まれています。

種類別アイスミルク(乳固形分10.0%以上 うち乳脂肪分3.0%以上)

乳固形分と乳脂肪分はアイスクリームに比べて少なくなっていますが、牛乳と同じくらいの乳成分を含んでいます。植物油脂が使われることもあります。

種類別ラクトアイス(乳固形分3.0%以上)

乳固形分は種類別アイスミルクよりさらに少なく、植物油脂が使われることもあります。

種類別氷菓(上記以外のもの)

乳固形分はほとんどありません。果汁などを凍らせたアイスキャンディーやかき氷などがあります。

一般に、ジェラートは乳脂肪分を抑えたたものが多く、牛乳を主体にしたり、果物やナッツなど素材の風味を生かしたものが多いのが特徴です。

■ジェラートはなめらかな食感が魅力!

食感にも違いがあります。ジェラートはアイスクリームよりも温度をやや高めに保った状態で提供されることが多く、口に入れたときにやわらかく、なめらかな食感を楽しめます。また、製造時に空気を含ませる割合(オーバーラン)がアイスクリームより低い傾向があり、きめ細かく、密度のある食感になりやすいのも特徴です。一方でアイスクリームは乳脂肪分が高いものほど、乳製品由来のコクや濃厚さを感じやすくなります。

■素材の味が楽しめる

ジェラートは乳脂肪分を抑えたものが多いため、ミルクのコクを楽しむアイスクリームとはまた違った味わいがあります。果物なら果実そのものの酸味や香り、ナッツなら香ばしさなど、素材の個性を生かしたフレーバーを楽しみやすいのも魅力です。

ただし、「ジェラートは必ず低脂肪」「アイスクリームは必ず濃厚」と決めつけることはできません。使う原材料や製法によって味わいや食感は変わるので、表示や商品の特徴を見ながら選ぶとよいでしょう。


【本場イタリアではジェラートをどう楽しむ? 定番フレーバーや注文方法を紹介】

■街角の「ジェラテリア」で気軽に

イタリアでは、ジェラートは特別な日のデザートというより、街歩きの途中でも気軽に楽むことができる身近な存在です。ジェラート専門店は「ジェラテリア」と呼ばれ、店頭にはさまざまなフレーバーが並びます。ショーケースを眺めながら好きな味を選び、コーンやカップなどで注文するのが一般的。店によって注文方法やサイズ、選べるフレーバーの数など、さまざまなバリエーションがあります。

■定番はピスタチオやチョコレート、ミルク系

定番フレーバーのなかでも人気なのが、ナッツの香ばしさを楽しめる「ピスタチオ」。そのほか、チョコレート系の「チョッコラート」や、ミルクの風味を生かした「フィオル・ディ・ラッテ」なども代表的な味です。果物を使ったフレーバーも豊富で、季節の果実を使ったジェラートは、素材そのものの風味を楽しめるのが魅力。日本ではあまり見かけない味に挑戦してみるのも、本場ならではの楽しみ方です。

■コーンとカップ、どちらが正解?

ジェラートは、コーンとカップ、どちらでも楽しめますよ! あくまで好みの問題ですが、コーンの「ぼりぼり!」という音を楽しみながら食べるジェラートは格別ですね。複数のフレーバーを選べる場合は、味の組み合わせを考えるのも楽しみのひとつ。ミルク系と果物系、チョコレートとナッツ系など、異なる味を組み合わせると、それぞれの個性を比べながら味わえます。

■「少しずつ、いろいろ」がジェラートの楽しみ

複数のフレーバーを組み合わせると、素材による香りや口当たりの違いも楽しめますね。イタリアを訪れたら、店頭で気になったフレーバーを選び、その日の気分や季節に合わせて味わってみるのもおすすめです。


【「ジェラートの日」に知っておきたい豆知識】

■「ジェラート」の語源は?

「ジェラート[gelato]」は、イタリア語の[gelare(凍らせる)]に由来する言葉です。イタリア語では「凍った」という意味の形容詞としても使われ、名詞としては、牛乳や砂糖、果物などを使って凍らせた菓子類を指します。日本で親しまれている「ジェラート」という呼び名も、こうしたイタリア語からきています。

■映画の舞台・スペイン階段でジェラートを楽しめる?

『ローマの休日』でアン王女がジェラートを食べたスペイン階段では、映画の大ヒット後、映画のシーンをまねてジェラートを食べる観光客が続出し、その後も長く「観光客がスペイン階段でジェラートを食べる」というムーブメントが続きました。皆さんのなかにも、「私も食べた!」という方はいるのでは?

一方、観光客の増加などを背景に規制も強化されています。2012年にはローマ歴史地区で飲食を伴う滞留などを禁じる期限付きの市長命令が出されました。その後、ローマ市は2019年に新たな都市警察規則を制定し、同年7月8日に施行。現在は、歴史的・記念碑的な資産やそれに付属する階段に座ることや、飲食をしながら滞留することなどが禁止されています。映画の名シーンが、実際の観光地の過ごし方にまで影響を与えたという、ちょっと意外なエピソードですね。

■ジェラートは「できたて」がおすすめ!

ジェラートは、素材の風味やなめらかな口当たりを楽しむデザートです。イタリアでは、店内で製造したジェラートを提供する店も多く、[gelato artigianale(職人の手づくりジェラート)]や[produzione propria(自家製)]といった表示を見かけることも。ジェラートは、香りの立った「できたて」をいただくのが最高なのです。

■本場イタリアでは生クリームをのせて!

イタリアでは、ジェラートをそのまま食べるほか、上にパンナ(生クリーム)をのせて食べるのもポピュラーです。また、ヘーゼルナッツのジェラートを半球状にしたものにビターココアをまぶし、中に溶けたチョコレートを閉じ込めた「タルトゥーフォ」も人気なのだそう。

■カップ入りジェラートをおいしくいただくには…

おうちでカップ入りのジェラートをいただくなら、常温で少し置いておくと、さらに香りと味が引き立ち、美味しさが増します。食べる前にはスプーンでよく練ってから食べると、ジェラートのなめらかさがさらに際だって、美味しく食べられますよ!

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『ローマの休日』の名シーンから、その長い歴史、アイスクリームとの違い、そして本場イタリアでの楽しみ方まで。知れば知るほどジェラートの魅力は奥深いですね! 8月27日の「ジェラートの日」は、そんなジェラートの魅力を改めて再認識する絶好の機会です。お気に入りのフレーバーを選んで、ひんやり甘いひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:日本ジェラート協会(https://italiangelato-kyokai.com) /『デジタル大辞泉』(小学館) /一般社団法人日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp/) /容器とラッピングのコンシェルジュ「みんなが知らないジェラートの歴史」(https://www.pack-kimura.net/news/article046834/) /日本経済新聞「「ローマの休日」再現ダメ スペイン階段座ると罰金」(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48547300U9A810C1CR8000/) :