【目次】
- 「バーター」とは? ビジネスで使われる意味をわかりやすく解説
- 「バーター」の語源は? 英語[barter]の意味と日本での使われ方
- 「バーター取引」とは? ビジネスでの具体例と使い方
- 芸能界で使われる「バーター」とは? ビジネス用語との違い
- 「バーター」の使い方は? すぐに使えるビジネス例文
- 「バーター」の言い換え・類語は? 「交換条件」「物々交換」など
- 「バーター」を使う際の注意点|失礼にあたるケースも解説
【「バーター」とは? ビジネスで使われる意味をわかりやすく解説】
■「意味」
「バーター」とは、商品やサービスなどを別の商品やサービスなどと交換すること。典型的には現金を介さない物々交換を指しますが、ビジネスでは、相互に商品を融通したり、同等の取引を組み合わせたりするケースを「バーター取引」と呼ぶこともあります。
■ビジネスでの「使い方」
「バーター」は、日常的な物々交換だけでなく、企業間の取引など、ビジネスの場でも使われています。たとえば、商品やサービスを提供する代わりに、相手から別の商品やサービスの提供を受けるといったケースです。単純な売買とは異なり、商品やサービスなどを相互に提供し合う点が特徴です。
具体的な「バーター取引」については、あとで詳しく解説します。
【「バーター」の語源は? 英語[barter]の意味と日本での使われ方】
■英語[barter]に由来
英語の[barter]には、「物々交換する」「交易する」といった意味があります。カタカナ語の「バーター」と、ほぼ同じ意味合いですね。語源は中英語[bartren]から古フランス語[barater]などにさかのぼりますが、それより前の詳しい語源については確定していません。
■日本では昭和初期から使われていた
日本語の「バーター」は、少なくとも1932(昭和7)年には使われていました。その後も「煙草とバーターする」のように、物を交換する意味で使われた用例が確認できます。
1935(昭和10)年には「バーター・システム」という言葉が使われていました。同年の帝国議会会議録には、中南米との貿易をめぐって「バーター・システム」という表現が登場し、高橋是清大蔵大臣も「物々交換主義」と説明しています。
現在では、日常的な「物々交換」だけでなく、企業間の取引など、ビジネスの場でも使われる言葉として定着しています。
【「バーター取引」とは? ビジネスでの具体例と使い方】
■「バーター取引」とは?
「バーター取引」とは、商品やサービスなどを、現金による支払いではなく、別の商品やサービスと交換する取引のことです。企業同士が互いの商品やサービスを融通し合うことで、取引を成立させます。
■たとえば、石油業界では…
公正取引委員会の資料によると、石油元売会社の間では、どちらか一方が製油所や油槽所を持つ地域で、同量のガソリンを相互に融通する取引が行われています。たとえば、A社がB社の地域にある製油所からガソリンを調達する一方、B社もA社の地域にある製油所から同量のガソリンを調達するといったかたちです。
■「バーター取引」にはメリットが
上記で例に挙げた石油業界では、こうした「バーター取引」によって、遠隔地から商品を運ぶ手間やコストを抑えています。ほかにも広告業界などでは、広告枠の提供と商品・サービスを交換するなど、現金の代わりに互いが提供できるものを対価とする取引が行われています。このように、バーター取引は「何を交換するか」だけでなく、双方にとってどのようなメリットがあるかを考えて行われます。
【芸能界で使われる「バーター」とは? ビジネス用語との違い】
■芸能界における「バーター」は「抱き合わせ」
芸能界で使われる「バーター」とは、人気や知名度の高いタレントと、まだ知名度が高くないタレントを組み合わせて、番組やイベントなどに出演させることを指します。たとえば、人気タレントAの出演を依頼された際に、同じ芸能事務所に所属する、売り出し中のタレントも一緒に出演させてもらう、といったケースです。
■どうして「バーター」が「抱き合わせ」になった?
芸能界で使われる「バーター」の語源については、「束(たば)」を逆さに読んだものとする説がありますが、確証はありません。
【「バーター」の使い方は? すぐに使えるビジネス例文】
■1:「今回の広告枠は、商品の提供とのバーターで対応できないか、先方の担当者に相談してみます。少々お待ちください」
■2:「A社とはバーター取引の条件について、もう少し交渉する必要があります」
■3:「こちらのサービス提供と、先方の商品提供を組み合わせたバーター取引が可能か、検討してみましょう」
■4:「今回の取引は、現金での支払いではなく、バーターで、という条件でまとまりました」
■5:「その条件でのバーターでは、こちらの負担が大きすぎます。何卒、再検討をお願いいたします」
【「バーター」の言い換え・類語は? 「交換条件」「物々交換」など】
■「交換条件」
「交換条件」は、何かを引き受けたり承諾したりする代わりに、相手に提示する条件を意味します。「バーター」と近い意味で使えますが、商品やサービスそのものの交換に限らず、さまざまな条件のやり取りに使える表現です。
■「物々交換」
「物々交換」は、貨幣を介さずに物と物を直接交換すること。「バーター」の基本的な意味を、そのまま日本語で表した言葉です。
■「ギブアンドテイク」
「ギブアンドテイク」は、互いに何かを与えたり受け取ったりする関係を表します。「バーター」と似た意味で使われることがありますが、必ずしも商品やサービスを直接交換する場合に限られません。
このほか、状況によっては「相互取引」「交換取引」などと言い換えることもできます。
【「バーター」を使う際の注意点|失礼にあたるケースも解説】
■「打算的」と受け取られることも…
「バーター」は、ビジネスで使われる言葉として誤りではありません。ただし、相手によっては「何かをしてもらう代わりに、こちらも何かを要求する」という打算的な印象を与えることがあります。特に、初対面の相手や取引先など、まだ関係性ができていない場合は注意しましょう。
■一方的な「交換条件」にならないように
バーター取引では、双方が納得したうえで条件を決めることが大切です。相手の意思に反して別の商品・サービスの購入や取引を事実上強制するような条件設定は避ける必要があります。取引の態様によっては、独占禁止法上の「抱き合わせ販売等」などが問題となるケースもあります。
そのため、「バーターで」と簡単に伝えるのではなく、「双方にメリットのある条件として」「このような形での交換をご相談できないでしょうか」など、相手に配慮した表現を選ぶとよいでしょう。
■社内のルールや契約も確認する
企業間でバーター取引を行う場合は、担当者同士の口約束だけで進めず、社内の承認を得たうえで、交換する商品やサービス、条件などを明確にしておくことが大切です。また、現金のやり取りがないバーター取引でも、税務上は商品やサービスなどの価額を収入や対価として扱う場合があります。企業間で行う際には、経理・税務上の処理についても確認しておきましょう。
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バーター」は、商品やサービスを現金を介さずに交換するという、シンプルな仕組みを表す言葉です。ビジネスでは、互いの強みを生かして取引を成立させる方法として使われる一方、条件によっては相手に負担を感じさせることも。言葉の意味を正しく理解し、相手との関係性や状況に合わせて使いこなしたいですね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『現代用語の基礎知識』(自由国民社) /公正取引委員会事務総局「ガソリンの取引に関する調査報告書」 :

















