Tokyo art plan【芸術の秋、さあ、アートの刺激を求めてTOKYOの街へ】
私たちが愛する街・TOKYOには、今、多様なアートが溢れています。そこで提案したいのが「いざ、街へ出よう!」という芸術体感プランニング。名画鑑賞からギャラリーホッピングまで、知的刺激案を揃えました。
ナカムラクニオさん(美術家)が解説【この秋の展覧会を深掘り】“物語”を知れば理解が深まる西洋絵画の読み解き術を伝授
【オルセー美術館展】「印象派の殿堂」から珠玉の作品が一堂に!
ミレー《落穂拾い》、ファン・ゴッホ《星月夜》をはじめとするオルセー美術館の至宝が東京へ。ナカムラさんは「23年ぶりの来日となる《落穂拾い》はやっぱり楽しみ」と期待。
「長年、画家の足跡をたどる旅を続けていて、ゴッホやゴーガンのゆかりの地にも足を運びました。彼らが暮らし、描いた場所に立つと、『リアルにこういう風景があったんだ』とか、逆に『現実ではなくファンタジーの世界だったんだな』といった発見があって、画家や作品への理解が深まります」。
「日本で大人気のミレー。労働の尊さを描いているということで、日本人の心を打つのだと思います」とナカムラさん。「発表当時は、歴史画を描くようなサイズに貧しい農民を描いているとか、不平等を煽っているとかで、『けしからん!』と批判されたんですよ。そういう社会的背景も鑑賞の幅を広げます」
オルセー美術館のコレクションには、近代化が進んだ19世紀後半の都市生活が描かれた作品が数多くあります。「いまを生きる歓び」という展覧会タイトルが示すように、日々の暮らしにささやかな幸せを見つける人々の姿は、現代でも共感を呼びます。「素直に『きれい』と感じられる作品に癒やされる人も多いはず」
「ゴーガンは近代社会を嫌い、原始的な暮らしを求めてタヒチに…といわれていますが、実は当時のタヒチも島によっては近代化が進んでいたんです。実際に訪れて知りました」と苦笑するナカムラさん。「要するに彼は “パリで売れそうな絵” を描いた。でも逆にそのことに、僕はゴーガンの人間らしさを感じます」
西洋絵画、特に近代以前の作品は、絵そのものだけでなく、背後にあるストーリーを知ることで、ぐっとおもしろく観られるようになります」とナカムラさん。「そもそも、中世の絵画は基本的に宗教画で、観賞用に描かれたものではありません。だから宗教画を『わからない』『つまらない』と感じ、近代以降の人物画や風景画を『きれいで好き』だと思うのは、日本人にとっては自然なこと。西洋絵画は、近代以前は“読む”もの。近代以降は“観る”ものなんですよね」
そのことがよくわかるのが、この秋に開催されるふたつの展覧会。共にフランスの国立美術館で、古代から1848年までの作品を所蔵するルーヴル美術館と、それ以降1914年までの近代美術を専門とするオルセー美術館から、それぞれ名品が来日します。
「ルーヴル展のテーマが『ルネサンス』というのも、読み解きには最適です。ルネサンスは、キリスト教が広まる前の古代ギリシア・ローマの文化を復興し、人間の個性に価値を見出そうとした芸術運動で、その象徴ともいえる肖像芸術で絵画の世界に革命を起こしたのがレオナルド・ダ・ヴィンチでした。そこから時代が下って、印象派が登場する頃になると、描かれる対象も画家たちのアプローチも大きく変化していることがわかります。作品の背景やエピソードを知れば、鑑賞の楽しさが広がるはず」
<DATA>東京都美術館開館100周年記念 オルセー美術館所蔵 いまを生きる歓び
会期:11月14日〜2027年3月28日
開催場所:東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36)
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- EDIT&WRITING :
- 本庄真穂、剣持亜弥、喜多容子(Precious)

















