Tokyo art plan【芸術の秋、さあ、アートの刺激を求めてTOKYOの街へ】
私たちが愛する街・TOKYOには、今、多様なアートが溢れています。そこで提案したいのが「いざ、街へ出よう!」という芸術体感プランニング。名画鑑賞からギャラリーホッピングまで、4つの知的刺激案を揃えました。
ナカムラクニオさん(美術家)が解説【この秋の2大展覧会を深掘り】“物語”を知れば理解が深まる西洋絵画の読み解き術を伝授
【ルーヴル美術館展】ルネサンスを代表する巨匠の作品が来日します
わずか15点ほどしか現存していないレオナルドの真筆。そのうち、ルーヴル美術館は《モナ・リザ》を含む5点を所蔵しており、今回、日本初公開となる通称《美しきフェロニエール》が来日。ほかにもボッティチェリ、ティツィアーノ、デューラー、クラーナハ、エル・グレコなどの作品が並ぶ、贅沢な展覧会に。
ナカムラさんは、「世界で最も入場者数の多いルーヴル美術館で観るよりも、確実にゆっくり鑑賞できるはず」と期待します。「特に肖像画は興味深い。時代と地域での変遷に注目してみてください」
「《モナ・リザ》のプロトタイプといえる作品。横顔で描かれるのが一般的だった肖像画で、モデルを斜め前からとらえる『四分の三正面観』を採用。顔の立体感や奥行きが強調されて、“映える” のがわかります」。画面手前のバルコニー? のような縁にも注目してほしいとナカムラさん。「解けない謎を仕掛けられたよう」
宗教画に、古代彫刻の手法を反映した、ルネサンスならではの作品。ボッティチェリは聖母や天使たちの衣装の立体的なドレープを巧みに描写し、いきいきとした自然な立体感を表現することに成功しています。「描かれている要素は伝統的な宗教画と同じですが、表現はルネサンス的」。20代半ばの作品とは思えない名品。
版画芸術に技術革新が起こったのもルネサンスの特徴。木版画や銅版画が急速に進化し、ひとつのイメージが一気に広がっていきます。この《パリスの審判》も、ラファエロの原作に基づいて版画家のライモンディが制作した図像。「原作が失われたあとも、版画だけが時代を超えて多くの芸術家に影響を与えました」
◇ナカムラクニオさん(美術家)が解説『ルーヴル美術館展 ルネサンス』
西洋絵画、特に近代以前の作品は、絵そのものだけでなく、背後にあるストーリーを知ることで、ぐっとおもしろく観られるようになります」とナカムラさん。「そもそも、中世の絵画は基本的に宗教画で、観賞用に描かれたものではありません。だから宗教画を『わからない』『つまらない』と感じ、近代以降の人物画や風景画を『きれいで好き』だと思うのは、日本人にとっては自然なこと。西洋絵画は、近代以前は“読む”もの。近代以降は“観る”ものなんですよね」
そのことがよくわかるのが、この秋に開催されるふたつの展覧会。共にフランスの国立美術館で、古代から1848年までの作品を所蔵するルーヴル美術館と、それ以降1914年までの近代美術を専門とするオルセー美術館から、それぞれ名品が来日します。
「ルーヴル展のテーマが『ルネサンス』というのも、読み解きには最適です。ルネサンスは、キリスト教が広まる前の古代ギリシア・ローマの文化を復興し、人間の個性に価値を見出そうとした芸術運動で、その象徴ともいえる肖像芸術で絵画の世界に革命を起こしたのがレオナルド・ダ・ヴィンチでした。そこから時代が下って、印象派が登場する頃になると、描かれる対象も画家たちのアプローチも大きく変化していることがわかります。作品の背景やエピソードを知れば、鑑賞の楽しさが広がるはず」
<DATA>『ルーヴル美術館展 ルネサンス』
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会期/〜12月13日(日)まで開催中
開催場所/国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2)
問い合わせ先
- EDIT&WRITING :
- 本庄真穂、剣持亜弥、喜多容子(Precious)

















