東京・竹芝の複合施設「WATERS takeshiba」に建つモダンラグジュアリーホテル「メズム東京、オートグラフ コレクション」(以下、メズム東京)。“TOKYO WAVES”をコンセプトに、東京ベイエリアの眺望とアートや音楽が織りなす空間で、訪れるたびに新しい発見のある滞在を提供しています。

そのメズム東京が、現代舞台芸術のための日本唯一の国立劇場である新国立劇場と手を組み、2027年1月31日(日)まで、16階のフレンチダイニング「シェフズ・シアター」でコラボレーションディナープログラムを提供しています。

テーマとなるのは、2026年12月から新国立劇場バレエ団が上演するバレエ『くるみ割り人形』。物語を彩る5つの場面を、アミューズからデセールまでの全5皿に落とし込んだコースです。

今回は公演で主役を務める新国立劇場バレエ団の小野絢子さん、水井駿介さんも登場した、メディア向けの試食会に参加。この日は特別にノンアルコールのペアリングも提供され、料理とドリンクの重なりから生まれる表現も味わうことができました。

舞台を何倍も楽しめるディナーコースの詳細をご紹介します。

5つの場面転換を、5皿のコースに。新国立劇場バレエ『くるみ割り人形』コラボレーションディナープログラム

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「バレエ『くるみ割り人形』ディナープログラム」1名 ¥15,800 ※2026年12月24日(木)〜12月26日(土)はフェスティブ期間として特別な食材を使用したコースのみ 1名 ¥26,000(いずれも税・サービス料込み)

メズム東京と新国立劇場のコラボレーションは、今回で3回目。2024年のオペラ『魔笛』、2025年のバレエ『シンデレラ』に続く第3弾として選ばれたのが、世界中で愛され続ける冬の名作『くるみ割り人形』です。

クリスマス・イヴの華やかなパーティー、くるみ割り人形とねずみたちの戦い、きらめく雪の国、そして色とりどりのお菓子に囲まれたお菓子の国。作品には印象的な場面転換が5つあり、それに合わせてアミューズブッシュからデセールまでの5皿で構成されています。“シェフの劇場”を意味するレストラン名のとおり、一皿ごとに舞台の幕が開いていくような流れです。

料理には、カラフルな衣装やクリスマスツリー、雪の結晶、お菓子の国、そしてくるみ割り人形そのものといったモチーフが散りばめられています。今回の試食会では、これに加えて特別にノンアルコールのペアリングが用意され、料理単体ではなく、副材料とドリンクまで含めた組み合わせで世界観を表現する設計になっていました。

ツリーのオーナメントのようにきらめく【アミューズブッシュ】「夢の幕開け」

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【アミューズブッシュ】テーマ:夢の幕開け

コースは、「夢の幕開け」というタイトルのアミューズブッシュからスタート。レバーパテ、ほおずきと生ハムのブッシェ、鮪のレムラードソース、馬肉のタルティーヌ、真鯛のマリネの5種を、一口サイズに仕立てた一皿です。

プレートに小松菜のパウダーを散らしてツリーの緑を表し、クリスマスツリーを彩るオーナメントのように盛り付けられています。

鮪に合わせたのは、わさび風味のレムラードソース。球体に仕立てられており、ひと口でいただくのがおすすめだそう。真鯛のマリネには、昆布出汁で作った寒天のシートを纏わせ、旨みを引き立てています。大根のマリネは、薄く切ったものをくるくると巻き、酢などの液体に漬け込んで仕上げたもの。生ハムとメロンの組み合わせから着想を得たほおずきと生ハムのブッシェには、マリーゴールドの花があしらわれています。

シェフおすすめの食べ方は、下から上へと順に。進むにつれて少しずつ味が濃くなり、これから幕を開ける物語へと誘われます。

赤と白、そして紫が交差する【前菜】「海老のタルタル カリフラワームースと紫野菜の菜園仕立て」

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【前菜】海老のタルタル カリフラワームースと紫野菜の菜園仕立て

おもちゃの兵隊と、ねずみの女王率いる軍団が真夜中に激しくぶつかり合う場面を、一枚のプレートに表現した前菜「海老のタルタル カリフラワームースと紫野菜の菜園仕立て」。赤と白の色彩でおもちゃの兵隊を、紫の野菜でねずみの女王とその軍団をイメージしています。

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スモークに隠れた状態で登場
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スモークが晴れると、戦闘シーンを描いた一皿が登場するという演出に気持ちが盛り上がります

主役となるのは、生の車海老を細かく刻んだタルタル。これをカリフラワーのムースの上に重ね、トップには赤いビーツのチュイルを添えました。料理に酸味を加えるため、このチュイルの下にはクリアトマトのゼリーが仕込まれています。トマトの透明な水分だけを取り出したもので、割って崩すとソース代わりになるという仕掛けです。

紫野菜はサラダ仕立てに。大根をラビオリのように巻き、中にフロマージュブランとエシャロットを包んでいます。下にはアンチョビと豚肉のペーストを少しだけ敷き、味に奥行きを持たせていました。

この料理に合わせて登場したノンアルコールカクテルは、ラ・フランスを効かせた一杯。アクセントとして山椒をひと粒ほどつぶして加えています。山椒の香り自体は前に出すぎず、料理に寄り添う程度。最後にごくわずかな塩をひと振り加えることで、甘みに偏りがちな味わい全体のバランスが整えられていました。

白で描く幻想の雪景色【メイン(魚料理)】「鮮魚のソテー百合根添えクリュスタッセソース」

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【メイン(魚料理)】鮮魚のソテー百合根添えクリュスタッセソース

ひとつめのメイン料理は、「鮮魚のソテー百合根添えクリュスタッセソース」。幻想的な「雪の国」の場面を、白を基調に表現した一皿です。登場した瞬間、あまりのかわいらしさに声があがったほど。

白身魚は、塩と出汁を含ませた液体に時間をかけて漬け込み、下味と旨みを同時に入れたそう。薄く切った食パンを敷き、バターとともにフライパンで焼き上げることで、香ばしさと食感を添えています。

上に重ねられているのは、百合根のピューレとじゃがいもを合わせたブランダード風の一品。さらに白く仕上げるため、ベルモットを使った白い泡状のソースをのせています。付け合わせには、白人参と根セロリを丸くくりぬいたものを添えて。

ひとつひとつ丁寧に、米をベースにしたペーストを型で抜いて焼いたという雪の結晶が、静かに広がる雪景色を演出します。

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魚介の旨みが詰まったソース

合わせるのは、海老の旨みを凝縮したソース。本来はオレンジ色に仕上がるソースですが、雪の場面を表現するためにあえて白く仕立てられています。非常に濃厚で、魚介の旨みが一気に広がる味わいです。

また、青色の表現には自然由来の色素が使われています。子どもも口にする料理だからこそ、着色料ではなく食べられる素材で色を出すことにこだわったのだそう。

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料理にあわせたノンアルコールカクテル

魚料理に合わせていただいたノンアルコールカクテルは、白ぶどうのジュースがベース。ワインにも使われる品種の白ぶどうを搾ったジュースに、スパイスを濃いめに煮出したものを合わせています。ジュース単体では味が軽くなりすぎてしまうため、スパイスで厚みを加えたのだそう。お魚料理との相性は言うまでもなく抜群でした。

ポップコーンも登場する遊び心あふれる一品!【メイン(肉料理)】「鴨のロースト季節野菜と赤ワインソース」

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【メイン(肉料理)】鴨のロースト季節野菜と赤ワインソース

華やかな「お菓子の国」の祝宴をイメージしたのが、「鴨のロースト季節野菜と赤ワインソース」。香ばしく焼き上げた鴨に、コク深いフォンドヴォーと赤ワインのソースを合わせ、茸のソテーやブラックベリー、ビーツとその泡を彩り豊かに添えています。

目を引くのは、キャンディーケーン(杖の形をしたハードキャンディー)に見立てた飾り。砂糖菓子のままでは料理に合わないということで、甘さをかなり控えめにしており、サクサクの食感も印象的。裏にはきのこが隠れています。じゃがいもを薄く巻き上げて揚げた、クロワッサンを思わせるパーツも。

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フォンドヴォーと赤ワインのソースが鴨肉にぴったり

そして、舞台の要素をそのまま取り込んだのがポップコーンです。今回の、英国の振付家ウィル・タケット氏による新国立劇場オリジナル版では、1幕のパーティーシーンに登場するお菓子が2幕にも再び現れる構成になっており、ポップコーンもそのひとつ。フレンチのコースでポップコーンをフォークで口に運ぶ体験は、なかなかありません。

ステージを象徴するような演出の連続に、小野さん、水井さんも感嘆の声を上げ続けていました。

肉料理に合わせていただいたノンアルコールカクテルは、ピノ・ノワールのような繊細な味わいをイメージした一杯。渋みの少ない品種のぶどうジュースをベースに、前の皿でも使用した赤みのあるジュースを少し混ぜ、色と厚みを調整しています。ソースがやや甘めに仕上がっているため、スパイスを効かせて全体を引き締めました。

帽子まで食べられる!【デセール】「キャラメルと胡桃のムース マンゴーとパッションフルーツのジュレ」

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【デセール】キャラメルと胡桃のムース マンゴーとパッションフルーツのジュレ

コースの締めくくりは、物語の主人公「くるみ割り人形」を繊細にかたどったデザートです。赤い部分はキャラメルと胡桃のムース、黄色の部分はマンゴーのムースで、中にはパッションフルーツのジュレが閉じ込められています。土台にはサクッとしたシュクレ生地を重ね、周囲にはハーブとナパージュの鮮やかなグリーンソースを。ほのかにお酒を効かせたシャンティを添え、甘さのなかにも爽やかな余韻が残ります。

驚かされるのが、頭にのった帽子までチョコレートで作られており、そのまま食べられます。中にはくるみがはいっており、食感も印象的。ナイフを入れるのがためらわれるほどの愛らしいスイーツで、コースを締めくくりました。

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試食会に登場した小野絢子さんと水井駿介さん

自らが主演を務める一連のコースを味わった小野さんと水井さんは、料理について「パッとどのシーンかを連想できる」「色味でつながっている」と表現。「料理を先に体験してから公演を見る、あるいは公演のあとに料理を楽しむことで、両方の世界観がつながってくれたら」と語っていました。

舞台を見る前に味わって、世界観を視覚で再確認しても、舞台を観たあとに衣装や場面を思い出しながら味わっても、どちらでも楽しさが増すコース料理でした。

巨大なツリーとマジックも見どころ。新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』

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新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』(c)Takashi Shikama

ディナープログラムのテーマとなっている『くるみ割り人形』は、2026年12月18日(金)から2027年1月3日(日)まで、新国立劇場 オペラパレスで全18公演が上演されます。

演出は昨年制作されたばかりの新しいバージョンで、今回が再演にあたります。『くるみ割り人形』には、主人公のクララが金平糖の精になる版や、クララを子役が演じる版などさまざまな演出がありますが、今回はクララがそのまま物語を追い、最後に王子と踊る設定。一幕のパーティーシーンに登場したお菓子が二幕にも現れるなど、個性の際立つ構成になっているといいます。

衣装はピンクや紫、水色を用いたカラフルなもの。舞台機構を活かして巨大なクリスマスツリーがせり上がる場面もあり、劇場ならではのスケールが味わえます。さらに、ドロッセルマイヤーが披露するマジックも見どころのひとつ。稽古には専門の指導者を招き、繰り返し練習を重ねているそうです。

「今回の演出は、バレエを知らない方でもすごく見やすいと思います。衣装がかわいいとか、演出が動いているとか、子どもたちが喜ぶような要素もたくさんあるので」と水井さん。大人だけでなく、ファミリーでも楽しめる作品に仕上がっているようです。

また、女性ダンサーによる群舞、コールドバレエも注目のポイント。今回の版はとくに走る動きが多く、決められた位置へ正確に入りながら、交差するフォーメーションを揃えていく難しさがあるといいます。2階席や3階席から俯瞰すると、また違った印象で楽しめるとのことでした。ぜひ、コース料理と合わせて、こちらの舞台もチェックしてみてくださいね。


一皿ごとに場面が切り替わるコースは、公演の前に訪れても、観劇の余韻に浸りながら味わっても楽しめる構成です。記念日の食事や、年末年始に大切な人と過ごすひとときにもぴったり。舞台と食卓、ふたつの劇場で『くるみ割り人形』の世界を味わってみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • メズム東京、オートグラフ コレクション
  • バレエ『くるみ割り人形』ディナープログラム
    提供期間/〜2027年1月31日(日)
  • 提供場所/メズム東京 16階 フレンチダイニング「シェフズ・シアター」
  • 提供時間/17:00〜22:00(L.O.20:30)
     
  • TEL:03-5777-1112
  • 住所/東京都港区海岸1-10-30
  • 新国立劇場
  • 新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』
  • 公演日程/2026年12月18日(金)〜2027年1月3日(日)※全18回公演
  • 会場/新国立劇場 オペラパレス
  • 予定上演時間/約2時間10分(休憩含む)
  • TEL : 03-5351-3011(代表)
  • 住所/東京都渋谷区本町1-1-1

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WRITING :
ミノシマタカコ
EDIT :
小林麻美