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【「マーガリンの日」は誰が制定?10月24日にまつわる由来】

マーガリンやショートニング、ラードなどのいわゆる「食用加工油脂」を製造・販売する会社が集まり活動している団体、日本マーガリン工業会が2015(平成27)年に制定し、日本記念日協会に認定されたのが10月24日の「マーガリンの日」です。

■日付の由来

マーガリンの生みの親であるフランスの化学者、イポリット・メージュ=ムーリエ(Hippolyte Mège-Mouriès)の誕生日(1817年10月24日)にちなみます。

■目的

  • マーガリン特有のソフトな食感や風味、そして舌触りのよさとおいしさをより多くの人に知ってもらうために制定されました。これは食用加工油脂としてのマーガリンの役割や歴史、手軽さや用途の広さを認識してもらい、食卓や調理に活用してもらうという目的もあります。


【バターの代用品として誕生したマーガリン、その歴史と名前の由来】

■ナポレオン3世の呼びかけで誕生

日本マーガリン工業会によると、マーガリンは、プロシア(ドイツの原型)との普仏戦争によってバターが不足していた1869年のフランスで誕生しました。フランス料理にバターは欠かせないため、ナポレオン3世が懸賞金を出して「日持ちがする、軍隊や庶民向けに適したバターの代用品」のアイデアを募集。これに応えたのが科学者ムーリエです。バターの類似食品(代用品)として開発されたのがマーガリンというわけです。

ちなみに…懸賞金の金額は公表されていないようですが、ムーリエはこの発明の特許権をフランスとイギリスで取得。また、政府公認の製造権が得られたことや、工場を建設する際に政府の支援が受けられたことなどが彼の大きな実利となりました。

■「マーガリン」という名称の由来

語源はギリシア語のマーガライト[margarite](真珠)。製造途中にできる脂の粒子が、真珠のように見えたことから名づけられたとされています。

■日本製マーガリン

1908(明治41)年、山口八十八商店を営む山口八十八が、横浜に「帝国社食品工場」を開設し、「人造バター」と呼ばれたマーガリンを製造・販売しました。 戦後は食生活の洋風化とともに普及が進み、1955(昭和30)年には月島食品工業がソフトタイプの「ソフトマーガリン」を発売。1968(昭和43)年には雪印乳業が「ネオソフト」を発売するなど、パンに塗りやすい製品も広がっていきました。


【マーガリンとバターは何が違う?原料と特徴を比較】

■マーガリンの基礎知識

マーガリンとは、精製した油脂に粉乳や発酵乳、食塩、ビタミン類などを加えて乳化させ、練り合わせた加工食品です。

使用する食用油脂には、植物脂(やし油)、植物油(大豆油、綿実油、コーン油、紅花油、菜種油の精製油または硬化油)、動物油脂(牛脂、豚脂、硬化した魚油や鯨油)などがあり、詳しくはパッケージ原料で確認できます。そして、どの油脂を使用するかによって風味や栄養素が異なります。

■バターの基礎知識

牛乳の脂肪分(クリーム)を練り上げたものがバターです。

食塩添加の有無により加塩バター(有塩バター)と無塩バターに分けられます。無塩バターは、おもに製菓や製パン、減塩食などに用いられます。家庭で使われるバターには加塩タイプが多く、添加する食塩量は1.5%前後。食塩には風味を整え、保存性を高めるはたらきがあります。

■マーガリンとバターの違い

とても似ているマーガリンとバターですが、実はさまざまな違いがあります。まず原料。バターの主原料は牛乳ですが、商品表示上、マーガリンの主原料は植物性・動物性の油脂80%以上のもの。バターと比べて次のような特徴をもちます。

・原料油脂の配合によって異なる融点の製品ができる:冷蔵庫で冷やしても硬くなりにくく、パンなどに塗りやすい低融点の製品や、逆に暑い夏季用の融点の高い製品など、バターより使い勝手がいいのが特徴です。

・栄養上優れた製品がつくれる:植物油を用いた製品のなかにはコレステロールを含まないものがあり、配合により、必須脂肪酸であるリノール酸も多くできます。

・バターより安価

最近では双方のいいところを合わせた商品なども販売されています。

■冷凍保存できる?マーガリンとバターの保存方法

・マーガリン

植物性油脂と水分を乳化させてつくられているため、温度変化や衝撃に敏感です。容器内側の紙シート(フィルム)は表面の乾燥や酸化を防ぐ役割があるので、捨てずにそのまま表面に被せておくことを推奨しているメーカーが主流です(※)。蓋をしっかり閉めて冷蔵庫保存がマストですが、冷凍保存はおすすめできません。 油分と水分が分離してしまい、解凍しても元のなめらかな状態には戻らず、水っぽくなったりボソボソになってしまいます。冷蔵庫内の冷気吹き出し口近くに置くと、冷えすぎて冷凍保存に似た状態になることがあるので気を付けて。

※日本マーガリン工業会は紙シートについて、つけたままでも、取り除いてもよいとしています

・バター

乳脂肪分が80%以上と高く、光や空気によって酸化しやすく、周囲の匂いを吸着しやすい性質を持っています。購入時に銀紙(アルミ紙)に包まれているのは、光や空気を遮断するため。使用後は銀紙やラップフィルムでしっかり包み直し、さらに密閉容器やジッパー付き保存袋に入れ、におい移りや表面の酸化(変色)を防ぎましょう。使うたびにナイフを入れると空気に触れる面が増えるため、購入直後に10g程度の使いやすい大きさに切り分け、ケースやラップで密閉しておくと便利です。200gのバター(箱型)を、一気に約5gずつに切り分けて保存できる容器があるので利用してみては? もちろん冷蔵庫保存はマストです!

長期保存するなら冷凍室へ。使用する際には使用する分だけ前日に冷蔵庫へ移して自然解凍するか、加熱調理なら凍ったまま使用してもOKです。

マーガリンもバターも、パン屑や水分はカビや傷みの原因に。使用するバターナイフなどは常に清潔で乾いたものを使いましょう。

■製菓・製パンでマーガリンを使うときの注意点

お菓子やパンをつくる場合、バターをマーガリンに置き換えることもできます。小麦粉や卵などほかの材料と混ぜ合わせるときに、やわらかいマーガリンのほうが混ぜやすく、空気が含みやすいので軽い生地に仕上がる傾向が。種類によっては、その風合い・食感を活かしたものをつくれるというわけです。

ただし一般のマーガリンには塩分が含まれているのでご注意を。食塩不使用の製菓用マーガリンもありますよ。


【パッケージの「ファットスプレッド」とは?食品表示からわかる違い】

食品表示法に基づく表示基準の「マーガリン類」の定義には、「マーガリン」と「ファットスプレッド」があります。「ファットスプレッドって何?」と思った人も多いのでは?

■ファットスプレッドとは

マーガリンよりさらに油分が少ないのがファットスプレッド。油脂含有率が80%以上のものがマーガリン、80%未満がファットスプレッドと呼ばれます。パッケージに「マーガリン」「ファットスプレッド」のいずれかの表記がされています。

水分の割合が多いためカロリーが抑えめで柔らかく、パンなどに塗りやすいのが特長です。またファットスプレッドには風味原料と呼ばれる果実、果実加工品、チョコレートなどを添加することが許可されているので、味のバリエーションを楽しむことができます。

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さまざまな食品が高騰するなか、マーガリンの値上がりも例外ではありません。原料となるやし油や大豆油、菜種油などの国際価格や輸送費が上昇しているのもひとつの要因。それでもバターの値上がりに比べれば…といったところでしょうか。バターに比べて価格が安い、という点だけでなく、使い勝手やフレーバーのバリエーションなどの魅力にも目を向けてみて。「安いから」より、「おいしいから」「使いやすいから」で選ぶほうがハッピーですよね! 

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『世界大百科事典』(平凡社)/『デジタル大辞泉プラス』(小学館)/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/日本マーガリン工業会( https://j-margarine.com/ )/日経食糧新聞( https://news.nissyoku.co.jp/ ) :