世界中から選りすぐったミュージシャンの熱いライヴが夜ごとに繰り広げられているブルーノート東京。そのスケジュールに「シェウン・クティ&エジプト80」の名前が挙がったとき、驚き、胸躍らせた人は多いだろう。
シェウン・クティは、現代アフロビートの最高峰と呼ばれるアーティスト。彼のブルーノート東京初登場が、なぜ、そんなに貴重なのか? アフロビートには馴染みが薄いという人たちに、そのわけを伝えるとしよう。
現代最高のアフロビート「シェウン・クティ&エジプト80」
ナイジェリアの伝説的カリスマ、フェラ・クティ真の後継者シェウン・クティ
シェウン・クティの父は、世界の音楽史に大きな軌跡を残したナイジェリアの音楽家フェラ・クティ。1960年代末に、伝統的なアフリカ音楽にジャズやファンク、ロックなどを融合させた独自のビート「アフロビート」を生み出したのが、彼なのだ。ナイジェリアの下層階級のために闘う活動家でもあったフェラは、軍事政権に反抗する内容の歌詞を書き、アフロビートをレベル・ミュージックとしても成熟させる。こうした活動が、ヨーロッパやアメリカ、そして、日本にも徐々に浸透。’70年代には、ジャマイカのボブ・マーリーと並んで、その後の音楽シーンに大きな影響を与えるカリスマ的な存在となった。
最新アルバム『BLACK TIMES』
偉大なる父フェラ・クティは1997年に亡くなるが、 彼が生み出したアフロビートは、’82年にナイジェリアに生まれたフェラ一族の末っ子であるシェウン・クティに引き継がれた。フェラのバックを務めてきたバンド、エジプト80を14歳の若さで受け継いだシェウンは、2008年に『many things』でアルバム・デビュー。2011年にはブライアン・イーノのプロデュースによる『怒りのアフリカより:RISE』をリリースし、世界的ブレイクを果たす。’14年発表の3枚目のアルバム『ロング・ウェイ・トゥ・ザ・ビギニング~始まりへの長い道のり』では、新世紀ジャズの異端児にして最重要人物といわれるロバート・グラスパーをプロデューサーに迎え、大きな注目を集めた。さらに今年3月に発表された最新作『BLACK TIMES』では、前作を凌ぐ、より進化した強力なグルーブが炸裂。ラテン・ロックの王者カルロス・サンタナをゲストに迎えたことも大きな話題となっている。
こうして現代アフロビートの頂点を更新し続けるシェウン・クティが、エジプト80を率いて、7月31日から3夜連続でブルーノート東京に初登場。これまでフジロックや朝霧JAMなどの夏フェスでオーディエンスを大いに盛り上げてきたが、総勢14名の大編成のアフロビートを、驚くほどの至近距離で体感できるのだ。こんな機会は、めったにあるものではない。東京のど真ん中でアフロビートの洗礼を受ける真夏の夜。逃す手はない。
■スケジュール
2018年7月31日(火)、8月1日(水)、2日(木)
時間、料金などの詳細はこちら
■会場
ブルーノート東京
住所:東京都港区南青山6-3-16
■ご予約/お問合せ
- ブルーノート東京 TEL:03-5485-0088
- TEXT :
- 堀 けいこ ライター