デニムパンツの歴史を紐解けば、1870年代までさかのぼる。一攫千金を夢見た男たちの時代、ゴールドラッシュや炭鉱が栄えた時代だ。劣悪な労働環境の中でも破れることなく、動きやすいもの。当時の男たちにとってリーバイス®は、まさに理想のワークパンツだったといえるだろう。今でこそ、世界中から支持されているデニムパンツだが、デニムを穿く者としてやはりその原点ともいえるモデル「501®」は必ず抑えるのが義務だろう。一人の男のアイディアが100年後のファッションを予見出来たかは疑問だが、ファッションに大きな革命を起こしたのは紛れもない事実だ。
デニムと言えばリーバイス®「501®」!
ブランドの原点、リーバイス® ビンテージ クロージング「501®」
品番統制を導入することにより、ロットナンバーとして「501®」という数字が初めてデニムに付けられたのが1890年のこと。連綿と語り継がれる「501®」が初めて生まれた瞬間だ。こちらは当時のデニムを再現しており、ワイドなストレートシルエット、9オンス(オンス=1平方ヤードの生地の重さ)のデニム生地を採用。見た目より軽く、履きやすいシルエットだ。洗いがかかっていないので、自分で履き込んで育てるのも楽しみのひとつだ。
1890年代のデニムはベルトレス!?
現代のパンツにはなじみの薄いシンチバック
2通りの穿き方が楽しめる1933年の「501®」
サスペンダーボタンはそのまま残された状態で、ベルトループが装着されており、どちらのスタイルでも穿くことが可能となった。シルエット自体はさほど変わらず、ワイドシルエットのままだ。コーンミルズ社のセルビッジデニム生地を使用。こちらも洗いがかかっていないので、自身で穿いて自分好みに育てたい。
アメリカ低迷期でもリーバイス®の地位は確立されていた!
レザーパッチの下にある白い布地のラベルには、青い鷲とNRAの文字がプリントされているが、これは全国産業復興法のロゴに使用されていたものである。1930年代のアメリカと言えば、大恐慌で荒んだ時代の真っ只中。労働者の権利を保障するために政府が掲げた政策のひとつであり、政府の規則に従っていたことからロゴの使用許可を受けていた。この政策はすぐに廃案となってしまったが、当時の優良企業の証ともいえるものだ。
以上、リーバイス® ビンテージ クロージングの「501®」を紹介した。デニムの原点を知らずしてデニムコーデはできないだろう。まずはオックスフォードのボタンダウンシャツにタイドアップして履きこなすのが正解である。ブランドを象徴する復刻モデルやシーズンごとに新しく出るモデルもすべて抑えておきたいが、やはりここで紹介したデニムパンツの祖「501®」を抑えるのが一番である。デニムマニア、ファッションマニアなどすべての人を満足させることができるのがリーバイス®の魅力だ。
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- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
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- PHOTO :
- 島本一男
- STYLIST :
- 河又雅俊
- EDIT&WRITING :
- 河又雅俊