憧れの名店としてたびたびその名があげられるのが「銀座 久兵衛」だ。まず、異論を唱える人はほとんどいないだろう。 昭和10年、初代・今田壽治(ひさじ)が24歳で開いたこの店は、数多くの有名人や賓客が贔屓にしていたことでも有名だ。
一流の寿司屋はここが違う!
魯山人作の器がゆかりの深さを物語る
陶芸家、書家であり、名だたる食通でもあった北大路魯山人もそのひとり。彼は著書の中でこの店に通う理由を、初代の腕や人間的魅力によるものだと記している。ウニやイクラの軍艦巻きを初めて手がけ、名人と称された初代の技を受け継いだ2代目の今田洋輔さんは、現代の志向に合わせた店を平成5年にオープン。姿は新しくなったが、味に対しては何ひとつ変わりがない。
老舗ならではの店づくり
玉子焼きやガリなどはすべて手づくりし、シャリはご飯の甘さを生かして砂糖を用いない。初代の技を継承した寿司は、食材選びはもとより、計算されつくしたネタとシャリのバランスに特徴がある。多くの人が抱く高級店や有名店というイメージがあるが、ここは肩肘張らずにくつろげる。 また、昼食時はこの寿司が夜より気軽にいただけるとあって、予約もままならないほど。魯山人を感心させた寿司屋は、実は常連、一見の区別はなく、だれもが楽しめる店なのだ。
アクセス/地下鉄「新橋」駅より徒歩3分
TEL:03-3571-6523
営業時間:11時30分~14時、 17時~22時
定休日:日曜・祝日休
http://www.kyubey.jp/
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2009年春夏号、文士が愛した寿司屋と蕎麦屋
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- PHOTO :
- 小西康夫