余らせて味が落ちてしまったパンを、おいしくいただくには? レシピ開発や飲食店プロデュースなど食に携わる幅広い分野で活躍するフードコーディネーターのよしもとこゆきさんに、食べきれず余ってしまった「昨日のパン」を生まれ変わらせるレシピを教えていただきました。


カリッと焼けたバゲット、フワフワの食パン――焼き立てのパンのおいしさは格別ですが、食べきれずに持て余してしまったことはないでしょうか。乾いてカチカチになった「昨日のパン」は、せっかくのおいしさが半減してしまいます。

ところが、パン文化の欧米には、余ったパンをおいしく食べるための料理がたくさん存在します。ほんのひと手間で、乾いたパンもごちそうに。「昨日のパン」を上手に使って、おいしい一皿に変身させてみませんか?

今回ご紹介するレシピは、アメリカ生まれの「ベーコンとチーズのストラータ」。

ストラータとは、「層」という意味。パンや卵、チーズなどを層にして焼いたアメリカではおなじみのオーブン料理です。

豪勢な見た目とは裏腹に、つくり方はとっても簡単。ボリュームもあるので、休日のブランチにぴったりです。具材を混ぜてオーブンに入れるだけで、昨日のパンがごちそうに生まれ変わります。

「ベーコンとチーズのストラータ」におすすめのパンは?

固くなってしまった「昨日のパン」をおいしく生まれ変わらせよう

固くなってしまった「昨日のパン」をおいしく生まれ変わらせよう

ベーコンとチーズのストラータには、食パンやバゲットなど甘さのついていない食事パンがおすすめです。特にバゲットやバタール、カンパーニュなどのクラスト(皮)がしっかりと厚いパンを使うと、もっちりとした歯ごたえが楽しめます。

それでは早速、「昨日のパン」でベーコンとチーズのストラータをつくってみましょう。

「ベーコンとチーズのストラータ」のつくり方

【材料】2名分・所要時間:40分

ベーコンとチーズのストラータの材料
ベーコンとチーズのストラータの材料

・パン(バゲット、カンパーニュなどの食事パン)=半分(250g程度)
・卵=2個
・牛乳=200ml
・ベーコン=100g
・マッシュルーム=5個
・ピザ用チーズ=60g
・パルメザンチーズ=30g
・バター=10g
・塩=ふたつまみ
・こしょう=少々

【準備】

・オーブンは180度に予熱しておく。
・ベーコンは短冊切り、マッシュルームは薄切りにしておく。

【手順】

(1)パンを大きめのひと口大に切る。

適度な歯ごたえが残るよう、パンは大きめのひと口大に切る
適度な歯ごたえが残るよう、パンは大きめのひと口大に切る

(2)ボウルに卵を割り入れ、牛乳、パルメザンチーズ、塩、こしょうを加えてよく混ぜる。(1)を加えて全体をざっくりと混ぜ、10分ほど置いて卵液をパンに染み込ませる。

卵液をパンに染み込ませておく
卵液をパンに染み込ませておく

(3)(2)を染み込ませている間に具材を炒める。フライパンにバターを入れて中火で熱し、ベーコンを加えて炒める。焼き色がついたらマッシュルームを加えてさっと炒め、(2)に移してざっくりと混ぜる。

ベーコンとマッシュルームを炒め、(2)と合わせる
ベーコンとマッシュルームを炒め、(2)と合わせる

(4)バター(分量外)を塗った耐熱容器にボウルの中身を移し、ピザ用チーズをまんべんなくのせる。

耐熱容器に盛り、ピザ用チーズをのせる
耐熱容器に盛り、ピザ用チーズをのせる

(5)180度のオーブンで25分焼き、パンの表面にカリッと焼き色がついたらできあがり。

焼き色がついたらできあがり
焼き色がついたらできあがり

「固くなってしまったパン」のほうがおいしくつくれる! お手軽&無駄なしレシピ

焼き立てのおいしさは格別!
焼き立てのおいしさは格別!

ベーコンとチーズのストラータの完成です。焼けたチーズのこうばしい香りに、食欲がそそられます。

乾いて固くなってしまったパンも、卵液を染み込ませたことでしっとりおいしく生まれ変わりました。むしろ水分の残ったパンだと卵液が染み込みにくいので、この料理は乾いたパンのほうがおいしくつくれるのです。

今回はベーコン、マッシュルームを使用しましたが、具材はなんでもかまいません。余ったパンと冷蔵庫の残り物でつくれるのに、豪勢に見えるのがこの料理の魅力。卵液と具材を混ぜて焼くだけなので、料理が苦手な人でも失敗なくつくれますね。

余ってしまった昨日のパンも、工夫次第でおいしいひと皿に。今度の週末は「ベーコンとチーズのストラータ」をつくって、のんびりとしたブランチを楽しんではいかがでしょうか。

とろ~りチーズがたまらない。あつあつのうちに召し上がれ!
とろ~りチーズがたまらない。あつあつのうちに召し上がれ!
よしもとこゆきさん
フードコーディネーター、ライター
世界にもっと、「おいしい」魔法を広めるため、レシピ開発やスタイリング、飲食店プロデュースなど食に携わる仕事を中心に、デザインやイラスト、コラムの執筆など幅広く活動中。
http://table411.net/

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この記事の執筆者
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よしもとこゆき
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