紳士を構成するのは何もファッションだけではない。グルーミンやコスメもまた紳士をつくるのに必要な要素である。視覚、嗅覚など五感に訴えかけるのもまた重要である。

世紀を超えて愛される紳士を構成する6つの道具

モルトンブラウン|世界70か国以上の一流ホテルやスパで、アメニティとして採用される天然原料配合のスキンケア

上から/洗顔料、パパインディリーフェイシャルウォッシュ ●125ml・化粧水、バランストナー ●200ml・保湿クリームジェル、バイジ ハイドレーター ●100ml(モルトンブラウン ジャパン
上から/洗顔料、パパインディリーフェイシャルウォッシュ ●125ml・化粧水、バランストナー ●200ml・保湿クリームジェル、バイジ ハイドレーター ●100ml(モルトンブラウン ジャパン

1973年にロンドンのメイフェア地区・サウスモルトン通りで、ヘアサロンとして創業した『モルトンブラウン』。現在では、天然原料を用いた心身をリラックスさせる、独自の世界観をもつバス関連商品が充実しており、高級スパや一流ホテルで使用されていることからも、その実力のほどがうかがえる。男っぽい香りのバス&シャワージェルは入浴剤としても優秀で、ジェットラグを解きほぐす効果があるといわれ、ジェットセッター・ジェントルマンの強い味方だ。

ケント|伊達男ならだれもがわかるKENTの印がある王室御用達の手づくりヘアブラシ

持ちやすく程よい重量感の18×7㎝の長円形 ブラシ。太く硬めのブリッスル(豚毛)を使用。
持ちやすく程よい重量感の18×7㎝の長円形 ブラシ。太く硬めのブリッスル(豚毛)を使用。

なんとヘアブラシにまで王室御用達があるとは、まさにメンズグルーミングの国という感じがする。『G.B.KENT』はそんな王室御用達の英国最高のブラシ製造業者だ。12以上の工程を経て製造されるブラシは、最終的には手作業の点検、仕上げが行われているという。男性用、女性用、子供用と、使う人によってすこしずつ変えているからすごい。衣服用まで含めると250種類もあるという。これでこそ王室御用達。ブラシに印されたKENTの文字こそが、伊達男共通のサインなのだ。

ジョー マローン|新時代のメンズアロマの火付け役。定番はモダン・クラシカルなシトラスの香り

右から/ライムバジル&マンダリンシャンプー ●250ml・オレンジブロッサムシャワージェル ●250ml・ライムバジル&マンダリンコンディショナー ●250ml(ジョー マローン ロンドン)
右から/ライムバジル&マンダリンシャンプー ●250ml・オレンジブロッサムシャワージェル ●250ml・ライムバジル&マンダリンコンディショナー ●250ml(ジョー マローン ロンドン)

『ジョーマローン』は、そのシンプルで洗練された香りが、多くのセレブリティに愛されている、今話題の英国
コスメといえる。伊達男が競って購入した「ライムバジル&マンダリン」のシトラス・フレグランスは、ブランドの顔として定着。オーデコロンだけでなくシャワージェルやシャンプーなど、独自の香りのバスラインも男のグルーミングを考える上では見逃せないだろう。クリーム色のボックスとブラックリボンのパッケージがブランドのアイコン。実に品格ある英国アッパークラスの優雅さを感じるではないか。

ニールズヤード レメディーズ|自然療法の哲学を製品づくりに応用した硬派なアロマコスメ

左/オリーブオイルやセサミオイルが肌を保護。しっとり潤わす。アフターシェーブバーム ●100ml・右/粘土が皮脂を吸着し、整肌効果を発揮する。レッドクレイシェービングクリーム ●150ml(ニールズヤードレメディーズ)
左/オリーブオイルやセサミオイルが肌を保護。しっとり潤わす。アフターシェーブバーム ●100ml・右/粘土が皮脂を吸着し、整肌効果を発揮する。レッドクレイシェービングクリーム ●150ml(ニールズヤードレメディーズ)

イギリスは自然派化粧品が多く存在する国でもある。そんな英国にあって最も信頼度の高い自然派コスメといえば『ニールズヤードレメディーズ』だろう。1981年に小さな自然療法ショップとして創業。メンズグルーミング関連も数が多く、選ぶのに困るほど。オーガニックな香り、そして薬用ハーブからスタートしただけにスキンケア効果の高さも、大きな魅力だ。

ミラー ハリス|ビスポーク・フレグランス出身の天才が生み出す爽やかな伊達男のための香り

ロンドンの高感度ホテルのバスラインに使用されたこともあるフレッシュな香り。男女用ともに人気。シトロンシトロンオードトワレ●100ml(インターモード川辺フレグランス本部〈ミラー ハリス〉)
ロンドンの高感度ホテルのバスラインに使用されたこともあるフレッシュな香り。男女用ともに人気。シトロンシトロンオードトワレ●100ml(インターモード川辺フレグランス本部〈ミラー ハリス〉)

南仏グラースの伝統ある香水製造研究所「Robertet」で実績を積んだ女性調香師、リン・ハリスが2000年に設立したフレグランスブランドが『ミラーハリス』。従来の香水ブランドに一石を投じた。日本ではフレグランスは12種類が入手可。メンズ用におすすめは「テレドゥボウ」、そしてウッディでスモーキーなセクシーさを醸し出す「フィールドゥタバック」。まさにマチュアな芳しきタバコの香りだ。あるいは少し爽やかに「フルールデュマタン」もいいだろう。どれもが、雨上がりのイングリッシュガーデンを散歩したときのような、かすかな香りが魅力である。

クリード|国王陛下のためにつくられた伝統の香り

上から/クリードオードトワレロイヤルイングリッシュレザー ●75ml・オードパルファムグリーンアイリッシュツィード ●75ml・オードパルファムミレジムアンペリアル ●75ml(ブルーベル・ジャパン〈クリード〉)
上から/クリードオードトワレロイヤルイングリッシュレザー ●75ml・オードパルファムグリーンアイリッシュツィード ●75ml・オードパルファムミレジムアンペリアル ●75ml(ブルーベル・ジャパン〈クリード〉)

なんと創業約250年。堂々たるロイヤル・ワラントをもつ、フレグランスブランドだ。現在日本で手に入る10種のメンズフレグランスの中には、「ロイヤルイングリッシュレザー」のように、創業時から変わらぬ香りもあり、品格を求める伊達男心をくすぐり続ける。ブランドを代表する香りは「グリーンアイリッシュツィード」。いかにも英国伊達男を彷彿とさせる名前ではないか。男のおしゃれを引き立ててくれるに違いない。

※2009年春夏号取材時の情報です。

この記事の執筆者
TEXT :
MEN'S Precious編集部 
BY :
MEN'S Precious2009年春夏号、英国王室御用達コスメの名品より
名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
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PHOTO :
戸田嘉昭
WRITING :
加藤智一