海外からも注目される日本のビンテージカー
古き物への憧れは、今や世界的なムーブメントとなりつつある。自動車においてもビンテージカーの人気はとどまることを知らず、安定した資産として投資の対象にもなっている。特に日本は良質のビンテージカーが多く、希少なモデルや有名ブランドのオリジナルに近いモデル(改造の度合いが少ないモデル)は、海外からの購入希望があとを絶たないという。時がたつほど希少性は増し、国内在庫も少なくなることを思うと危機感は増すばかりだが、憧れの1台を手に入れるなら、まずは信頼のおける専門店を探すことだ。8月5~7日にかけて、千葉県の幕張メッセで開催された「オートモビル カウンシル2016」は、世の自動車好きの溜飲を下げる画期的なイベントだった。
ビンテージカーの展示・販売も!
日本国内外の自動車メーカー9社とビンテージカー(ヘリテージカー)を専門に扱うショップ19社が一堂に会したこのイベントでは、往年の名車が展示されるだけでなく、購入もできるのが特徴。なかでも英国のベントレーやロールス・ロイスを扱うワクイ・ミュージアムでは、1960~80年代のロールス・ロイス「シルヴァーシャドウ」をはじめとするビンテージカーを限りなくオリジナルに近づけたリフレッシュプログラムを導入し、その完成見本として素晴らしいコンディションの「「シルヴァーシャドウ」を展示していた。他の展示モデルも経年の衰えを感じさせない見事なコンディションばかりで、日本の自動車文化も欧米に負けないレベルにあることを実感する内容だった。
往年の名車と最新モデルが時をつなぐ
このイベントではビンテージカーに加えて最新モデルも多数展示され、各ブランドのフィロソフィを学べるという意味でも興味深かった。初日にお披露目されたアバルト「124スパイダー」はその象徴で、オリジナルのフィアット「124スパイダー」と場を共有することで、フィアット、そしてチューニング部門たるアバルトの真摯なクルマ作りを感じることができ、結果として新旧それぞれがいずれ劣らぬ輝きを放っていた。秋はビンテージカーのイベントが目白押しの季節でもある。先人が大切に維持してきた名車を間近で見て、その意志を後代へと伝えていくために、ビンテージカーと接する機会が増えるこの時期こそ、ぜひ足を運んでいただきたい。
- TEXT :
- 櫻井 香 記者