Dior(ディオール)の2019年春夏コレクションでは、ダンスパフォーマンスと融合した、類をみない壮大な世界観を表現。その舞台に選ばれたのは、パリ16区・ブローニュの森の中にある敷地面積6,000㎡を誇るロンシャン競馬場でした。

ダンスとクチュールが呼応し合う、壮大なコラボレーション

Dior(ディオール)の2019年春夏コレクション

場内にセットされた会場面積1,200㎡のセットは、約2週間かけて設置されたという超大作。花びらが舞う、自然と調和した空間のなか、ダンサーのパフォーマンスとともにモデルがランウェイウォークを繰り広げました。

「ダンスが普遍的な表現手段であること、そして徹底したコンテンポラリーダンスとが想像力を掻き立てました」と語るのは、アーティスティック ディレクターを務めるマリア・グラツィア・キウリ氏。ロイ・フラー、イザドラ・ダンカン、ルース・サン・ドニ、マーサ・グラハム、ビナ・バウシュといった、コンテンポラリーダンスのヒロインたちの作品群から着想を得て、軽快さと究極の柔軟性のなかから本質を見出すという視点から、スポーツウエアとエレガンスが融合した、新たなスタイルが誕生したといいます。

肉体美の本質を引き出す多彩なバリエーション

しなやかなボディーラインを魅せるジャンプスーツやヌーディーな色調が軸となり、多彩に表現された躍動的なコレクションは、ファッションの可能性を最大限に引き上げました。ここでは、今シーズンのキールックをクローズアップします。

ダンスのエッセンスをダイレクトに感じさせる、ボディーラインの美しさが際立つスタイル。
グラデーションになった透明感のあるチュールが重ねられた、バレリーナを思わせるチュチュ風のスカートスタイル。
舞台を舞う花と同調するかのようなフラワーモチーフがあしらわれた、自然美を讃えるスタイル。
フェザーとビーズで万華鏡のモチーフをかたどったディテールが、生命の息吹を感じさせる有機的なスタイル。
ロイ・フラー氏にオマージュを捧げた「万華鏡モチーフ」が芸術的な世界へと引き込む、ドラマティックなスタイル。

探求し続けるクリエーションへの想いとは?

アーティスティック ディレクターに着任以降、メゾンのアーカイブを独自の視点から現代に寄り添う新たな表情へと蘇らせているマリア・グラツィア氏。今回のコレクションでは、創業者であるクリスチャン・ディオール氏がかつて愛した「ダンス」というキーワードを軸に、さまざまな表現方法を探求しました。

なかでも注目したいのは、モダンダンスと舞台照明技術のパイオニアとして時代をリードしたロイ・フラー氏が、かつてまとった衣装に映り込んだ“光の煌めき”が着想源となったという「万華鏡(カレイドスコープ)」のモチーフです。

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「カレイドスコープ」制作は、紙に絵を描くことからスタート。
いくつものパーツを組み合わせることで、色とりどりの万華鏡パターンへと変化を遂げます。
なかには、花の絵柄がプリントされた生地をタイダイに染め上げ、モチーフを重ねたパターンも登場。たっぷりとしたギャザーや生地のレイヤードで、表情豊かな12スタイルとして発表されました。

「If I don’t feel, I can’t do it(感じられなければ実現は不可能)」と語るマリア・グラツィア氏は、才能豊かな振付家のひとりであるシャロン・エイアル氏との華麗なるコラボレーションを遂げ、ダンスとクチュールが融合した新世界を見事クリエイト。感情の密度や美しさを無限大に広げたディオールの2019年春夏コレクションは、メゾンのさらなる飛躍を予感させるものとなりました。

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石原あや乃