異なるムードを重ね合わせるテイストミックスが2018-19年秋冬シーズンの装いに深みをもたらしてくれます。注目度の高いアイテムはボリュームアウター、スポーティウエア、フォークロアピース。これらを上品で穏やかな雰囲気にまとめ上げれば、大人っぽく新鮮な着姿に仕上がります。トップブランドのランウェイルックを手がかりに、新トレンドとの賢いつきあい方をイメージしていきましょう。

【3ポイントから解説】2018-19年秋冬のファッショントレンド予測

■1:ボリュームアウターを上品に着こなす

ダウン・パッファージャケット編【CHANEL(シャネル)】

CHANEL(シャネル)のルック画像
CHANEL(シャネル)のルック画像 ©CHANEL

リュクスや品格を備えた、新タイプのダウンやパッファージャケットは、2018-19年秋冬の主役級アイテムと期待されています。朗らかな量感を生かしながら、レザーのような異素材ウエアと組み合わせて、ハイブリッドなコーディネートを楽しみましょう。

エコファーコート編【GIVENCHY(ジバンシィ)】

GIVENCHY(ジバンシィ)のルック画像
GIVENCHY(ジバンシィ)のルック画像

ボリュームたっぷりのファーコートはグラマラスの極み。カラーミックスが着姿を華やがせています。技術が進歩してエコファーは一段と表情が豊かに。気負いや力みを遠ざけて、自然体でまとうのがモダンなファーコートの着こなしです。

リッチコート編【MAX MARA(マックスマーラ)】

MAX MARA(マックスマーラ)のルック画像
MAX MARA(マックスマーラ)のルック画像

まるでぬいぐるみのようにほっこりしたムードの量感アウターは、まとうたびに気持ちまで安らぎそう。もちろん、ぬくもりも申し分ないから、自然と出番が多くなりそう。レオパード柄のような、程よくアクセントの効いたウエアとのマッチングで、自分らしさを印象づけて。

チェック柄コート編【STELLA McCARTNEY(ステラ マッカートニー)】

STELLA McCARTNEY(ステラ マッカートニー)のルック画像
STELLA McCARTNEY(ステラ マッカートニー)のルック画像

ひと回り大きめのオーバーシルエットはボディーをかえって華奢に見せてくれます。ゆるやかな輪郭はジェンダーレスなムードに誘います。格子が大きめのチェック柄もトレンドモチーフに浮上。ジーンズと合わせて、抜け感も引き出した着こなしは参考になります。

■2:ストリート&スポーティーをエレガントに取り入れる

スポーティーライン入りワンピース編【LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)】

LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のルック画像
LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のルック画像 ©Louis Vuitton Malletier

軽やかにラインが走る、スポーティーなワンピースを、ゴールドのチェーンベルトでゴージャスに彩りました。胸のネオンイエローがジューシーなアクセントに。レディー感を帯びたバッグと靴で艶めきを添えるフェミニンミックスが今の気分です。

スウェット&大人ロゴ編【FENDI(フェンディ)】

FENDI(フェンディ)のルック画像
FENDI(フェンディ)のルック画像

ストリートテイストのトップスも、クラシカルなチェック柄スカートとのマッチングで上品ムードに様変わり。ミンクファーのリッチなアウターをさらりと重ねて、さりげない大人ストリートの着映えに。ノーブル感を帯びた白ブーツも今季は見逃せません。

パーカー編【TOD'S(トッズ)】

TOD'S(トッズ)のルック画像
TOD'S(トッズ)のルック画像

アウトドア風味のパーカーを優しげムードで着こなすのは、今秋冬に一段と盛り上がりそうなアレンジです。レザー仕立てのスカートを引き合わせ、素材感の違いを際立たせて。色味の近いニアトーンのコーデは落ち着きを生んでくれる整え方です。

ブルゾン【SALVATORE FERRAGAMO(サルヴァトーレ フェラガモ)】

SALVATORE FERRAGAMO(サルヴァトーレ フェラガモ)のルック画像
SALVATORE FERRAGAMO(サルヴァトーレ フェラガモ)のルック画像

ブルゾンを組み込んで、すっきり縦長の「I」ラインに整えるスタイリングが勢いづきます。着丈が短めのアウターは、腰の位置を高く見せるうえ、ハイウエストのボトムスとも好バランスを発揮。フードから長く垂らしたストリングスやロングブーツでも縦長イメージを引き出せます。

■3:フォークロア気分を都会的にまとう

パッチワーク風スカート編【DIOR(ディオール)】

DIOR(ディオール)のルック画像
DIOR(ディオール)のルック画像

ハンドクラフト感の豊かなパッチワークのスカートはボーホーやヒッピーの自由な気分を呼び込みます。懐かしげなムードに、強さや自立を印象づけるテイストをミックスするのが今の流れです。ライダースジャケットとロングブーツで合わせて凛々しい着姿に。

フォークロア風ニット【DRIES VAN NOTEN(ドリス ヴァン ノッテン)】

DRIES VAN NOTEN(ドリス ヴァン ノッテン)
DRIES VAN NOTEN(ドリス ヴァン ノッテン)

フォークロア(民俗調)の風情を感じさせるニットが装いのキーピースになりつつあります。模様に動きがあっても、モノトーンを選べば、落ち着いたムードでまとえます。その分、スカートはアイキャッチーなモチーフを迎えて、ダイナミックな柄ミックスに仕上げましょう。

ブランケットアウター【ALBERTA FERRETTI(アルベルタフェレッティ)】

ALBERTA FERRETTI(アルベルタフェレッティ)のルック画像
ALBERTA FERRETTI(アルベルタフェレッティ)のルック画像

遊牧民(ノマド)を思わせる、体を包み込む服は穏やかでのどかなたたずまいに導いてくれます。ブランケット(毛布)を羽織る感じの装いは、カラートーンを全体でまとめると、落ち着いたシックな雰囲気に。オータムカラーを上手に取り入れてみましょう。

フリンジ編【ETRO(エトロ)】

ETRO(エトロ)のルック画像
ETRO(エトロ)のルック画像

揺らめくフリンジはボヘミアンの風情を醸し出すのにぴったり。重たく見えがちな秋冬の装いにリズムを添えてくれるのも、フリンジのよさ。優美なフォルムの羽織り物やロングマフラーをシンプルコーデに合わせることにより、意外感のあるモダンフォークロアに整えられます。

ボリュームアウター、スポーティーウエア、フォークロアピースという、2018-19年秋冬の3大トレンドは、比較的、日頃の装いに落とし込みやすいものばかりです。着こなしのポイントは女らしさや優美ムードを絡ませるところにあります。フェミニン寄りのミックステイストを意識して、新トレンドを上手に操っていきましょう。

この記事の執筆者
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。
WRITING :
宮田理江
EDIT :
石原あや乃