購入したては未完成品。10年は使い倒して、自分にとっての完成品に近づく……。男にとっての逸品とはそういうものだと思う。
男の重さが溢れる「ヴァレクストラ」
写真の「ヴァレクストラ」のブリーフケースは30年ほど使い込まれたものだ。持ち主いわく「ようやく一丁前の顔つきになってきた」。素材はチンギアーレ。猪革である。
表面には独特の毛穴が残り、野趣に富む。そのおかげで少々のキズがついても気にならない。むしろ、勲章のように見える。男気のある革だ。そして、重い。当世は機能重視で軽いナイロンバッグが流行るが、その対極。しかし、30年使っても魅力を増し続けるなんていう芸当は、重さをいとわない丈夫な革でなければできやしない。ましてや、バッグが己の生き様を表すなんてことも。
どこにもまねのできない究極のレザーバッグ
1937年ミラノで創業した「ヴァレクストラ」は完璧主義と洗練デザインで知られ、近ごろはフェミニンな雰囲気が人気を呼ぶ。しかし、30年モノを見て思う。男の鞄だと。そして男の鞄のあるべき姿だと。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
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- PHOTO :
- パイルドライバー