フランスで大人気を博したガトー・インビジブル。その断面の繊細な美しさは、清楚で贅沢感を演出してくれます。ガトー・インビジブルとは、フランス語で「見えないケーキ」という意味。何層も重なった果物や野菜のスライスと生地が一体化しているちょっと変わったケーキなのです。

今回は、このガトー・インビジブルをクリスマスケーキとしてつくるアイディアを『ガトー・インビジブル-果物や野菜のスライスを重ねた美しい断層のケーキ-』(オレンジページ)の著者である料理研究家の若山曜子さんに伺いました。今年の手づくりのクリスマスケーキがまだ決まっていない方は、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか?

見えないケーキ?「ガトー・インビジブル」とは?

りんごの入ったガトー・インビジブル。撮影/福尾美雪

若山さんは、パリのパティスリーなどで経験のある料理研究家。フランス発のガトー・インビジブルとはどのようなケーキなのかを教えていただきました。

「ガトー・インビジブルはフランス生まれ。フランス語で『見えないケーキ』の意味です。たくさんの果物、もしくは野菜が入るのに対し、生地はちょっぴり。ですので、オーブンで焼く間に生地が果物に吸収されて“見えなくなる”ことから、この名前がついたようです。

特徴は、果物のスライスを重ねてつくるので、切ったときの断面の美しさにあります。果物のみずみずしい味わいと、カスタードのような生地の取り合わせは、軽やかで誰からも親しまれる味わいです。普通のケーキに比べてバターや小麦粉が少なめなので、“重くない”“ヘルシー”という点も特徴。果物はりんごが代表的で、洋梨、マンゴー、柿、さつまいもなども使われます」

ガトー・インビジブルの基本的なつくり方

洋梨の入ったチョコレート味のガトー・インビジブル。撮影/福尾美雪

断面が美しく、重くない・ヘルシーとくれば、大人女性はきっと興味が倍増したことでしょう。そこでガトー・インビジブルの基本的なつくり方を若山さんに教えていただきました。

「卵、砂糖、牛乳、溶かしバター、小麦粉を順に混ぜていき、生地をつくります。そこにスライスした果物、または野菜を加えて混ぜ、パウンド型の中に、スライスしたものを重ねていきます。このとき、向きをそろえると仕上がりの断面がより綺麗に出ます。残った生地はすべてパウンド型に流し入れ、オーブンで50分ほど焼けばできあがり。冷ましてからいただきます」

ケーキと聞くと、スポンジのイメージがありますが、スポンジ生地というより、スライスしたリンゴやさつまいもなどを重ねていくイメージ。つくっている最中から斬新さを感じますね。

ガトー・インビジブルで叶える、スペシャルなクリスマスケーキ

いつもと違う特別なクリスマスケーキはガトー・インビジブルで

今年は、このガトー・インビジブルでクリスマスケーキをつくってみませんか? その場合、どんな具材がおすすめなのか、若山さんに教えていただきましょう。

「スライスにする具材は洋梨。そして生地はチョコレート味にすると、見た目も味わいも大人向けのシックな感じになります。さらに、間にラズベリーやマロングラッセを挟むと、洋梨の間に違う層ができ、断面がより華やかになります」

りんごの間にラズベリーを挟んだガトー・インビジブル。撮影/福尾美雪

洋梨にラズベリー、マロングラッセ、そしてチョコレート生地。これはまさに大人のクリスマスの雰囲気が出せそうですね。

さらに若山さんはよりパーティー向きのアイディアもくれました。

「半分は洋梨×チョコ生地、もう半分はいちごのスライス×ホワイトチョコの生地、などの組み合わせもゴージャスで綺麗になりそうです」

いちごのスライスとホワイトチョコの生地の組み合わせもクリスマス仕様。さらに半々ずつつくるとは、なかなか高度なワザ! これはホームパーティーなどで高評価が期待できそうです。

ガトー・インビジブルは簡単に作ることができながらラグジュアリー感を演出できるケーキ。クリスマスの本番に向け、今からいろんな具材で試して楽しんでみてはいかかでしょうか。

若山曜子さん
料理研究家
(わかやま ようこ)東京外国語大学フランス語学科卒業後、パリへ留学。ル・コルドン・ブルーパリ、エコール・フェランディを経て、フランス国家資格(C.A.P)を取得。パリのパティスリーやレストランで経験を積み帰国。現在は、雑誌や書籍、企業のレシピ開発のほか、少人数制のお菓子と料理の教室を主宰している。著書に『ガトー・インビジブル-果物や野菜のスライスを重ねた美しい断層のケーキ-』(オレンジページ)など多数。
若山曜子さんのホームページ
この記事の執筆者
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PHOTO :
福尾美雪
WRITING :
石原亜香利