「スウェイン・アドニー」は、18世紀、ジョージ3世の馬用の鞭メーカーとして王室御用達となった。第二次世界大戦中に傘で有名な「トーマス・ブリッグ社」を買収し、「スウェイン・アドニー・ブリッグ」に。今でもブリッグの傘は紳士の憧れの逸品。すべての工程を手作業で行い、ハンドル部分は職人が熱い蒸気を使ってひとつずつ手で曲げていく。ちなみに御用達のルーツとなった鞭、現在の女王が乗る馬車の御者の鞭は今でも同社のものだ。

職人技が光る御用達傘は存在感が違う!

気品と重厚感を漂わす漆黒の傘

左・【スウェイン・アドニー・ブリッグ】●1836年創業●英国王室御用達/1991年エリザベス女王、チャールズ皇太子/名門傘メーカー「ブリッグ」が、1942年に皮革製品をつくる「スウェイン・アドニー」と合併し、現名に。ハンドルから柄までが一本つなぎになったステッキ調の細巻き傘は、同社の代表作。左奥¥57,750・左手前¥50,400・中央¥81,900(アソシエイテッド・インターナショナル〈スウェイン・アドニー・ブリッグ〉)●54 St.James’s Street, London SW1A 1JT 右・【前原光榮商店】/●1948年創業●1965年ごろ、宮内庁御用達/今なお皇室と密接な関係を築く「前原光榮商店」。なかでも創業者の代表作を受け継ぐ16本骨傘の美しさは、他とは一線を画す存在感。開いたときはもちろん、閉じたときのプリーツの細かさにも注目。右から2本各¥16,800~/オーダー価格(前原光榮商店)●東京都台東区三筋2-14-5 ☎03・3862・5788 撮影/篠原宏明 
  • 【スウェイン・アドニー・ブリッグ】重厚なウッドの柄の部分を飾るシルバー飾りにも、チャールズのワラントがしっかり刻印。紳士に愛され続ける小物は、どこまでも特別扱い。
  • 【前原光榮商店】開いたときの芸術的な半円の美しさこそ、16本骨傘の真骨頂!一般的なものより大ぶりだが、これをさして歩く紳士の所作に、日本の粋が宿る。

一方、「前原光榮商店」の創業は、1948年。皇室御用達のきっかけは、1965年ごろ。最初は傘の修理の依頼を請け負ったのだという。しかしそのときの確かな技術、真摯な傘への姿勢から、その後の信頼関係は今も続く。「御用達の傘」と呼ばれるようになったゆえんだ。初代が考案した16骨の傘は、同社を代表するモデルで、開いたときの品格は、西洋の傘にはない、日本らしい美しさを持っている。 

※2011年春号取材時の情報です。

※価格は税込みです。

この記事の執筆者
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MEN'S Precious編集部 
2019.6.11 更新
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