「今年のミラノのコート事情は、男性目線での発見がありました」というのは、長年ミラノを訪れているスタイリストの大西陽一さん。

「女性のコートの形が、メンズライクにアップデートされていたんですよ。ストリートでは、紳士のコートの原型とされるアルスターコートを現代的に解釈した、“襟に特徴のあるコート”を選んでいる女性が目立っていました」

写真を並べて見てみると、色やデザインは違うものの、彼女たちが着ているコートのベースは、どれも似ているように感じます。今回は、世界的に注目されている「ジェンダーレス」な要素を日常に取り入れる、ミラノマダムたちのコートスタイルにフォーカスします。

「ジェンダーレスなコート」が主流?イタリアンマダムのコートスタイルを徹底比較

「とにかくミラノでは、襟の形に特徴のあるイギリス由来のアルスターコートをアレンジしたコートが人気のようですね」と大西さん。今回は、独自のセンスでスタンダードをトレンディーにアップデートした、今どき風味なイタリアン美女3人のコートスタイルを比較してみましょう。

■1:「トレンチ風コート」で甘辛ミックスを実現させた金融系美女

ブラック×ブラウンの黄金配色

金融系もしくは弁護士など、堅めの仕事に携わっているであろうこちらの女性が選んだのは……トレンチの変形コート!?

「そう、一見トレンチの変形コートに見えるのですが、トレンチコート自体がイギリス由来のアルスターコートを元につくられているんですよね……と、男性視点の話になるとついウンチクを語りたくなってしまうのですが、彼女に目がいったのは、フェミニンなスタイルに合わせた男性的なバッグのチョイスだったんです。重要書類が詰まっていそうな堅気のバッグをもって颯爽と歩く、その凛とした姿が、全体のバランスを上手く整えていました」

■2:「スタンダードなネイビーコート」に身を包むコンサバ系美女

オーソドックスなネイビースタイル

女性らしいブラウスにシックなパンツを合わせた、最もベーシックなビジネススタイルのこちらのコンサバ系美女。

「スタンダードなスタイルのようにも見えますが、実は、この方はコートが違います! 日本人女性なら、ベージュやカーキのトレンチコートを合わせる方が多いように思いますが、彼女はネイビーを選んでシャープにまとめている。そして、ベルト紐をきっちり結ぶのではなく無造作に流すなど、完璧すぎない外し技が、男性要素を引き出しています。キリッと魅せる目尻が上がったサングラスも、トレンド感をにおわせていますね」

■3:トレンド最前線の「オーバーサイズコート」で遊ぶアート系美女

トレンディーなチェック柄

ストリートから世界的なブームへ派生したオーバーサイズコートを選んだのは、独自の着こなしを確立しているこちらのアート系美女。

「彼女は、だらしなく見えない絶妙なサイズ選びが素晴らしい! 今年らしいモダンな配色の英国風チェックが、いい塩梅の抜け感を生み出しています。遠目ではシンプルに見えますが、実はモード感ある二枚仕立てのインナーや、男性的にはスパッツともいう靴用ガーターを靴の上から重ねるなど、ちょっと変わったアイテム選びで、さり気なく個性を主張しているんです。センスある中世的なムードは、ミラノの街中でも際立っていましたね」

今回は、ミラノ美女が注目する「メンズライク」なシルエットのコートに注目しました。「原型が同じコートであっても、色や柄、サイズ感などで、それぞれの着こなしが変わってきます。合わせるアイテムによっても独自のムードを楽しめるので、今年はイタリアンマダムのように、ジェンダーレスな着こなしに挑戦してみるのもいいかもしれませんね」

デイリーのお仕事スタイルにも取り入れやすいミラノ美女の着こなしを参考に、今年らしいユニセックス感あるコートスタイルに挑戦してみてください。

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この記事の執筆者
『メンズプレシャス』創刊時から携わる、ファッションスタイリスト。年2回行われる、メンズファッションの国際展示会・ピッティ ウオモやミラノ コレクションに行くなかで、気づけばストリートスナップの撮影がライフワーク化!? 最近では、男性目線で紐解く「ヨーロッパの素敵なマダム」の着こなし分析に夢中。
PHOTO :
大西陽一
EDIT&WRITING :
石原あや乃