自分では失礼なことや人を傷つけることをした覚えはないのに、なぜか職場で誰かから避けられたり、プライベートで2回目のお誘いがなかったり……。「私ってもしかして嫌われている!?」と感じたことはありませんか?

自分の言動を振り返っても、まったくその原因がわからない場合、もしかするとあなたの何気ないしぐさが人間関係に悪影響を及ぼしているのかもしれません。そこで今回は、マナー講師の磯部らんさんから、人を不快にさせるNGしぐさについて教わります。

仕事相手を不快にさせるので「やめた方がいいしぐさ」10選

■1:相手と目を合わせない

アイコンタクトは大事

目は口ほどにものを言う……といわれる通り、目線によって相手の受ける印象は大きく変わります。

「相手と目を合わせないと、『関心がない』、『自信がない』などと思われてしまいます。直接目を見るのが苦手であれば、まゆや眉間あたりに視線を向けましょう」(磯部さん)

恥ずかしがり屋で相手の目を見れない人は、大損しているかも!? アイコンタクトはしっかり行いましょう。

■2:相手と距離が近いときに目を見つめすぎる

見つめすぎると圧迫になることも

前述のようにコミュニケーションをとる際にアイコンタクトは非常に重要ですが、とはいえやりすぎは禁物です。

「1メートル程度の至近距離でじっと見つめると圧迫感を与えてしまいます。相手との距離が近いときは、眉間や口元あたりをやんわり見るようにしましょう」(磯部さん)

関心・好意がある人物に熱い視線を送りすぎて、かえって避けられないように気をつけたいものですね。

■3:時計をチラチラ見る

時計が気になるときの対処法は?

プライベートな会合でそろそろお開きにしたいとき、職場で上司の長話に付き合わされているとき、など、会話中にも時計が気になりますよね。ただ、うかつに時計をチェックするのは考えもの。

「時計をチラチラ見ると、『話がつまらない』『早く帰りたい』などのメッセージを相手に送ってしまいます。相手のまゆや眉間を見るなどして、できるだけ話し手の顔から視線がはずれないようにしましょう。

時計を見るのはさりげなく……がコツです。相手に時間を見ていると思われないようなしぐさでチェックしましょう。人と会うときは、腕時計の文字盤は手首の内側にしておくこと。そうすれば、テーブル上で腕を軽く伸ばすだけで時間が目に入ります。

また、どうしても話を切り上げたいときには、わざと『あ、もうこんな時間なんですね!』『あっという間でした』など、楽しくて時間が過ぎるのが早いということと伝えながら次の予定があることを告げると角が立ちません。

職場の上司が相手であれば、『とてもためになるお話をありがとうございました』『お忙しいところ貴重な時間をいただきありがとうございました』と感謝を伝えたり、『部長の次のご予定は?』と相手の都合を気遣ったりしながらクロージングにもっていくのもありです」(磯部さん)

自分のスケジュールに余裕がないときには、それをあからさまに態度に表すのではなく、相手の立場になって話をうまく切り上げましょう。

■4:相手の服装や持ち物をジロジロ見る

職場の人が目新しい服装や持ち物を身につけていると、つい気になってじっと見てしまうことはありませんか? 黙って凝視するのは相手に不快感を与えてしまうのでNGです。

「黙ってジロジロ見るのではなく、『それ素敵ですね』と素直に褒め言葉を口にしましょう。また、『それいくらしたんですか?』や『お高いんでしょ?』など、値段をストレートに尋ねるのは失礼に当たりますが、『すごくセンスがいいですね。どちらで買われたんですか?』と相手を敬う姿勢で質問するのはよいと思います」(磯部さん)

心の中で「いいな」と好意的に見ていても、相手にはあなたの内心は伝わりません。身近な人の服装や持ち物が目についたときは、一言褒め言葉をかけましょう。

■5:やたらと髪をかき上げたり触ったりする

髪を触りすぎるのは不潔な印象

髪をかき上げるのは女性らしいしぐさともいわれますよね。ところが、会話中にやると相手に不快感を与えてしまうこともあるようです。

「食事中に髪をかき上げるのは不衛生な印象ですし、マナー違反となります。また、会話中、とりわけ話を聞くときにやると『この人、話を聞いていないな』と思われる恐れも。こうした手癖が出てしまうのは、気が緩んでいるからです。気が緩まないように適切に相槌を打つことを意識しましょう」(磯部さん)

髪をかき上げるしぐさは、知らず知らずにうちにやってしまう女性も多いのでは? うっかり不快感を与えないためには目の前の相手に集中しましょう。

■6:腕や足を組んで会話する

人と会話するときに足を組むのはNG

人と会話するとき、手はどの位置にありますか? 腕を組んで会話をするのはNGとのことです。

「腕を組むのは相手を拒絶する心理のあらわれです。自分を拒絶しながら話す人に相手は心を開いてくれません。テーブルを挟んで会話するときは、手はテーブルに上に出しておくのがマナーです。

かつては、手を見せることは、“武器を隠し持っていない=敵意がない”というサインでした。また、立ち話のときは自然にジェスチャーしながら会話することを心がけましょう。

そして、手と同様に、足を組むのも好ましくありません。姿勢も悪くなり印象がよくないので、フォーマルな場では足は組まずにきちんとそろえましょう」(磯部さん)

腕や足を組むのも、つい無意識でやってしまう癖ですよね。知らず知らず“感じの悪い人”になってしまわないように、その癖は改善しましょう。

■7:口元を隠しながら会話する

口元は隠さず歯を見せるほうが好印象

自分の笑顔に自信がないために、会話中につい口元を隠してしまう人もいるのでは? そのしぐさは自分の欠点をカバーするどころか、かえって悪印象を与えてしまうようです。

「口元を隠して会話すると、『何かやましいことでもあるのでは?』と誤解される恐れがあります。会話するときはにっこり笑って歯を見せるほうが好印象です」(磯部さん)

磯部さんによれば、上の前歯が軽く見える程度に口を開け、口角を2~5ミリ上げると自然な笑顔になるとのことです。口元を隠してごまかすのではなく、鏡の前で笑顔のトレーニングを行いましょう。

■8:相手のほうに体を向けずに挨拶する

相手に体を向けて丁寧に

コミュニケーションの基本となる挨拶。これをきちんとやっているつもりで、実は相手に不快感を与えていることもあるといいます。

「相手のほうに体を向けなかったり、お辞儀しながら言葉を発したりすると、おざなりな印象できちんと相手に誠意が伝わりません。

挨拶をするときはいったん立ち止まり、相手に体を向けて足をそろえます。アイコンタクトをして、挨拶言葉を伝えてから体を倒しましょう。そして、最後にもう一度アイコンタクトをとります。

時間がなくて急いでいるときにも、必ず相手の目を見て軽く会釈すると丁寧な印象になりますし、『~~さん、おはようございます』など相手の名前を呼ぶのも特別感があって好印象です」(磯部さん)

ただ挨拶をすればよいのではなく、仕方によって印象が大違いですね。ぜひ今日から上記の基本を押さえて、感じのよい挨拶を心がけましょう。

■9:片手で物を渡す

職場で書類を手渡しする際、丁寧に渡すように心がけているでしょうか? 相手が目上かどうかにかかわらず、片手でぞんざいに渡すのはNGです。

「渡すものの正面を相手に向けて、両手で渡しましょう。その際、自分から相手に向かって直線距離で差し出すのではなく、少し自分の手元に引き寄せてから、カーブを描くように渡すと丁寧な印象になります」(磯部さん)

物を渡すときは必ず両手で! 物を丁寧に扱えない人は、人の接し方も雑だと見られかねません。

■10:ため息をつく

ため息をつくと雰囲気がどんどん悪化

師走で仕事がたてこんで、最近お疲れ気味ではありませんか? とはいえ、ため息をついてしまうと、あなたの好感度はどんどん下がりかねません。

ついている本人が無自覚のうちに、ため息は周囲の人にネガティブな感情やストレスを与えるもの。とりわけ職場では、心身ともに疲れているのはお互い様。それを顧慮することもなくため息を漏らすのは、自己中心的で子どもっぽい行為にほかなりません。

自分では周りに聞こえていないつもりでも、意外と周りの人の耳障りになるものなので、癖になっている人は、「ふぅ~」と息を漏らす前に席を立って気分転換するなど、ため息を封印するための対策を講じましょう。

職場でもプライベートでも、「これ私やってる!」と思い当たることはありましたか? 周囲から好感をもたれるように該当するものはぜひこの機会に改善しましょう。

磯部らんさん
マナー講師・利き酒師・文筆業
(いそべ らん)大手運輸会社で長年勤務したのち、都内の研修会社に転職、その後独立。自己啓発本の執筆や雑誌でのコラム執筆、マナー講師として企業で研修を行い、テレビやラジオにも出演。日本酒と風呂敷包みなど和のマナー講師としても活躍。著書に『超入門 ビジネスマナー 上司が教えない気配りルール』(すばる舎)、『人から好かれる話し方・しぐさ基本のコツ』(西東社)、『イラストでよくわかる敬語の使い方』『正しい敬語どっち?350』(彩図社)などがある。
公式サイト
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
中田綾美
TAGS: