ジョッパーブーツとは本来、ジョッパーズ(乗馬用の膝から足元にかけてぴったりとしたシルエットのパンツ)に合わせるために作られたブーツだ。そのため履き口は細く、靴紐ではなくストラップを用いることでしっかりと固定し、甲側が踵側のレザーを覆うことで砂埃や砂利などの侵入を防ぐ機能美に長けたブーツなのである。元より乗馬の服装は、正装で気品のあるスタイルなのだから、ドレススタイルであるスーツに合わないはずがないのである。今回は、そんなジョッパーブーツを紹介する。

サイドに輝くバックルが上品さ際立つジョッパーブーツ

ジョンロブのジョッパーブーツは計算されたシルエットで足元を華やかに彩る

ブーツ¥280,000(ジョン ロブ ジャパン)
ブーツ¥280,000(ジョン ロブ ジャパン)

ジョンロブのジョッパーブーツ「ABBOT」(アボット)は、通常のそれとは一線を画す、芸術品とも言える1足だ。通常のジョッパーブーツは、ストラップ位置が履き口に近い位置に施されるが、ジョンロブのストラップ位置はあえて低めに設定。パンツを穿いた時に裾からチラッとバックルが覗く位置に施されている。細めのストラップだけでなく独特なムラ感のあるミュージアムカーフが大人の色気を演出し、他にはない気品溢れる美しいブーツとなっている。

端正な佇まいが美しいジェイエムウエストンのジョッパーブーツ

ブーツ¥150,000(ジェイエムウエストン 青山店)
ブーツ¥150,000(ジェイエムウエストン 青山店)

ジェイエムウエストンのブーツといえば、センターに綺麗に入ったクリースライン。このクリースがあることでより立体的で上品なシルエットを際立たせている。ジョッパーブーツには専用のラスト44を使用し、全体的に細めのラインとトゥにややボリュームを持たせたクラシカルな表情と、素材にはボックスカーフを用いた滑らかな艶感が楽しめる1足だ。

ぽってりしたトゥで足元にボリュームをつくるチャーチのジョッパーブーツ

ブーツ¥83,000(チャーチ 表参道店)
ブーツ¥83,000(チャーチ 表参道店)

存在感のあるチャーチのジョッパーブーツ「WORTHING」は同ブランドの短靴に使用されているラスト103を採用した、長めのノーズとボリュームのあるつま先でトゥがぽってりとしたゆとりのある男らしいフォルムが特徴的だ。アッパーの素材には、樹脂加工を施したポリッシュドバインダーカーフを使用し、より光沢感のある表情が美しい。足元に重厚感とエレガントさの両方が欲しいなら、間違いなくこの1足を選ぶべきだ。

黒×赤×金の艶かしい色使いが魅了するレ ユッカスのジョッパーブーツ

ブーツ¥150,000(レショップ〈レ ユッカス×レショップ〉)
ブーツ¥150,000(レショップ〈レ ユッカス×レショップ〉)

日本人女性デザイナーによって手がけられるレ ユッカスのジョッパーブーツは、シャープなフォルムに金のバックル、内側を彩る情熱的な赤いライニングで男の足元を美しく演出してくれるブーツだ。製作にはイタリアの名靴エンツォ ボナフェ社が請負い、作りももちろん一流品。そんなブランドに青山のセレクトショップ「レショップ」が別注をかけ、本来のマッケイ製法からグッドイヤー製法に変更。より屈強な作りとなり経年変化を楽しみたい、そんな1足に生まれ変わった。

以上、ジョッパーブーツを紹介した。どのブランドをとっても端正な顔つきをしたブーツは、カジュアルな装いも良いが、やはり本領発揮のできるドレススタイルに合わせたいところ。バックル位置や型など、微差ではあるものの各ブランドによって特徴がある。より自分らしい装いを楽しむ事のできる1足をぜひ見つけて欲しい。

※価格は全て税抜きです。

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PHOTO :
島本一男
STYLIST :
河又雅俊
EDIT&WRITING :
河又雅俊
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