引っ越しの際にウン十万円の

リングを無くしてしまい、

ちょっと落ち込んでいる山下です。

しかし捨てる神あれば

拾う神あり。

すっかり忘れてしまっていた

こんな1着が出てきましたよ。

知る人ぞ知る伝説のブランド、

dezert

ブルゾンです!

デザート。

それは1980年代に設立された、今はなきブランド。

そのアプローチをひとことで言えば、

どこにもないような独創的な素材でつくり込んだ

ミリタリーやアメカジ系ウエア、といったところでしょうか

私はこのブランドとは大学生の頃、90年代後半に出合ったのですが、

当時はマルイに何店舗かショップを展開していたので、

ストーカーのように毎日通ったのを憶えています。

(当時のマルイには、TUBEとかドレイパーズベンチとか、

けっこうマニアックなブランドが入っていたのです)

このブルゾンも、そんなときに出合った1着。

確か原宿にあった、アメリカンラグ

(今のアメリカンラグシーとは全くの別物)で

買ったような気がします。

ナイロンをギュンギュンに圧縮することによって

シワシワにした素材。

当時これを見た時は驚いたなあ。

そしてボタンはナット(ヤシの実)素材。

このブランドの付属は凝りまくっていて、

ほかにもキャメルボーン(らくだの骨)なんてのを

洋服に使っていました。

ボタンにこだわるなんて、

このブランドを知る以前は考えられませんでしたよ!

「リモンタ」というメーカーのナイロン素材に

ワックスコーティングを施したモッズパーカーとか、

酢を使って洗い込んだレザージャケットとか、

このブランドではいろいろなものを買って、

本当に色々なことを教わりました。

ここの洋服から学んだことは、

今の仕事にも間違いなく役にたっています。

いつかここに就職しよう!とまで思っていた

このブランドがなくなったあとは

本当に寂しくて、

関西出張のときにわざわざ静岡で途中下車して、

取り扱いのあるセレクトショップを訪問したことも。。。

うーん、当時から変態だったんだなあ。

そんな、ちょっぴりセンチな気持ちに任せて、

デザートの創業者である

田口成彦さんが現在手がけている

dip

というブランドのパーカーを買ってみました!

生地は洗いをかけたシャツ生地。

このハイネックは、当時のデザートでよく見られたデザインです。

サイズ感がすこしだけタイトになっていますが、

そのリラックスした生地感とか、

ディテールのこだわりはあの頃のまま。

今の私だったら、

こんな格好で合わせちゃいますけどね。

それにしてもこのデザートのブルゾン、

今でも活躍間違いなしなのですが、

生地のダメージが少々目立ってきています。

いつか復刻されるとよいのですが、難しいかなあ?

この記事の執筆者
MEN'S Preciousファッションディレクター。幼少期からの洋服好き、雑誌好きが高じてファッション編集者の道へ。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。趣味は買い物と昭和な喫茶店めぐり。
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