世界にも類を見ない環境でつくられるブドウ
余市町の中でも登地区は三方を山に囲まれ、山から海へ南北に貫く登川が開いた谷状の土地でワイン用ブドウ栽培の適地として注目されている。ブドウの木が雪の下で越冬する冷涼な土地はドイツに似ているため、耐寒性の高いドイツ系品種を中心に栽培されている。
その余市のワイナリーの中でも気鋭の醸造所として、今後人気が高まりそうなのが『キャメルファーム』だ。
世界的にも類をみない環境でつくられる同ワイナリーのワインは、ブドウの栽培からワインの醸造まで著名な醸造家のひとりであるリカルド・コタレッラ氏が深く携わっている。
世界各地でテロワール(ブドウ栽培に適した自然環境)を探求し続ける氏の想いと、日本特有の自然の恵みを広く世界に発信したい『キャメルファーム』の想いが余市の地で交わり、スパークリングワイン2種が誕生した。
余市産ブドウの個性を引き出した2種類のスパークリングワイン
今回登場するワインは品種の個性、独特の風味とバランスにこだわったスパークリング。手頃な価格で高品質なワインを製造できるシャルマ製法による、きめ細かでクリーミーな泡が特長で、豊かな果実味が感じられる。
優美なガーネット色の『レンベルガースパークリング 2017』は華やかなスミレやバラが香り、口当たりは柔らかくエレガント。爽やかな酸と繊密なタンニンが続き、フレッシュな果実味の中にスパイシーさが感じられる。『キャメルファーム』の代表的な品種・レンベルガーの個性を余すことなく表現した辛口のスパークリングワインだ。
「レンベルガー本来の個性、独特な風味を生かしながら、余市の気候ならではの引き締まった酸とタンニン、フルーティで果実味豊かなバランスのとれたスパークリングワインに仕上げました」(リカルド・コタレッラ氏)
淡くクリアな黄色に泡が煌めく白のスパークリングワイン『ケルナー & ピノ・ノワール スパークリング 2017』は、やや甘口ですっきりした味わい。みずみずしくフルーティなマスカットと、柑橘や白い花の香りが感じられ、甘みと心地よい酸が巧みにバランスを取る。さらにピノ・ノワールが程よい豊かさを添えている。
「余市という世界的に見ても特異な気候の中、徹底した栽培管理を実施したブドウだからこそ産まれた、調和の取れたフレッシュなスパークリングワインとなりました。ケルナーらしい果実味とフローラルな味わいがクリーミーな泡と共存し、しっかりした酸味が調和しています」(リカルド・コタレッラ氏)
テロワールを味わいながら、ゆったりとしたひとときをすごしてはどうだろうか。
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- TEXT :
- 津島千佳 ライター・エディター