『紫苑物語』の原作は、日本現代文学の巨匠、石川淳の中期の代表作と言われる同名小説(1956年発表)。その名作を、日本を代表する作曲家の西村朗と詩人の佐々木幹郎がタックを組んで、約2年の創作期間をかけてオペラ化した。演出を手がけるのは、フランスを拠点に演出家・俳優として活躍する笈田ヨシ。オーケストラピットでは大野和士が、芸術監督就任後初めて自らタクトを振る。

日本を代表するオペラハウスとして、1997年10月の開場以来、豊潤なレパートリーで多くの観客を魅了し続けてきた新国立劇場。そのレパートリーに、新たに「紫苑物語・2019年初演」と記録されることになる。その瞬間は、日本だけでなく、世界のオペラファンからも注目されている。

劇場に向かう前に、読んで、見ておきたい予備知識

オペラを楽しむにあたっては、あらかじめ、あらすじなどを知っておくといい。なぜなら、物語の筋を追うのに精一杯で音楽が十分に楽しめなかった、なんてことになると、もったいないから。予備知識を入れておけば、音楽だけでなく、衣装や舞台美術などの視覚的な刺激も十分に楽しむ余裕ができるだろう。

  • 指揮:大野和士(新国立劇場オペラ芸術監督)
  • 作曲:西村朗

『紫苑物語』は、歌詠みの家に生まれ、才能がありながらも歌の道を捨て、弓の道へと走る「宗頼」という芸術家を主人公にした物語。その波乱の半生が、幻術と異界が交叉する幻想的な世界観の中で描かれている。

  • 台本:佐々木幹郎
  • 演出:笈田ヨシ

原作小説は短編なので、時間のある方は一読されるといい。さらに、見ておくといいのが新国立劇場オペラのサイトにアップされている動画。大野和士芸術監督と作曲家・西村朗の対談(2018年1月19日の説明会)では、あらすじや、創作への想いが語られている。リハーサル映像では出演者の歌声も耳にすることができ、観劇前の期待が高まってくること請け合いだ。 

リハーサルシーン

すべてのオペラファン、音楽ファン、舞台ファン、文学ファンたちへ、2月17日の「紫苑物語」世界初演の瞬間をどうぞお楽しみに!

■新国立劇場 2018/2019シーズン
『紫苑物語』[全2幕/日本語上演 字幕付]
公演日:2019年2月17日(日)~24日(日)
会場:新国立劇場 オペラパレス/東京都渋谷区本町1-1-1

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この記事の執筆者
音楽情報誌や新聞の記事・編集を手がけるプロダクションを経てフリーに。アウトドア雑誌、週刊誌、婦人雑誌、ライフスタイル誌などの記者・インタビュアー・ライター、単行本の編集サポートなどにたずさわる。近年ではレストラン取材やエンターテイメントの情報発信の記事なども担当し、ジャンルを問わないマルチなライターを実践する。
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新国立劇場
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