大人のおしゃれはかくありたい!「黒ハンドバッグ」に宿る、静謐な美学|シンプルな佇まいが放つ圧倒的な存在感が手にする女性の真価を語る
強い主張があるわけではないのに、絶対的な美しさを漂わせる、黒のハンドバッグ。賑やかなトレンドが話題の今だからこそ、この稀有な存在価値について、振り返ってみたいものです。
この特集から今回は「ヴァレクストラ」人気の名品バッグ『ミディアム イジィデ』をご紹介します。
「ヴァレクストラ」バッグ『ミディアム イジィデ』|控えめな佇まいにひそむ清冽な魅力に心奪われて
グラフィックなピラミッド形が特徴。そのフォルムから、エジプト神話の女神である『イジィデ』という名前に。
開閉部分の金具にもカーフが配されているので、よりストイックな雰囲気が漂う。フォーマルなシーンだけでなく、デイリーにも手にしやすい逸品。
おしゃれを熟知した大人の女性ならではの価値観
実は、この「主張が強くない」という点が、黒ハンドバッグにおける、大きな魅力であるのです。SNSが発達している今の時代、バッグのデザインは、インパクト重視の傾向に。スマホの小さな画面を通してでもそれとわかる、大きくて明快なアクセントがあしらわれた、ポップなデザインが注目されるようになりました。
ハイブランドという、これまで敷居の高かった世界が、もっと身近に映り、新しい風を感じさせる立ち位置に。そのフレキシブルな流行もまた楽しいけれど、ここで紹介する黒ハンドバッグは、その対極にある存在です。フォルムも正統派、大きなロゴが入っているわけでもなく、色はストイックで揺るぎない黒。あるのは、レザーのなめらかな質感と、品よく煌めく金具だけ。究極にシンプル、なのに眺めていると、どうにも心惹かれてなりません。
これは、数々のバッグを手にしてきた、プレシャス世代だからこその感覚。むだなものがいっさいないからこそ、バッグにひそむ真の美しさが、際立って見えるのです。主張が強くないとは、決して地味という意味ではありません。「もの言わぬ主張」とでも、表現しましょうか。静かな、しかし絶対的なオーラをまとう黒ハンドバッグは、その匿名性ゆえに、特別な佇まいを宿しているのです。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
問い合わせ先
- PHOTO :
- 小池紀行(CASK)
- STYLIST :
- 望月律子(KIND)
- EDIT&WRITING :
- 湯口かおり、古里典子(Precious)